欧州委員会:ビットコインのマイニングを禁止または制限する法的根拠はない

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ビットコインマイニング:EU

「欧州委員会は、ビットコイン(BTC)のマイニング(仮想通貨のトランザクションを承認することで、報酬としてビットコインを獲得すること)を行う際にEU域内で莫大な電力が消費されることを懸念している」と、デジタル経済社会の専門家マリヤ・ガブリエル氏は語る。欧州議会ウェブサイトによると、ガブリエル氏は議会に提出された質問に応じてこの問題に取り組んでいるそうだ。

参考:European Parliament

マイニングにより消費される電力に関して

「欧州委員会は、マイニング事業とブロックチェーン技術(仲介者を介さずに仮想通貨を直接取引する技術)の際に消費される莫大な電力量を懸念している」とガブリエル氏は述べている。

特にビットコイン(BTC)にとっては、この懸念は無視できない問題である。そして、マイニング事業が世界一盛んに行われている中国にとっても重大な問題と言えるだろう。見積りでは、世界で行われているマイニング事業はその3分の2が中国によるものであり、中国以外の国で行われているものは、すべて合わせても残りの3分の1にすぎないのである。

現在、EU域内ではエネルギー消費を停止または制限する法的根拠はないというのがEUの見解だ。しかし、電力消費は経済活動の1つだと考えると、エネルギー効率や電力供給、温室効果ガス排出量と同様にEUの規則に適応される対象となり得る。発電による温室効果ガス排出量は、排出量取引の対象となっているのだ。

マイニングというビジネスモデルは、仮想通貨を価値のあるものとして提供することに基づいているというのがEUの見解である。電気消費量とコストの増加は、仮想通貨の価値と需要を変える可能性があるとのことだ。

マイニングは合法である

欧州委員会は、マイニング事業が違法ではないという見解を出しており、この事業の監視や調査といったものを行ってはいない。しかし、欧州委員会はこの活動がエネルギー需要に多大な影響を及ぼすものとして見解を見直し始めている。

さらにガブリエル氏は「ブロックチェーン技術を駆使するのに有用なアプリケーションが多く開発され、私たちは情報処理能力をほとんど必要としなくなったことを頭に入れておくべきである」と続けた。

国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、1月に行われた世界経済フォーラムで、マイニング事業はエネルギー消費があまりにも激しいと語った。また、多くの専門家や環境保護主義者は、電力使用量に警鐘を鳴らしている。ラガルド氏は、気候変動に世界の関心が向かっている今、このエネルギー消費量は「大きな懸念」になっていると述べた。

EUがブロックチェーンを調査

昨年、欧州委員会は欧州議会の指令を受けて、専門技術とその運用能力を高めることを目的としたブロックチェーン監視機関を設立すると発表した。このプロジェクトは、監視所のほか、討論場も設立し、帳票分散技術とブロックチェーン技術に関する情報を収集することを目的とする。この計画によって、将来EUがブロックチェーンを積極的に活用できるような技術を確立し、エネルギー効率の良いブロックチェーンの活用事例を出すことが期待されている。

この計画のもう1つの目標は、Eコマース(インターネットで行われる様々な取引)を活性化させて、そのような技術革新を奨励したり、政策を提言したりする際に政府機関が果たすべき役割を決定することにある。

参考:CCN