暗号通貨の格付けの不完全性、評価基準を公表していないレーティング会社の問題点とは

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暗号通貨の格付けの不完全性、評価基準を公表していないレーティング会社の問題点とは

中国の政府系機関から暗号通貨のレーティングが発表

中国の政府系機関である中国電子情報産業発展研究院(CCID)から暗号通貨の格付けが発表されました。中国電子情報産業発展研究院(以下CCID)は、中国工信部(以下MIIT)の系列のシンクタンクで、ブロックチェーンプロジェクトの月次評価を今月(5月)より行なうとしています。

CCIDによると、同機関による独自のレーティングシステム「グローバル・パブリックチェーン・インデックス」を開発したとしていて、今回の格付けを行っています。CCIDは以前より、ブロックチェーンの研究プロジェクトに投資をしています。

以下が格付けの概要です。トップはイーサリアム(ETH)で、そのあとに、Steem、Lisk、NEOが続きます。ビットコイン(BTC)は13位に位置します。

中国電子情報産業発展研究院(CCID)の格付け表 width=
※http://cyyw.cena.com.cn/2018-05/17/content_386493.htm より引用

関連:仮想通貨(28種)を技術面から格付け、中国政府が国際パブリックチェーン評価指標を発表

さて、この格付けですが、筆者の個人的な意見を言うのならば、違和感は感じるレーティングではあります。とりわけ、ビットコインが13位である点については、どうフラットに見たとしても、分散性やノード、セキュリティの面で正しい評価がなされると思えず、レーティングシステムの欠陥を感じます。

こういった組織は、政府から支援を受けたら、たとえレーティングシステムが成熟していなくても、出さなくなくてはいけないでしょうし、そもそも深く考えていない可能性も高いです。また、こういったレーティングを継続するうちに高確率で賄賂もらってランキングいじりはじめたり、事前リークとか始めることが関の山だろうと想像してしまいます。そして、レーティング基準が公表されておらず、「内部の独自基準でのレーティング」とされてしまえば、それも追求ができないのです。

PER/PBRなど客観的指標が存在しない黎明期

また、アメリカのWeiss Ratings社は、今年2月に格付機関としては初の74種類の暗号通貨の格付けを発表しました。ですが、現状存在するほとんどのレーティングサイト、およびWeiss Ratings社の格付けはあまり客観性もなければ、各社に正しい評価能力があるとは思えません。

関連:米格付機関Weiss「ビットコイン C+、イーサリアム B、リップル C」と仮想通貨に初評価

とはいえ、レーティングに対して、基準は公表されるべきであろうと思います。暗号通貨は客観的な価格指標を、株式のように、PER/PBRなどで算出することもできず、割高・割安かの判断もできず、評価も難しいです。
※PER=株価収益率、PBR=株価純資産倍率

正統性のある基準を公表し、レーティングをする会社が現れれば、いずれ暗号通貨業界で伝統のある格付け会社として残っていくと思います。そして、そうでない格付けシステムはいずれ消えていきます。これは既存の金融でも繰り返されてきたことです。

蛇足ではありますが、少し前に筆者が運営している研究所サロン(https://junyahirano.com/salon_/subscription/)では、もし自分が暗号通貨の格付け会社をもしやるなるば、このような方法であれば今よりかなり良い方法でフェアな格付けができるのではないか?というものを提案し、レポートにまとめました。

興味ある方は、是非そちらもお読みください。