イーサリアム、高騰の原因は何だったのか?

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イーサリアムは8月から11月まで3万円台を上下し11月から価格が少しずつ上昇。そして12月にはフィアット建てで最高価格となる9万円を記録しました。

ブロックチェーンをベースにした仮想通貨での送金需要は全体の過半数をイーサリアムが占めており、多くの実利用や実装が行われているという理由も大きなものでしょう。


https://etherscan.io/chart/tx

イーサリアムの送金需要が高騰している理由

ビットコインとイーサリアムを比較してみましょう。約4年に1度マイニング報酬を半分にする半減期と約10分というブロック生成時間により、金などの希少な金融商品の採掘レートと類似させることにより希少価値を持たせているビットコイン。

対してイーサリアムは通貨としてのSoV(価値の保存)ではなく、イーサリアムネットワークの通貨Ether($ETH)を使用することで「誰でもネットワークの計算力を使用できるワールドコンピューター」というコンセプトの元、開発を行っています。

イーサリアムはワールドコンピューターとしてスマートコントラクトを実行するため、ビットコインでの孤立ブロックを”アンクル”とし状態遷移を前提とすることでセキュリティを確保する簡易版GHOSTプロトコルによりブロック生成時間を約15秒と短くし、ビットコインよりも大幅にブロック生成時間を早くすることを可能としています。

ブロック生成時間に起因する送金時間

ではここで日本最大のアルトコイン取引所Coincheckの入金までにかかるブロック数を確認するとビットコインは3確認、イーサリアムは36確認となっています。これを計算すると

BTC:約10分 * 3 = 30分
ETH:約15秒 * 36 = 9分

となり、ビットコインの価値を高めるためのプロトコルにより送金時間というネックを産み、ブロックサイズに関係なく例え100万円という高い手数料を支払ってもイーサリアムの方が送金が早いということです。

またCoincheckのビットコイン送金手数料は0.001BTC、イーサリアムは0.01ETHとなり、ビットコイン価格を200万円、イーサリアム価格を8万円とすると、下記のようになります。

BTC:2,000,000円 * 0.001 = 2,000円
ETH:80,000円 * 0.01 = 800円

EIP186のブロック報酬減少

イーサリアムネットワークは10月16日にメトロポリスのビザンチウムハードフォークを行い、1つ前のホームステッドから新しいバージョンへと移行しました。

このハードフォークではEIP186のマイニングブロック報酬減少が含まれており、5ETHから3ETHへと減少しています。つまりマイナーによる売り圧が下がっており、約40%の売り圧が減少したこととなります。

イーサリアムにはビットコインの様な半減期は存在しないため、EIP186はイーサリアム価格を維持し、需要による高騰が狙いとなっています。これにより送金目的として購入した際、売り圧による大きな価格変動を防止できるため長期的に見てより送金需要による購入が上がってくることとなります。

参考記事:EIP-186とメトロポリスの詳細(イーサリアムジャパン)

イーサリアムの実利用に比例する価格高騰

ではここでイーサリアムのトランザクション数の増加とフィアット建ての価格推移を比較してみましょう。注目すべき点は6月、9月、12月です。価格高騰と比例してトランザクション数が増加していることがわかります。

10月からICO過熱が緩んだもののTX数は増加をたどる一方であり、12月には最高価格9万円を超えなおトランザクションが増加しています。つまり上記で説明した送金の速さや手数料のやすさによる需要が現在の価格に反映されているということです。


(コインチェックのチャート日足、右はTX日足)

結論と考察

ビットコインは現在送金手数料増加による問題で、マイナーはその高騰する手数料で収益性が上がるのに対し、使用するユーザーは高い送金手数料を支払い、時間をかけて送金しなければならないという状態となっています。

ライトニングネットワークのv1.0 RCローンチ

ビットコインでは、この問題を解決するためオフチェーン解決のライトニングネットワークの開発に取り組んでおり、3プロジェクトからv1.0 RC(正式ローンチ前の候補)がリリースされ、期待が高まっています。

マイクロライデンのメインネットローンチ

対してイーサリアムはライトニングネットワークに類似したステートチャンネル技術を利用したライデンネットワークの簡易版、マイクロライデンv.0.1.0をローンチしました。ライトニングネットワークより早いローンチによりブロックチェーン上に展開する新たな技術、通称レイヤー2をより早く導入したことにより、更に送金需要や企業などのサードパーティの実利用が増えていくでしょう。

2018年の仮想通貨を表すならば「増やすビットコインと実利用のイーサリアム」と言えるでしょう。