米自動車メーカーのフォード:交通渋滞解消にトークン利用システムを開発、特許を取得へ

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米自動車メーカーフォード:交通渋滞の解消にトークン利用のシステムを開発、特許を取得へ

もし、仮想通貨をマイニング(採掘)して入手するのではなく、交通渋滞中に割り込んでくる自動車にレーンを譲り、渋滞解消に貢献すれば仮想通貨がもらえるとしたら、あなたは喜んで譲るでしょうか?

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実際にこういったトークンが存在する。渋滞解消に貢献する仮想通貨はCMMPトークンと呼ばれ、「Cooperatively Managed Merge and Pass(協調型合流・追い越し管理)」の略となる。

交通渋滞中に、走行車同士が交信し合って、一方がレーンを譲る中であえて合流・追い越しに積極的に協力して、渋滞解消に貢献したドライバーにCMMPトークンが与えられるシステムである。特許は、発明したフォード・モーターズ(米自動車メーカー)のグループ社、フォード・グローバル・テクノロジーズに与えられた。

参加・協調型車両間通信・速度調整モジュールのCMMPトークン発行

そもそも交通渋滞は、ドライバーの心理に大きく左右される。従って交通渋滞は、「それぞれ個々の移動時間の好み(選択肢)を重視する人間(ドライバー)の心理によって左右され、イライラが募り、ドライバーの心理が総じて悪化するときに発生する」のである。

特許は「車両対車両の協調による交通整理のための装置もしくは手段」と呼ばれ、CMMPは言い換えれば、「参加・協調型の車両間通信・巡航速度調整モジュール」のようなもの。CMMPはまた、交通パターンについて相互に話し合い、ドライバーの状況に関するデータをモニター、収集することができる。

このモジュールを搭載した参加者(ドライバー)は、互いにデータを共有し合えるモニターとの通信手段を搭載しているので、走行中の相手の状況を良く把握することができる。実際は、ドライバーがそれぞれ希望する運転時間を通信し、ドライバーの間でCMMPトークンを取引することになる。

もっと詳しく言うと、例えば約束に間に合わないなどの理由で遅れを取り戻したいドライバーが、ほかのドライバーにリクエストを送り、余裕のあるドライバーから承諾が得られれば、CMMPトークン1枚を支払って、10秒間優先的に道を譲ってもらうことができる。

フォード社は2016年から、このスマート・モビリティ・ソリューションの開発を進め、2018年3月27日、米特許商標庁から特許(No.9928746)が認められた。ブロックチェーン技術が自発的な交通整理を促し、「譲り合いの精神」で社会問題を解決する夢のような話だ。

ブロックチェーン技術が個人間トークンベースの取引を保証

ブロックチェーン技術が介在するのは、個人間で迅速にやり取りするトークンベースの取引である。高速道路上で、実際にどのような状況になるか、さらに詳しく見てみよう。

システムは、特定の参加・協調型車両に対して、走行車線からより高速を出せる追い越し車線で一時的に走行したり、必要があれば自由に合流・通過することを許可する。ほかの参加・協調型車両は、自発的に走行車線を占有し、特定の車両が必要な際に追い越し車線に合流、追い越すことができる。特定の車両からリクエストがあれば、その他の車両はCMMPトークンを取得して合流・追い越しに積極的に協力することになる。

CMMPトークンはまたクレジットの機能も果たす。特定の車両ドライバーが、約束の時間に遅れそうになったという理由で、その他車両のドライバーに10分間追い越し自由にして欲しいと思えば、CMMPトークン60枚を提供すれば、10分間優先的に追い越し走行することが可能になる。

このプロジェクトはスタートアップ企業のICOの一部にも聞こえるが、フォードはICOによる資金調達をするかについてはコメントをしていない。フォードは2022年までに、電気自動車(EV)開発に110億ドル、5年にわたり人工知能(AI)に10億ドル余りを投資する計画だ。フォードは2017年に、特にブロックチェーン技術者を徴用して、今回のCMMPトークンはじめ「モビリティ」とAIの研究開発に注力している。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

▼参考
Bitcoin.com
CNBC