イーサリアムの今後を時価総額とドミナンスから考察する

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イーサリアム(Ethereum)イメージ

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai) です。
前回はイーサリアムのテクニカル分析を短期、中期、長期にかけて行いましたが、アルトコインはテクニカルだけでは語れず、ファンダメンタルズ分析もとても大事になっています。

本項ではイーサリアムとアルトコイン全体、ビットコインとの影響を時価総額とドミナンスから総合的に分析を行いしました。

仮想通貨市場全体

仮想通貨市場全体を見るとビットコインは主軸通貨であり、フィアットでいうUSDの様な存在です。多くのアルトコイン(通貨ペアをALTとする)取引所はBTC:ALTという取引を提供しており、この出来高とドミナンス、各通貨の時価総額はアルトコイン市場を読むのに重要な指標です。

ビットコインのドミナンス

アルトコイン相場を読むのに重要な指標の一つとしてビットコインとアルトコインのドミナンス(比率)というものがあります。仮想通貨の時価総額や日々の出来高を正確に知ることができるCryptocurrency Market Capitalizationsによるとビットコインのドミナンスは直近で32.69%になっており、最高価格の230万円を記録し2017年12月6-8日にかけて回復した64%の半分ほどまで下落しています。

米国最大の取引所Coinbaseに上場するという噂により一時Rippleのドミナンスがイーサリアムを上回ったものの、Coinbase公式の否定と韓国取引所の閉鎖騒動で対象的にイーサリアムのドミナンスとの大きな鞘が確認できることからリップルへの投機からイーサリアムへと流れたものであると考えられます。

去年のイーサリアム高騰時のビットコインドミナンスは最大37%まで下落し、現在はその最低%より更に下落しており、ビットコインから資金が流れているということになります。現在はマイナーアルトコインブームが来ており、この様なアルトコイン相場はもう少し持続すると考えられますが、ドミナンスを考えるとマイナー市場への投機目的の方は注視しておく必要があるでしょう。

イーサリアムのドミナンスは最大39.78%となっており、現時点ではまだ半分となる20%に達していないため広くアルトコインに資金が分散されており、大きな伸び代があると言えるでしょう。

イーサリアム(Ethereum)チャート

時価総額

ビットコインの時価総額は現在約2,400億ドル、対してイーサリアムは約1,300億ドルとなり、ビットコインの54%前後となっています。イーサリアム価格は現在直近の最高価格であった0.097BTCのレジスタンスラインを推移しており、資金が緩やかに流れてきている印象となっていますが、前回の最高価格0.152BTCを超えるには152%の高騰が必要となり、イーサリアムの時価総額は82%まで迫ることとなります。

2倍となる0.2BTCになるとすれば時価総額はビットコインを超えてしまうので、このままビットコインドミナンスが低下を続けるということは難しいと考えられるでしょう。

イーサリアム(Ethereum)とビットコイン(Bitcoin)の時価総額

市場供給量 と時価総額の形骸化

現在は「時価総額ランキングが形骸化している」などとよく聞くと思います。イーサリアムなどのProof of Work(以下:PoW)のマイニングベースの仮想通貨は、新たなETHを生成するにはブロックを生成する必要があり、プロトコルによって発行枚数やブロック生成時間が異なり、更にPoWではないプレマインや、インスタマインと呼ばれるものなど様々なものが仮想通貨には存在し、これが原因で時価総額を比較し、価値を測ることができなくなっています。

ビットコインを基準に考えイーサリアムと比較する

ビットコインは約10分に1度ブロックが生成され、4年に1度マイニング報酬が半減する半減期がプロトコル上設定され、2週間という難易度調整期間を設けてあります。これはビットコインの価値を保つためにとても重要なことで、発行数を制限しビットコインをマイニングするということを金などの希少な金融商品の採掘レートへ近似させており、強制的にデフレにすることでビットコインの価値を保っています。

対してイーサリアムは独自通貨のEther(ETH)を使用することで誰でもイーサリアムネットワークの計算力を利用できるワールドコンピュータであり、ビットコインの様なデジタルゴールドや通貨ではなく全く別物となっているため1ブロック約15秒となっています。

インスタマインとは?

イーサリアムは最終的にブロック生成時間を約3-5秒まで早め、サイドチェーンとオフチェーンを利用し、秒間1万トランザクションを目指しておりこの様なマイニングを「インスタマイン」と呼びます。ワールドコンピュータとしてサービスを提供するにはコントラクトの実行速度とスケーリング(需要に対する対応)が必須であり、決済手段よりもシビアです。

ここで1日のビットコインとイーサリアムのブロック生成と報酬を比較してみると、

・ビットコインは1ブロック約10分で12.5BTCの報酬を得られ、1日は1,440分なので
( 1,440 / 10 ) * 12.5BTC = 1,800BTC

・イーサリアムは1ブロック約15秒で3ETHの報酬を得られ、1日は86,400秒なので
( 86,400 / 15 ) * 3ETH = 17,280ETH

となり、9.6倍の速さでETHの供給量がBTCより増えていきます。BTCの時価総額をETHが超えないためには単純にイーサリアムがブロック生成する速さの10倍以上の価格上昇が必要となるため、テクニカル上の上昇トレンドへと変わったイーサリアムがビットコインの時価総額を抜く可能性は十分にあるといえます。

プレマインとは?

これまでの説明で各通貨がインスタマインを採用し、ブロック報酬を増やせば時価総額はビットコインを簡単に抜くことがわかりました。更に仮想通貨にはプレマインというものが存在し、パブリックに公開する前に開発者や運営会社が最大発行枚数を既に保有し、マイニングによる新規通貨の発行ができないものを指します。

NEMの様なProof of Stake型の物の説明は省略しますが、既に発行されているためその通貨の価格があがれば時価総額ランキングの10位以内に簡単に入ることができ、日夜時価総額ランキングは入れ替わり立ち替わりしています。

ネィティブのPoWにより発行数をプロトコルによりコントロールしていたものはフォークコインのビットコインキャッシュを除くとビットコイン、イーサリアム、ライトコインの3通貨のみがPoWとなっています。これら4種のマイニングにより必ず売り圧の発生する通貨とは違い、プレマインコインはそれ以上新規発行がされないため時価総額がPoW通貨と違い大幅に変動し易い傾向となっています。

今後も新規仮想通貨がプレマインで出て、更に発行枚数が極端に多ければ簡単に時価総額上位へと入ってしまうこともあり、時価総額で単純にその通貨の価値を測ることができなくなっています。

対してプレマインには「開発者やコミュニティが開発資金を既に持っているので開発するインセンティブになる」などの意見もあり、これが主な原因として新規通貨をプレマインが占める理由となっていると考えられます。

イーサリアム(Ethereum)とビットコイン(Bitcoin)の時価総額

結論と考察

上記説明の様に時価総額はアルゴリズムや目指す経済圏の違いなどにより様々で、市場を単純に評価がすることができないということがわかりました。対して主軸通貨のビットコインと考えたドミナンスという考え方は、多くの取引所が対BTCを採用していることから重要な指標と言えます。

時価総額ランキングが形骸化したと言っても、ビットコインの時価総額をイーサリアムが超えることがあれば市場に一時的に大きなインパクトを与えることは間違えないので定期的にチェックすることをオススメします。ですがビットコインとイーサリアムの目指すものは全く別であり、現在は 送金需要として使用されていますが競合することはないため、単純に比較することはできずこの一時的なインパクトがどちらに働くか注視する必要があるでしょう。

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