仮想通貨の利益は「迅速さ、低コスト、バランス」IMFのラガルド専務理事が支援へ

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仮想通貨の利益は「迅速、低コスト、バランス」ラガルドIMF専務理事が強力支援

国際通貨基金(IMF)トップのクリスティーヌ・ラガルド専務理事が、IMFBlogに見解を投稿して、仮想通貨とブロックチェーン技術の利点を強調した。

ラガルド専務は2018年4月16日付で「仮想資産のための公正なアプローチ」と題する自説をIMFブログサイトに掲載、その中で仮想通貨は「私たちが貯蓄し、投資し、支払いを行う方法に大きなインパクトをもたらす可能性がある」と指摘した。政策当局が偏見のない視点を持ち、リスクを最小限に抑え、効果を生み出すために、公正な規制枠組みづくりに尽力するよう呼びかけたものである。

ラガルド専務理事は以前にも仮想通貨の功罪をIMFブログでコメント

ラガルド専務は、同じブログサイトで3月13日、「仮想通貨の闇に立ち向かう」という表題で、仮想通貨の危険性つまり負の遺産について書いている。指摘された危険性は「マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与の主要な手段になる可能性」である。その上で同専務は、金融の安定性という別の面を図るため、規制の枠組みを発展させる必要性を説いている。

好例として、IMFはフィンテックの進歩に対応する金融安定理事会、マネーロンダリングに対処する金融活動作業部会(FATF)などの取り組みを支持、支援している。ラガルド専務は、「敵が使う技術と同じテクノロジーを駆使する」ことを訴えている。つまり、規制や監督のためのテクノロジーを用いることで、犯罪者を締め出す可能性に期待を表明した。ブロックチェーン(分散型台帳技術)やバイオメトリクス、人工知能(AI)、暗号化技術が犯罪者を締め出すテクノロジーという訳だ。

仮想通貨の利益は「迅速」「低コスト」そして「バランス」

ラガルド専務は、仮想通貨がもたらす利益について、以下のような具体例を挙げている。

迅速さと低コスト

仮想通貨とその基盤であるブロックチェーン技術の「迅速さと低コスト」が果たす役割は多方面にわたる。金融取引は迅速、低コストで行われ、将来的に中央銀行によるデジタル通貨発行に行き着く可能性がある。また、分散型台帳技術(DLT)が、金融市場のより効率的な機能に資する可能性もあるという。さらには、DLTを活用して重要な記録を安全に保管すること。政府の膨大なドキュメント、医療情報、保険記録その他広い分野の重要記録保管とアクセスが安全に行われる。

バランスの向上

フィンテック技術革命で、近い将来に銀行や仲介業者の必要性がなくなることはないだろう。金融機関が採用している既存の中央集権型サービスに対して、仮想通貨がもたらす分散型アプリとのバランスが改善される可能性がある。さらに政府発行通貨から仮想資産への大規模な移行があれば、中央銀行は将来、存続というリスク対策に真剣に取り組まざるを得ない事態もないとは言えないと予測されている。

公正なアプローチ

仮想通貨を通じて金融活動に有意義な持続可能な変化をもたらすために、消費者と関係当局との間の信頼とサポートが必須である。国際的に、仮想通貨の果たすべき役割にコンセンサスを形成することが第一歩となる。

仮想通貨市場に影響を及ぼすアクターとは?

ラガルド専務の発言は、仮想通貨市場が騒然としている時期に公表された。仮想通貨市場は特に予測困難であり、アナリストのコメントは数多く、推測の域を出ないのが現実である。そんな中で、国際的に影響力のあるラガルド専務のような要人発言は、無視できない。

スイスにあるブロックチェーン技術のスタートアップ企業Smart Valorのオルガ・フェルドマイヤー最高経営責任者(CEO)は「個人的には、仮想通貨価格の上昇は、大きな機関投資家の発言次第だと考えている。出番を待つ機関投資家、ヘッジファンド、大手投資家は大勢いる」と語っている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考:
IMFBlog
INDEPENDENT