EOSが半年で7億ドル調達、しかし実態は?

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2017年半ばに新規仮想通貨公開(ICO)した企業は165社に上り、調達金額は約40億ドル(約4400億円)に達する。その中で、最も注目される仮想通貨を上場した企業が、スタートアップのblock.one(ブロックワン)である。

block.oneは、ソフトウエアを販売する予定がないソフトウエア企業であり、ブロックチェーン・オペレーティングシステムEOS(イオス)と呼ばれるデジタルトークンを公開している。6月末に始まったICOで調達した資金は、これまでに約7億ドル(約770億円)に上る。

ソフトウエア販売予定のないblock.one

block.oneは、ブロックチェーン・ソフトウエア開発を含む技術ソリューションのデベロッパーである。EOSは、分散型アプリケーションをサポートするプラットフォームであり、大企業のメーンストリーム開発に広く対応することを「想定」して開発された。

EOSは非同期通信と並行処理を採り入れて、毎秒数百万の高速トランザクションをサポートするのが特徴である。ちなみにFacebookは5万余り、Googleは4万のトランザクションをサポートしているが、EOSは何とそれを上回る。

発売元のホワイトペーパーを見ると、このトークンは利用用途が全くなく、購入後48時間以内に移転もできなくなる。将来の利用用途は、特定の企業が興味を示さない限り全くないという不思議なトークンである。

block.oneは、16年にケイマン諸島で設立された。ビットコイン型の基本プラットフォームに使うコードを作成している。このプラットフォームは、グーグルのアンドロイドと同様に、さまざまなアプリケーションのホスト役を果たすとされている。

EOS開発は第三者に任せコードだけ公開

block.oneの企業広報ニュースによると、ブレンダン・ブラマー最高経営責任者(CEO)は、「オープンで非排他性を確実にするために、EOSの販売は決まった価格ではなく、マーケットのニーズによって決まる価格で販売されている」と強調している。トークンは発売当初1EOSが1ドル前後で発売され、現在値は約8ドル。

block.one は公開当初、わずか5日間の EOS の販売で1億8500万ドルの新記録となる資金調達を行ったと発表した。この額は Bancorが2週間前に出した1億5000万ドルの最高記録を上回った。

EOS.IOソフトウエアのコードは公開されている。Block.oneは最近、試用版をリリースした。正式版のリリースは18年6月の予定である。同社役員のブロック・ピアス氏はEOS.IOについて、「ウィンドウズが登場した時と同じだが、それよりもはるかに大きい出来事になる」と予測している。

マイクロソフトとの違いは、Block.oneはEOS.IOの最初のコードは書くが、その後は公開に踏み切り、プラットフォームの開発は、あくまで第三者に任せるスタンスだ。

EOSは時価総額トップ15位にランクイン

Block.oneは、ほぼ1年の341日間という長期的な資金調達期間を設けた。同社はこれまでに、10億枚限定の EOS トークン流通量のうちほぼ20%を販売している。長期展望で意図するところは、一時的な価格上昇を避けて、企業がEOS.IOに関心を示してくれるのを待つことだという。
(フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者:長瀬雄壱)

出典:
WSJ
NewsBTC
KYODO