仮想通貨は10年前のITバブルと同じように弾けるのか?

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仮想通貨は10年前のITバブルと同じように弾けるのか?

仮想通貨市場に投資してきた者、投資を検討している者の多くは、IT企業時代の勃興と衰退、インターネットの一般家庭への普及を目の当たりにしてきた。そのため、仮想通貨もITバブルの崩壊と同じ末路をたどり、市場を壊滅させるのではないかということが度々議論に上がる。この分野はまだ我々には早いのか、その先にあるものは失望しかないのだろうか。

仮想通貨の勃興と衰退

仮想通貨やブロックチェーンに関わった者なら、短期間であっても「どうせバブルだからすぐに崩壊するだろう」という見解を誰もが見聞きしたことがあるだろう。仮想通貨、殊にビットコイン(BTC)の将来に関する議論は、1995~2001年まで続いたITバブルの時代が頻繁に引き合いに出される。

しかし、それは本質的に悪いことなのであろうか。私たちは仮想通貨がIT産業と同じ末路をたどるのを、ただ秒読みで待つしかないのであろうか。時代が情報化社会に足を踏み入れていく中、この来るべき時代の大きな変化を誰も予想することができなかった。

ICOは2018年前半で既に昨年総額を上回る

ITバブルの時代、オンラインビジネスとして一度何かが世に出されると、投資家たちはこぞって小切手帳を開き、そこに群がっていた。これと同様に、現在では数十億ドル相当の資金が次々にICO(仮想通貨を使った資金調達:Initial Coin Offering)へと注ぎこまれている。

2018年前半には、100億ドル(日本円約1兆円)以上の資金がICOにつぎ込まれた。これは2017年の投資総額のほぼ3倍にあたる。このICOブームは、規制の枠組みが曖昧であるにも関わらず、現在のところ後退の兆しが見られない。

投資プラットフォームの一つであるeToro社のCEO、Yoni Assia氏はBusiness Insiderで次のように述べた。

「今私たちが手にしているものは、これまでには無かったものです。それはITバブルの時代でさえもありませんでした。あなたに才能があるのならば、今ここであなたのアイデアを計画書に記し、ネットで掲載してみてください。それだけで、そのアイデアが10万人相当のミリオネアたちから吟味され、『ほお、これは素晴らしい』と評価を受けるのです。

1000人のミリオネアたちが(彼らにとっては投げ銭である)1万ドル(約100万円)をそのアイデアに投資するだけで、あなたはICOで1000万ドル(日本円約11億円)を調達することができるのです。このスケールの大きさはこれまでには一度もなかったことです」

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もちろん、投資には必ずリスクはつきものである。ICOを募る「プロジェクト」には、アイデア、計画書、事業達成の公約以上のことは書かれておらず、どれもしっかりと出来ている。しかし、ICOを募ったほとんどのプロジェクトがスタートラインにすら立てずにいるのが現状である。

Assia氏は次のように述べている。

「ICOを募ったプロジェクトの95%が資金調達の壁に当たり、失敗に終わっている」

イーサリアムの共同創設者、Joseph Lubin氏は、Assia氏の発言を引き合いに出し、今月初めダブリンで開かれた金融技術者集会MoneyConfの記者会見で以下のように述べた。

「IT企業の勃興と衰退に目を向けると、そこには今回の問題と同じようなことが多く起こっていました。たくさんの資金が投資され、そしてたくさんの資金が失われ、たくさんのプロジェクトが失敗に終わっています。」

時代に適応できる人が仮想通貨を制す

IT企業の勃興と衰退の歴史は、私たちにある1つの教訓を与えている。新しくできたプロジェクトに見境なしに投資することが、どれだけリスクが高いのかについて、私たちは今一度考え直さなければならない。しかし、IT企業の“衰退”は、仮想通貨事業に「関連性があるに過ぎない」ということも頭に入れておくべきであろう。オンラインで事業を起こすという考え自体は、IT企業の衰退とは無関係である。あの時起こったことは、(目的が不明瞭もしくは資金調達のみを目的とした)低レベルのプロジェクトが大成しなかっただけなのである。

ITバブル時代を生き抜いたAmazon、Google、Apple、その他多くの企業に目を向けてみよう。そうすると、彼らがどのようにして私たちの日常生活に影響を与え、生活を変化させてきたのかを理解できるであろう。Assia氏は以下のように述べる。

「仮想通貨への投資は10年前のネット事業への投資と同様に社会を変える可能性を秘めています。Tesla(テスラ:米大手自動車メーカー)は20倍、facebookは10倍、Googleは10倍と株価の高騰を見せてきましたが、同じことが近いうちにこの仮想通貨事業にも起こるでしょう」

数ある仮想通貨事業の中で一握りのプロジェクトのみがこれらの企業と同じ道をたどると考えるのはいささか懐疑的であろう。「適任者が生き残る」というメカニズムは、私たちの生活に想像を絶する急激な革新を引き起こすことになるだろう。

今年初め、投資家でありビットコイン(BTC)推奨者であるTim Draper氏は、仮想通貨が私たちの生活にどれほどの激震を与えるかについて以下のように熱弁している。

「仮想通貨がもたらす変化はインターネットとは比べ物にならない。これは鉄器時代やルネサンスよりも大きな変化だ。いや、産業革命よりも大きな革命と言えるだろう。仮想通貨は我々の想像をはるかに超えるスピードで一気に広まり、全世界に影響を与えるであろう」

今日、投資家と開発者は少しばかりの後知恵に加え、最新かつ最速のテクノロジーを有している。

競争の激化は、新たな市場に適応できる人にとっては、先人と同じ轍を踏むことなく、より高い利益を生み出すことになるだろう。

※日本円換算は記事執筆時点のレート

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参考:Bitcoinist

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