イーサリアム(Ethereum)上のドルの一種であるUSDTを発行するテザー社は、イーサリアムのL2ソリューションの一つOMGネットワーク上で「USDt」をローンチ。これにより8月に入って300倍近くに高騰していたイーサリアムガス代の緩和が見込まれている。
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テザーUSDtとOMGネットワーク
OMGネットワークとは、イーサリアム上のプロジェクトでPlasmaというイーサリアム発明者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Burterin)氏の提唱した技術を基にしている、イーサリアムをアシストするネットワークの一種だ。
テザー社はOMGネットワークをテザーに統合し、イーサリアムネットワークの手数料高騰やトランザクションの混雑を回避してUSDTを送金できるUSDtを新たにローンチした。
これにより、イーサリアムネットワークのセキュリティ裏付けのあるUSDTを、OMGネットワークをより早く、安い手数料で送金することが可能となるということだ。
BitfiinexでのUSDt入出金開始
テザー社と同じ親会社を持つビットフィネックス(Bitfinex)は、USDtのOMGネットワーク上でのローンチに合わせ、入出金の対応を開始したと発表。
We’re pleased to announce that Bitfinex users can deposit and withdraw USDt on the Bitfinex platform using the OMG Network transport layer.
✅ USDt deposits and withdrawals on the OMG transport layer are now live!
Read our full announcement here ⬇️https://t.co/oiiBvzD1uI pic.twitter.com/Ps7qwicWZ1
— Bitfinex (@bitfinex) August 19, 2020
またOMGネットワークの最高経営責任者(CEO)のVansa Chatikavanij氏は、「OMGネットワークは秒間1,000件もの送金を行うことができ、イーサリアムの3分の1の手数料で送金が可能だ。(最近の手数料高騰という)問題に対処でき、オープンな金融サービスの発展と成長を促進できて非常に嬉しい」と述べている。
イーサリアム利用の大幅な高騰
テザーは元々ビットコインを利用したOmni Layer上で発行されていたが、2017年の手数料高騰によりイーサリアムでの発行をメインへとシフトしていった。その後、DeFi(分散型金融)や仮想通貨取引所での需要増加に伴いイーサリアムでのUSDT利用はさらに高騰、直近1ヶ月では16,000ETH、実に650億円にも上っている。
これらにより13日にはガス代が通常の30倍以上の329Gweiにまで高騰しており現在も100Gweiを推移している。OMGネットワーク版のUSDt入出金はまだBitfinexしか対応していないが、今後仮想通貨取引所が対応すればイーサリアムネットワークの混雑の緩和が期待できるようになるだろう。
ETH超速報:イーサリアムガス代は1日足らずで1.5倍を超えてついに329Gweiを記録しATH。ETHを送金する単純なトランザクションでさえ0.007ETH(約300円)前後の手数料であり、取引所の出金手数料平均0.005ETHを上回る形となる。#イーサリアム #Ethereum #仮想通貨 #暗号資産 $ETH #DeFi #墨汁うまい pic.twitter.com/yeaD7LRkfk
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) August 13, 2020
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