【イベントレポート】ブロックチェーンのディスカッションイベント「Singapore Blockchain Association」が大阪で開催

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【イベントレポート】ブロックチェーンのディスカッションイベント「Singapore Blockchain Association」が大阪で開催

シンガポールを拠点に活動しているブロックチェーンの社会実装をミッションとした団体「Blockchain Association」主催によるブロックチェーンに関するディスカッションイベントが10月1日、大阪オフィスにて開催された。

今回のイベントは、日本のブロックチェーン事業や問題点を共有することで、グローバルに展開していくためのサポートを充実させていく体制を作っていくための場として参加者同士が自由に意見交換する場として活用された。モデレーターとしてシンガポールの金融庁にあたる組織の外郭団体であるSFA(シンガポールフィンテックアソシエーション)の代表を務めているホック・ライ(Hock Lai)氏が参加した。

今回のイベントにはフリーエンジニアの他、下記の企業や団体が参加した。

  • テックビューロ
  • SBI R3 JAPAN
  • 新生銀行
  • 沖電気工業
  • 大阪商工会議所
  • BINARY STAR
  • CTIA
    • 各企業のブロックチェーンに対する取り組みなどが話題に

      ディスカッションでは、製品版がリリースされたテックビューロの「ミジン(mijin)」に関する質問や、CTIAや新生銀行、沖電気工業が取り組むブロックチェーン事業の内容などに関する情報共有などの話題が取り上げられた。本稿では質問と回答の一部を紹介する。

      テックビューロ

      質問:mijinを活用するうえで今後ユーザー数の増加により、トランザクションが増えた時のスケーラブルは問題はどうなりますか?

      テックビューロ:NEMにカタパルトが実装されることでトランザクション速度は大幅に早くなります。(技術的には毎秒4000件のトランザクション処理が可能)

      たとえトランザクション数が増えても新しくアップデートされたCatapult (v.2)であれば、問題なく対応できるだろう。

      新生銀行

      質問:新生銀行が自社の事業にブロックチェーンを導入する際の基準となる点は何ですか?

      新生銀行:現在は概念実証の段階なので、実用的に動いているプロジェクトはありませんが、我々は投資家目線で仕事を進めており、国内だけでなく、海外のブロックチェーンプロジェクトにも複数参画している。基準値として大事にしている部分はユーザー目線で考えることであり、ブロックチェーンに固執し過ぎず、サービス主体で考えることである。

      沖電気工業

      質問:現在どのようにブロックチェーンを活用されて事業を進めているのか?

      沖電気工業:AIの学習履歴をブロックチェーンに記録することで外部に対して記録説明責任を果たすために活用しようと検討しており、今後学習データの流通プラットフォームの構築を見据えて事業を展開している。

      CTIA

      質問:CTIAの取り組みとしてどのように事業展開されていますか?

      CTIA:現在、日本とシンガポール、スイス、韓国でビジネスを展開しています。日本では国内企業向けにTaaS(トレーサビリティ・アズ・ア・サービス)というトレーサビリティを追跡できるシステムを開発、提供することが主な業務。プラットフォームはR3社のコルダを基盤としたシステムで、今後はブロックチェーンの社会実装に向けて情報発信などを進めていきたいと考えている。

      Singapore Blockchain Association当日の様子

      それぞれのブロックチェーンサービスについて意見・情報交換

      またテックビューロが来月リリース予定のACT JOBの内容など、Lai氏をはじめそれぞれの参加者が扱っていブロックチェーンサービスについて自由に意見交換も行われた。

      質問:来月リリース予定のACT JOBですが、実際にどのような事を実現するシステムですか?

      テックビューロ:ACT JOBはリモートワーカーの管理に特化したソリューションである。元々翻訳企業からの依頼で開発を進めていたが、現在は機密情報を扱う企業や、特許管理に活用したいという声も多数挙がり、活用の場を広げていこうと検討中である。

      システムの内容としては、リモートワーカーが社内の機密事項を不正に扱うリスクを低減させている。例えば、「印刷による情報の持ち出し」「外部媒体へのデータの書き出し」「第三者へのデータ送信」「不正なネット公開」などの悪質な行為の抑止力として効果が発揮されると考えている。今後管理アプリが普及することで現状より、深い段階まで追跡することが可能になるので、より良いエコシステム構築に向けサービスを訴求していく予定である。

      質問:シンガポールに滞在するHock Lai氏から見た日本とシンガポールのブロックチェーン業界の差はどのような所で感じますか?

      Hock Lai氏:ICOやSTOの法整備が最前線で進んでいるシンガポールなので、柔軟性だけで見れば日本よりやりやすい部分もあるかと思われますが、ブロックチェーンの良い部分として業界を超えてコンソーシアムを組み、情報共有できるところにあります。今後、国内外問わずこの輪がさらに大きく発達し、ユーザーの目線で考えた時に一人ひとりが、より良い生活に繋がっていくことを切に願っています。

      今後の日本企業×海外プロジェクトに期待

      本イベントはデベロッパー企業から、フリーエンジニアまで幅広い層の参加者が各々の意見を交換する場として、盛り上がったようだ。特に関西では東京に比べこのようなブロックチェーン関連のイベントがまだまだ少ないように感じるので、関西を基盤にブロックチェーンを勉強したいという方には朗報と言えるだろう。

      また、今回のイベントに参加された企業はPOCまで取り組まれており、海外のユースケースへの関心度も高いことから、今回のSingapore Blockchain Associationのような日本企業×海外プロジェクトといった展開が今後加速することにも期待したい。

      参考:ディスカッション・イベント『Singapore Blockchain Association』、CTIA大阪オフィスにて開催

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