ビットコイン(BTC)法定通貨化でエルサルバドルはどうなる?マイニング参入や利用増加がもたらす未来

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エルサルバドルは、米ドルと共に法定通貨としてビットコイン(BTC:Bitcoin)を採用する予定であり、ビットコインの利用拡大は国家に多大な利益をもたらすポテンシャルを秘めています。この国が台湾やシンガポールのように経済的に豊かな国家になる可能性はあるものの、同時に多くの解決すべき問題もあるようです。

送金手数料問題

エルサルバドルでは、米国へ出稼ぎに出たエルサルバドル人による家族への仕送りが経済を支えており、送金額はGDPの約24%にも上っています。この国際送金にビットコインを採用することが、大幅な手数料の節約につながる可能性があります。例えば、既存の送金ネットワークでは、小口送金の場合手数料がその半分に達することもあり、アメリカで働く家族が週に50ドル(約5,500円)を母国に送金すると、半分の25ドルが手数料として消えてしまう場合もあります。この国際送金の手数料に関する問題を解決することに、ビットコインへの期待は高まっています。

しかし、送金に関しては大きな利益があるものの、国内に大量のお金が流入することで、別な問題が浮上する可能性があります。1つはインフレの危険性で、より多くのお金が国内に入ってくると、局所的に商品価格が吊り上がるかもしれません。2つめは失業率の悪化で、15~24歳の失業率は10%程度増加する可能性があります。仕送りを受け取った家族はフルタイムで働く必要を失い、働かずに家で過ごすことさえ可能となってしまいます。そして3つめは、エルサルバドル国内での働き手がさらに減り、代わりの労働力として周辺国からの移民を招くことで、文化的な軋轢が生じる危険性です。

ビットコインによる送金は、エルサルバドルに多大な恩恵をもたらすでしょうが、同時に予期せぬ結果を招く可能性があるとも言えます。

マイニング産業の実現

ビットコイン業界ではマイニングが大きな収益を生み出しますが、近年は中国で起こっているように、規制のリスクが高まっています。しかしエルサルバドルでは、ビットコインを法定通貨に採用されているため、そのようなリスクはほとんどありません。またエルサルバドルは多くのエネルギー資源を国内に有しており、その活用につながる投資を探しています。

ビットコインのマイニングはまさに要件に合っており、エルサルバドルとビットコイン市場の両方に有益な結果をもたらすでしょう。ビットコインはより高いハッシュレートを得ることとなり、エルサルバドルでは新たな産業創出やクリーンエネルギーの有効活用といった経済活動を活性化することができます。

観光産業の活性化

エルサルバドルはビットコインに対して税率が軽く規制も緩いため、ビットコインを手にした人々が多く集まるようになるでしょう。こうした人々は独自の手法で平均以上の富を手に入れ、それが国全体の経済を活性化する可能性もあります。

ビットコインは観光にも適した通貨で、グローバルでありながら、特定の国際的な障害によって制約を受けることもありません。エルサルバドルの観光業界が完全にビットコインを受け入れることとなれば、観光旅行者にとっての利便性ははかり知れません。もし観光地が残高の一部をビットコインで所有していれば、高騰による価格変動からの利益を得ることにもつながります。

ビットコインはエルサルバドルを大国にはしない

ビットコインはエルサルバドルにおける1つの成功事例となり、国際送金や各種産業での収益増加を加速するはずです。その結果1人当たりのGDPは、今後10年で2倍になる可能性があります。ビットコインを法定通貨に加えることは同国の経済構造にフィットし、今後も多くのチャンスをもたらしてくれるでしょう。

しかし、ビットコインを採用したからといって、エルサルバドルを非常に高い生活水準を備えた大国に変えることはありません。貧困は緩和されるものの、能力のあるビジネスマンや科学者、エンジニアなどは米国やメキシコに引き抜かれてしまう可能性があります。

参考
HOW BITCOIN WILL IMPACT EL SALVADOR’S GEOPOLITICS

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コインチョイス編集部
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