イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)を証券と見なす動きが強まる、発行両者は猛反発

44621

イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)を証券と見なす動きが強まる、発行両者は猛反発

米商品先物取引委員会(CFTC)元委員長、現在はマサチューセッツ工科大学(以下:MIT)のブロックチェーン研究者兼上席講師であるゲーリー・ゲンスラー氏が、イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)は「双方、特にRippleは、非準拠証券であるという揺るぎない根拠がある」と語ったことから、大きな波紋が広がっている。

両者はすでにこの発言に反発し、仮想通貨関連メディアはこぞってその成り行きに強い関心を示す記事を掲載し始めた。これはゲンスラー氏が2018年4月23日にMITで講演して語ったものだが、ニューヨークタイムズ紙がその前日に特ダネ報道をした。

1000件を超えるICOと100余りの取引所の整理が必要とゲンスラー氏

ニューヨークタイムズ紙によると、ゲンスラー氏は「2018年は非常に興味深い時になろうとしている。これまで発行された1000件を超えるICOと100社余りの取引所は、証券取引法に準拠することになるかどうか整理する必要がある」とまで指摘した。

米証券取引委員会(以下:SEC)は、ジェイ・クレイトン委員長らが以前から、ICOを通じて発行されるトークンはすべて証券だとの見解を表明してきた。SECは、仮想通貨は「証券か商品か」という、裁判所まで巻き込んだ国内世論に決着の時期が迫っているのではないだろうか。

これに対してイーサリアムとRippleの関係者はかねてから、トークンは証券ではないと主張してきた。SECの幹部はすでに業界との非公式の会合で、イーサリアムは証券と分類すべきかどうか検討中と踏み込んで語っていた。

関連:「仮想通貨(ビットコイン)はコモディティ」と判決、この規制が及ぼす影響とは?

ETH、特にXRPが非準拠証券になる可能性大なのか?ビットコインは対象外

発行済みのイーサリアムは、4月22日時点で650億ドルほど、Rippleは約350億ドルにもなる。もしこれが証券と定義されると、SECに正式登録された取引所しか取り扱いできなくなる。現在、両方の仮想通貨を扱っている取引所のほとんどが、米国では違法な取引となり、全体として仮想通貨の価格の下げ圧力になりかねない。

ゲンスラー氏を含む多くの業界専門家は、仮想通貨の草分けであるビットコインは、当初からICOを通じて発行されたものでもなく、ソフトウエアは非集中型分散型のデベロッパー集団によって管理されているので、ライトコイン(LTC)、モネロ(Monero)などいくつかの仮想通貨とともに、証券として分類されないだろうと予測している。

ゲンスラー氏によると、イーサリアムはネットワークが機能する前に、運営元のイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の手で2014年に発行された。しかし、イーサリアムは最近非集中化する傾向にあり、新しいイーサリアムトークンはマイナー(採掘者)に譲り渡されていることなどから、証券として分類される窮地を脱がれる可能性があるという。グレーゾーンという訳だ。

一方、リップルトークン(XRP)は、極めて難しい立場にある。ゲンスラー氏によると、開発事業を管理しているのはRipple(会社)自体であり、XRPの大部分を保持し、ソフトウェアとトークンの価値を上げるため働いているからだ。

Ethereum、Ripple両者とも発行体の実質支配を否定

このような動きに対して、Rippleスポークスマンは23日、「XRPはその所有者に対して、Rippleの株式や利権を与えるのではなく、配当を支払うこともない。XRPはRipple社ができる以前から存在し、(会社が)なくなっても独立して存在する」と反論した。またイーサリアム財団はというと、「財団はETHの供給や発行もコントロールできる立場になく、ETH保有量も全体の1%以下である」と、財団が独立していることを訴えている。

いずれにしても今回の動きによっては、米国内と世界の仮想通貨市場に与える影響は少なくなく、成り行きを注視しなくてはならない。しかし、ここに確かな事が1つある。SECは言うまでもなく、仮想通貨の証券化を支持する専門家も、仮想通貨そのものに与える影響を最小限にとどめたいと望んでいることだ。仮想通貨の「安全避難場所」を作る動きなど、何らかの妥協を見出す余地がありそうだ。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

イーサリアム(ETH) 価格・相場チャート情報
リップル(XRP) 価格・相場チャート情報

参考
Bitcoin.com
CCN