オランダ中央銀行:ブロックチェーンは金融インフラのニーズ満たせずと結論

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オランダ中央銀行:ブロックチェーンは金融インフラのニーズ満たせずと結論

オランダの中央銀行にあたるオランダ銀行は、3年間の実証実験の末、ブロックチェーン技術は同国の金融インフラのニーズに合わないと結論付けたことをホームページで伝えた。ブロックチェーンは外部からの攻撃への対策強化には有効であるとするものの、対応できる取引の容量やエネルギー消費量、トランザクションの不安定性といった点で問題があり、不適切だということだ。

ブロックチェーンは金融インフラに適切か、3年間の検証

オランダ銀行は、「デュカトン」という名の仮想通貨を作り、これを使って4つのプロトタイプの分散台帳技術を試し、証券の記録管理や支払いシステムの向上に役立つかどうか、3年間かけて検証した。トランザクションの成功など、成果に対しては手数料やデュカトンが技術者に与えられた。

一つ目はビットコイン(BTC)をベースにしたプロトタイプで、5台のラップトップPCを使ってネットワークを構築し、マイニングを行った。二つ目は信頼性のある管理者を置き消費エネルギーを抑えた方法、3つ目は独自のウォレットを使ったもの、そして最後に様々なアルゴリズムやノードのネットワークを使い、ブロックチェーンを使った支払いシステムが金融インフラとして適切であるかを検証した。

オランダ中央銀行の結論

検証の結果、テストしたソリューションは、効率性、安全性、信頼性、利便性、スケーラビリティ、コストや容量など、様々な点において金融市場のインフラの必要項目を満たさないと判断された。一方、同時に検証されたユーロシステムでの銀行間の支払いシステムについては、大量の取引を効率的に行うことができるため、現状の金融市場インフラのニーズには合っていると結論づけている。

ブロックチェーンを使ったソリューションは大量のトランザクション処理には適さない。また、取引の安定性にも不安が残る。悪意のある個人や組織に対抗でき、ネットワーク上の安全を確保できるアルゴリズムも存在するが、他の必要条件を満たさないのが現状だ。

ブロックチェーンは決済システム向上に貢献するだろう

この実証実験のレポートでは、ブロックチェーンは様々な通貨による支払いシステムの向上に貢献するだろうとしている。今回の結論にも関わらず、オランダ銀行はブロックチェーン技術への期待を持ち続けており、今後、金融インフラに必要な条件を満たす新たなアルゴリズムを開発できることを信じて、引き続き実験を行う意向だ。

オランダ以外の国々の中央銀行でもブロックチェーン技術の実証実験は行われている。日本銀行や欧州中央銀行は、異なるブロックチェーン間で暗号通貨を交換するアトミックスワップのような、分散台帳技術を活用した新たな証券決済が可能だとする報告を発表している。

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参考:CCN