ブロックチェーンでダイヤモンドが追跡可能に?採掘から顧客までの流通を透明化へ

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ブロックチェーンでダイヤモンドが追跡可能に?採掘から顧客までの流通を透明化へ

世界最大のダイヤモンド小売業、Signet Jewelers社は、南アフリカの宝石会社デビアスグループ(De Beers Group)が開発したダイヤモンドブロックチェーンプログラムTracrのプロジェクトに参加した。

Signet社は、Tracrのパイロットプログラム(試運転計画)に関係する大手業者の関連企業であり、共有された分散型台帳で、採掘されたダイヤモンド1つひとつの追跡作業を行っている。

このプロジェクトは、鉱山から顧客までの包括的な追跡機能を駆使して、採掘されたダイヤモンドが、アフリカ紛争地域の強制労働者によって採掘された違法の「紛争ダイヤモンド」ではないことを確認するというものである。

ブロックチェーンでダイヤモンドを追跡できる「Tracr」

Tracrプログラムとは?

「Tracr」は、鉱山から顧客までの流通課程で、ダイヤモンドの盗難や偽造がないことを保証することができ、エンドユーザーすなわち消費者はダイヤモンドの真正性と出所をはっきりさせることができるのだ。 Tracrはダイヤモンド1つひとつの流通過程を鉱山から小売店までを、デジタルで包括的に追跡できる世界初のプログラムある。

「Tracrはブロックチェーン技術の利点をダイヤモンド業界に最大限もたらすことに注力しています。消費者に安心を与え、取引には効率化とコスト削減をもたらし、業界のリーダーにはより透明性の高い取引を実現させます。」とデビアスのCEOブルース・クリーヴァー(Bruce Cleaver)氏は述べている。

SignetのCEOであるバージニア・C・ドロソス(Virginia・C・Drosos)氏は、「ダイヤモンドの責任ある調達は、Signetが抱いている企業精神の不可欠な部分であり、これはTracrへの参加を通じてさらに強化される」とし、この計画への参加に同意した。

ブロックチェーンプログラムの今後のスケジュールとは?

Tracrは2018年後半にリリースされる予定である。ダイヤモンドには1つひとつ特別なIDコードが付与され、石の重量、色、透明度が一括に管理される。そして、すべての情報は共同データベース内で共有される仕組みとなっている。

2018年5月初旬、世界のダイヤモンド供給量の3分の1を占めるデビアス社は、Tracrによって100の高価値なダイヤモンドの追跡に成功したと発表した。 ダイヤモンド市場のリーダーたちは、ビットコイン(BTC)を支える技術がこの業界ではより透明性の高い取引を実現させるとして、Tracrの使用を賞賛している。

「科学技術の発展によって、ダイヤモンド業界における取引の透明性は、かなりの水準にまで達しました。しかし、ブロックチェーンの優位性がより世界に認知されると、この取引の透明化はさらに推進されることでしょう」と、世界最大級のダイヤモンドジュエリーメーカー、ロージィブルー(Rosy Blue)社のマネージングディレクターAmit Bhansali氏はこのように述べる。

ビットコイン(BTC)否定派も称賛するブロックチェーン

このようなブロックチェーンを用いた新たな取り組みは、分散型台帳技術が持つ革新的な可能性を改めて確認させてくれる。これはダイヤモンド産業に限った話ではない。

小売業大手のウォルマート(Walmart)は昨今、ブロックチェーンをベースとするデジタル市場を開発し、その特許を申請した。ウォルマートのシステムによって、店舗が特定の顧客に販売する商品を追跡することができるのだ。

同様に、米メディアCNNの報告によると、東南アジアの主要銀行は少し前に、ブロックチェーンを使用したタイからシンガポールへの国境を越えた送金を「ほんの数秒」で完了したそうだ。

仮想通貨の懐疑論者やビットコイン(BTC)否定派でさえも、ブロックチェーンがヘルスケア、銀行、物流システム、エンターテインメント業を変えることができるとは認めている。

そうであるからこそ、ロックフェラー家のような世界の大富豪でさえ、ベンロック(Venrock)社のような投資会社を通じてブロックチェーン新興企業の立ち上げに投資している。

ベンロックの協力者であるDavid Pakman氏は、目先の利益を目的とした投資よりも、ブロックチェーンや仮想通貨業界に投資し、長期的な視点で利益を追求したいと述べている。

「現在ネットワーク上では様々な仮想通貨が流通しています。この投資は特別なものなのです。」とPakman氏は言う。

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参考:CCN