ビットコイン、長期的にはどのように拡大するのか

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7月26日、東京虎ノ門ヒルズフォーラムでブロックチェンに関するフォーラムが行われた。

このイベントはThe New Context Conference の2日目で「ブロックチェーンの真価と進化」をテーマに、インターネットや暗号技術の識者やビットコインの開発に関わる海外からのゲストによるスピーチやパネルディスカッションが行われた。

イベントの冒頭で語られた、ビットコイン・ブロックチェーンの長期的な発展について、ダイジェスト版をまとめた。

インターネットとビットコイン

オープニングでは伊藤穣一氏がインターネットができた頃とビットコインのこれからの発展について語り、インターネットが発達した過程にもベースレイヤーの標準化が起き、その上のレイヤー、エコシステムが構築されたと当時を振り返る。

そして、「ビットコインのレイヤーはシンプルにするべき、その上に契約やプログラムのようなレイヤーができてくるのではないか」と語っている。

また、仮想通貨界隈の現状についてはインターネットのインフラを整える段階なのにすでにアマゾンを作ろうとしている状態との言及も。

ビットコインの普及には時間がかかる?

1995年ごろからインターネットのキラーアプリとしてデジタル通貨が来る!といわれていたのに、なかなかそうはいかなかったとのべ、90年台前半に盛り上がった「デジキャッシュ」の例を挙げた。

「どんな技術でも短期的な影響を大きく見積もり過ぎて今コレが来る!と思ってしまい、長期的な影響を低く見積もってしまうのがよくあるパターン。ビットコインもみんなが思っているより時間がかかる可能性がある」と述べた。

ブロックチェーンをインフラとしたエコシステムに期待

また、基調講演ではビットコインのコア開発者の所属も多いBlockstream社のラスティ・ラッセル氏がLinuxもブロックチェーンもインフラ技術だと述べ、それぞれを比較しながらビットコインの今後について語る。

 ラッセル氏のスピーチのポイント

・インフラには信頼が必要
・新しいインフラが素早く使われる可能性が一番高いのは新しい業界
・最もチャンスがあるのはブロックチェーンの上のレイヤー

ラスティ・ラッセル氏はビットコインの取引のためのセカンドレイヤー「ライトニング」などの技術開発に取り組んでいる。IBMに13年間在籍、Linuxカーネルの上級開発者として20年以上のキャリアを積む人物だ。

管理者がおらず、様々な開発者によって作られるビットコイン。Linuxが信頼を得るまでの道のりを例に挙げ、これをきちんと動くものだと認知され広く使われるようになるためには信頼を得ることが必要だ、「日々の小さな成功が小さな信頼につながり、これが積み重なっていく」と語る。

 

また、今後のビットコインの発展のためのソリューションについては次の4つがあると述べ、これからの開発について語る。

1. 待つ
2. 効率を上げる
3. セキュリティを下げる
4. セカンドレイヤーの開発

2については今話題のSegwitなどについて話し、これらは現在も行われている。彼が一番楽しみに思うのは4番目のセカンドレイヤー。現にラッセル氏はセカンドレイヤー技術の開発に取り組んでおり、ライトニングネットワークについては非常に期待されている。

3番のセキュリティを下げる、はあまり望ましくないだろう。ビットコインにおいてセキュリティは犠牲にできないものであるが、もしかしたら他のブロックチェーンネットワークはこの手法で規模の拡大を図れるものがあるかもしれないと述べている。

ビットコイン分裂問題が大きく騒がれたビットコインだったが、目先だけの問題やインセンティブだけでなく、長期的な目線で成功に必要な要素を積み上げて行く必要がありそうだ。