EUがGoogleに史上最大の制裁金、バッシングされる巨大シリコンバレー企業とブロックチェーン

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EUがGoogleに史上最大の制裁金、バッシングされる巨大シリコンバレー企業とブロックチェーン

バッシングされるシリコンバレー企業

EUはGoogleに、AndroidOSや、その販売手法欧州連合競争法(独占禁止法)にあたるとして、43億ユーロ(約5700億円)を制裁金として請求しました。

具体的にはAndroidOSを搭載するスマートフォン端末に、出荷時からインストールをしているアプリとして、ブラウザのChromeアプリやGoogle mapなど約30のアプリが標準搭載をしていることが競争をなくし、イノベーションを阻害しているというにがEU側の指摘です。

制裁金以外にも、これを90日以内に修正をすることを求めています。
EUはこれまでも、いくつかの理由でgoogleに牽制や精査金要求を行なってきましたが、今回の金額は過去最高です。

また、競争法違反の制裁金額としても、世界で例のない規模で、EUのGoogle嫌いは日に日にエスカレートをしていきます。

これはGoogleに限らず、EUはシリコンバレーの帝国企業全般に風当たりが強く、この問題は掘り下げるとテック大手企業の本質的問題点に行き着きます。

なにせ、僕たちはスマートフォンでアプリを買う度に、Google、またはAppleに30%の中抜きをされますし、Facebookほど個人のデータを収集しているSNSはありません。

これはデジタル時代の植民地といっても過言ではありません。

EUでは、今年5月から、EUでGDPR(EU一般データ保護規則)が適用されました。
これは簡単にいうと、EU域内に住む人の個人データを、企業を含む第三者が、適切なガイドラインに沿わないでEU域外に持ち出したり、適切でない手順で個人情報の収集や取り扱いをすると、制裁金が課されるというものです。

これに違反をした罰則の制裁金の最大金額は、全世界での年間収益の4%です。
民主主義の先進国国家集合体で過去最高のデータ規制になります。

税金面でも、欧州委員会は、2016年8月、Appleにアイルランドで納税し、払うべき税金を払わなかったとして、約1兆7000億円の追徴課税をアイルランド政府に指示しています。

この件は、欧州委員会が、アイルランド政府の徴税権という国家主権に切り込んだ形になり、それだけシリコンバレー企業を問題と扱っていることも読み取れます。

巨大IT企業とブロックチェーン

このように、富とデータを寡占しすぎたシリコンバレー企業はバッシングされつつあり、そのバッシングの筆頭はEUです。さらに、このタイミングで生まれるべくして生まれたテクノロジーが、ブロックチェーンだといえ、ここに巨大IT企業のアンチテーゼのような眼差しが向けられています。

これから数年で実現され、長い時間をかけて実用されるであろうものは、分散型アプリケーションです。欧州委員会は、ブロックチェーンの開発、投資をリードする主要地域いなる目標を掲げて、「EU Blockchain Observatory&Forum」を発表しました。パートナーとしてEthereum系のスタートアップのConsenSysと提携しています。

このプロジェクトには、2年間で340万ユーロ(日本円で約470億円)の予算が組まれていて、それなりに欧州委員会がブロックチェーンに本気であることが伺えます。

ここまで言うと察しのように、ブロックチェーン上のアプリケーションは度々指摘されるように、中央集権的なインターネット(Google、Facebookなど)のアンチテーゼになり、それらと似たようなアプリケーションが非中央集権的に構築される可能性があり、欧州委員会は明らかにそういった世界に一途の期待はしているのでしょう。

また、Google側は、独占禁止法を掲げた、EUの今回の制裁金を課したことに対して、「EU内でAndroidのサービスは有料になる可能性もある」と指摘しています。

テック大手側もブロックチェーンを使ったサービスを始める可能性は十分にあり、中央集権からより分散的なサービスを提供し始めることへの転換は、コストの要素だろうだろうと思います。

かつてマイクロソフトが、国と独禁法で裁判したことを教訓に、IT巨大企業は嫌われないように様々なコストが払ってきましたが、GDPR等の追い討ちもあって、それでテイクできる利益減少とコストを比較し、「もう少しだけ分散的にしたほうがいいよね」となるときが、巨大IT企業がブロックチェーンに本格的に取り組む転換点かもしれません。

このような巨大IT企業の動きやこれからどのようになるかの予想や議論、ブロックチェーンはそれにどう関わるかについては、筆者が運営する研究所サロンで度々扱っています。

ご興味ある方はぜひご利用ください。

▼平野 淳也 研究所サロン
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