仮想通貨の風説流布で被害に遭わないために知っておくべき基礎知識や防護法とは

7595

仮想通貨の風説流布で被害に遭わないために知っておくべき基礎知識や防護法

仮想通貨市場はこのところ、株式市場では昔から知られる「違法な株の売り逃げ詐欺(Pump-and-Dump)」が蔓延して、大きな問題になっている。

詐欺師はSNSやブログなどを通じて、間違いあるいは詐欺に等しい情報を流して、市場を操作するPump-and-Dump、つまり「風説を流布」する。その風説にだまされて、(株式と同様に)仮想通貨を売買することで大きく値動きするスキを突いて大儲けする行為だ。

恐怖・疑念・不安(FUD)の風説流布が仮想通貨市場を荒らす

各種ソーシャルメディア・チャンネルである仮想通貨情報フォーラム「BitcoinTalk(ビットコイントーク)」、ソーシャルニュースサイトReddit(レディット)」、メッセージングアプリ「Telegram(テレグラム)」などには、ある一定の価格で仮想通貨を買い、同時に価格がピークになる特定の時間に売るために参集し、意気投合する詐欺目的の個人集団が群がっている。

彼らはしばしば時を見て、疑うことを知らない投資家に値上がり時期にロング(買い)を誘うという、誤ったあるいは人を惑わす(詐欺的)情報を流布するのだ。風説の流布は、掲示板やSNS、ブログなどにフェイクニュースを流すやり方と、詐欺集団が集中的な投資で他の投資家を誘い、値上がるタイミングを見て、いち早くすべて売り払うフラッシュパンプというやり方がある。

ビジネスや技術ニュースの専門ウェブサイトBusiess Insiderによると、Telegram上によく現れる主たるP&D(Pump-and-Dump)グループは、以下の5つのグループがいたという。

  • PumpKing Community
  • Crypto4Pumps
  • AltTheWay
  • Pump.im
  • OCPump

仮想通貨の融資市場プラットフォームであるBlackmoon Financial Groupのオレグ・セイダック最高経営責任者(CEO)は「これは市場全体にマイナスの影響を与え、仮想通貨コミュニティー全体を容易に恐怖・疑念・不安(FUD)に陥れる。この種の市場操作は遺憾ながら、多くの新規投資家に影響を及ぼし、市場の発展を願うならこれらチャンネルや集団を阻止し、締め出すため協力する必要がある」と語った。

最善の防護策は内部告発と自主規制機関(SRO)の創設

風説流布を防ぐ策は、1つにはコミュニティー内部からの告発である。米商品先物取引委員会(以下:CFTC)は、金利、デリバティ全般を監督し、市場参加者の保護目的で詐欺や市場操作などの不正行為の追求や、市場の取引を監視する権限を持っている。CFTCは2018年2月、強制措置の発動に結び付く情報提供者に、報奨金を支払うと発表した。

もう1つの対策は、仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)の共同創業者であるキャメロン&タイラー・ウィンクルボス兄弟が提案した自主規制機関(以下:SRO)の創設構想である。SROはCFTCのブライアン・クインツェンツ委員長から一貫して支持された。同氏は3月13日、双子の兄弟の発案を歓迎する声明を出し、「思慮深いアプローチ」と称賛した。

GeminiはSROに関連してVirtual Commodity Association(VCA)を立ち上げたことを報告し、バーチャル商品キャッシュ市場に自己規制という形の新たな監視レイヤーを加えたことは、「消費者を保護して市場のインテグリティ(完全性)を保証するため重要である」と述べている。

SROの枠組みは、バーチャル商品業界に向けたバーチャル商品規制プログラムであり、この市場が成熟するための「次の論理的ステップ」であるというのだ。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考
coindesk
Gemini