ドバイが独自デジタル通貨「emCash」を市民に提供する世界初の都市を目指す

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ドバイが独自デジタル通貨「emCash」を市民に提供する世界初の都市を目指す

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ市民は間もなく、公共料金、学費の支払いや小売店などの買い物をドバイ政府発行のブロックチェーンベースのデジタル通貨「emCash」で決済することができるようになる。実現すれば事実上世界で初めてのケースとなり注目される。

ドバイ政府信用機関であるemCreditは、仮想通貨決済端末プロバイダーPundi Xと地域流通パートナーのEbooc Fintech & Loyalty Labと提携している。

国際的なテクノロジーハブとして、ドバイの地位を裏付ける

ドバイ経済開発局(DED)統括下のUAE初の政府信用機関emCreditは、ドバイ全体の政府直営店の店頭でPOS(販売時点情報管理)レジ機器である特注の「Pundi X POS」を展開して、emCash決済を促進する。POSレジはまた、emCreditがPundi XとEbooc Fintech & Loyalty Labと提携して、小売店の店頭にも設置されるので、ドバイ市民は自由に商品を仮想通貨で購入することができるようになる。

emCreditのスポークスマンは、このサービスについて以下のように語った。

「ドバイ市民にブロックチェーン技術ベースの決済ソリューションを提供する初の都市となることは、ドバイにとって素晴らしい瞬間である。それは国際的なテクノロジーハブとしてのドバイの地位を裏付けるものである。ブロックチェーンのような最先端テクノロジーを展開することは、ドバイの顧客と商店に利便性とセキュリティの形で、ドバイ市民に利益をもたらすことになる」

「スマートドバイ」計画と連動して決済含めドバイのスマート化推進

ドバイ政府は2017年10月、UAEの法定通貨ディルハムと等価交換できるemCashを開発していることを発表した。emCashは非接触型のカードで、emPayというウォレットで決済する。コーヒーショップから公共料金支払い、送金などすべての決済が可能となり、決済時にはディルハムかemCashのいずれかの選択が可能で、取引履歴は分散型台帳(DLT)に記録・管理されるので、スマートコントラクトも可能になる。

emPayは、スマートフォン・アプリであり、デジタル通貨、PoS端末と併せた全体的なエコシステムは、約1年かけて開発とテストを行ってきた。

政府主導のスマートドバイオフィス(Smart Dubai Ofiice)は、ブロックチェーン技術に基づく全市決済プラットフォームの実現のため、フィンテック専門企業Avanza Solutionsと提携した。計画によると、既存の全38の政府機関、金融機関、ドバイ市のその他政府部門にブロックチェーン決済プラット展開するというもの。Avanzaが提供するプラットフォームは「サイファー(Cipher)」と呼ばれ、2018年2月からパイロット計画がスタートしていた。

特注POSレジ「Pundi X POS」はブロックチェーンベースのスマートデバイス

特注POSレジの「Pundi X POS」は、情報記録をブロックチェーンに依存して、暗号通貨を普及させるスマートデバイスである。これを使ってemCashを売買したり、ウォレット内に通貨をチャージしたり、公共料金などすべての商品を購入することができる。

Pundi Xは2018年1月以来、ブロックチェーンをベースとしたユニークなPOSデバイス導入目標を3年間で10万台以上と想定して、ICOを通じてトークンを発売、3,500万ドル(約40億円)調達した。同社当初、インドネシアへの配布を優先として、タイなど東南アジアへの普及を対象としていたが、ドバイ(人口約311.8万人)との提携によって、「Pundi X POS」は一挙に大量に普及することになるだろう。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
Pundi X
CCN
TradeArabia

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