マイニングの特性からイーサリアム(ETH)価格の底を予測する

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マイニングの特性からイーサリアム(ETH)価格の底を予測する

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai) です。イーサリアムは年始に0.12BTCを記録した後ビットコイン下落と伴に価格を下げ、最高価格の約1/4となっています。本稿ではチャートからではなくマイニングを必要とする仮想通貨特有の視点からイーサリアム価格の底を予測、分析を行いました。果たしてイーサリアムの買い時はいつでしょうか?

マイニングとプレマイン

まず仮想通貨には大きくわけると2つ種類が存在します。それはマイナーがコンピューターリソースを裂き、解を見つけるために演算するProof of Work(以下PoW)とプレマイン型のPoSです。

前者はビットコイン、イーサリアム、ZcashやMoneroが有名でマイナーがASICまたはGPUリグでマイニングを行うことによりネットワークを維持しています。後者は一度最大発行枚数を発行し、管理者または開発者が一部を保持してネットワークへ供給します。代表的にはリップルなどがそうで、発行で見ると既存のイーサリアムベースのERC20トークンも同様です(一部例外あり)。

マイニング通貨のインセンティブ

イーサリアム上でコントラクトを実行する際にEtherを消費します。コントラクトを実行するためのトランザクションを含むブロックを生成することにより、新規発行されるマイニング報酬の3ETH(メインチェーン)とトランザクション手数料でのETHを得ることができるためマイナーは演算リソースを裂きネットワークを維持します。

つまりマイニングには「その演算に貢献した際に新規発行して得られるETHの価格をマイナーが破壊することはない」と言えます。マイナーは自身がリソースを裂き続ける限り、電気代や人権費などの管理費などが発生し続けるため価格を大幅に下げるインセンティブを持ちません。

マイニング収益がマイナスになった場合

マイナーはマイニング収益がマイナスになった場合には下記のような選択肢があります。

  1. マイニングを停止する
  2. マイニングリグを売却する
  3. マイニングを継続する
  4. 他の通貨をマイニングする

1の「マイニングを停止する」ということほぼないと言えます。マイニング収益がプラスの時だけマイニングするより、3と同様の赤字でもマイニングを継続する方が価格上昇時に売却してプラスにできるからです。

そうでない場合は、2のリグやGPUを売却する方がマイニング需要のあるうちに高く売却でき、新規アーキテクチャやデバイス要求によりリグの売却価格を下げずにプラス撤退が可能となります。
(イーサリアムの場合はメモリが2GBのものは現在はDAGサイズの増加によりマイニングできない)

4のように他の仮想通貨、例えばZcashやMoneroなどをマイニングすることもできますが、AMDのRadeon RXシリーズなどの場合はOpenCLで実装しているイーサリアムの方がハッシュレートは高く、効率も悪いため不利で、イーサリアム特価のほとんどの既存マイナーは価格上昇まで赤字でもマイニングを続けるといえます。

CUDAマイナーの改良によりNVIDA GPUでもある程度問題なくイーサリアムをマイニングでき、Zcashよりもマイニング報酬のいいイーサリアムからは価格上昇を考慮しても移りづらいためハッシュレートは現状下がらないといえるでしょう(撤退を除く)。

マイニングと価格の関係性

ではマイナーがイーサリアムを赤字でもマイニングすること、価格を必要以上に下げるインセンティブがないことを考慮してマイニング収益性のチャートを確認します。

マイニングの収益チャートを確認すると前回の転換目安となった収益性の上昇は9月23日で、最低収益記録から2ヶ月ほど緩やかに推移した後11月12日から上昇を開始しています。

bitinfocharts出典:BitInfoCharts

この時価格は200ドル前後まで落ち、収益性がマイナス寸前でした。現在の価格は450ドル前後で前回の価格下落と同様のマイニング収益となり、損益分岐点が2倍以上に切り上がってることがわかります。PoWのインセンティブを考えると現在の価格が底であると仮定することができるでしょう。

またチャートを確認すると極端にイーサリアム価格が弱いことがわかり、下落トレンドを一時的にブレイクしても弱々しく下落していることがわかります。世界的にみてマイニング収益がマイナスになると考えられる400~450ドルをレジスタンスラインとした攻防が2-3ヶ月続くのではないかと現時点では推測されます。

Cryptowatch出典:Cryptowatch

結論と考察

イーサリアムはサイドチェーンやオフチェーンなどの開発、更にはPoSのCasperのテストネット実装などの開発の大きな進展を見せるものの、ビットコインの下落に引きづられている現状です。マイニングが必要なPoW通貨特有の経済インセンティブを考慮した際の防衛価格は重要で、イーサリアムネットワークを維持するために必要となります。

ここから価格が回復するには中期的に時間を要するかもしれません。GPUの大幅な高騰とチップの供給不足を考慮すると現時点で著しく新たにハッシュレートが増えることは難しいため節目ではないかと私は推測しています。