テゾス(Tezos)の利用事例、金融領域と相性が良いのか?

編集部おすすめ

テゾス(Tezos)の利用事例、金融領域と相性が良いのか?

テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンプラットフォームです。よく金融や不動産分野との親和性が高いと言われているTezosが実際にどんなところで使われているのかを調べてみます。

関連記事
テゾス(Tezos)の特徴である形式検証とは?メリットと重要性を解説
新しいスマートコントラクトブロックチェーンTezosとは?仕組みや特徴など

Tezosを使ったプロジェクトやアプリケーション

Tezos上のアプリケーションの数は現状イーサリアムなどと比べるとまだ少ないですが、証券トークンを発行する企業がTezosを採用するケースが目立ちつつあり、金融業界などの企業から注目を集めています。

例えば、証券トークンのプラットフォームであるセキュリタイズ(Securitize)と不動産のSTOを行うエレヴェッティド・リターンズ(Elevated Returns)は、10億ドル(約1,100億円)をターゲットに不動産のトークン化をTezos上で行うことを発表しています。

また、証券トークンの発行をサポートする企業のトークンソフト(TokenSoft)は、これまでイーサリアムのみをサポートしてきましたが、Tezosのサポートも開始することを発表しました。

その他の事例として、南米の大手投資銀行であるBTG パクチュアル(BTG Pactual)とドバイのファンドのダルマ・キャピタル(Dalma Capital)は10億ドルのSTOをTezos上で実施することを発表しています。

BTG パクチュアルは、2019年2月にイーサリアム上でブラジルの不動産をトークン化したReiBZという商品を作っています。同社はReiBZをTezosチェーンに移植する計画で、さらに10億ドルの証券トークンを発行する予定であるとアナウンスされています。

このようにTezosではユーザーが使うアプリケーション開発はあまり目立たないものの、証券トークンの事例が増えつつあり、今後この方向性でエコシステムが発達する可能性が考えられます。一方でDAppsなどに目を向けると、オンチェーン保険の「Tezsure」や、クラウドファウンディングプラットフォームの「VIAZ」などが挙げられますが、利用の活発さは限定的です。

Tezosのブロックチェーンの特徴は金融領域と相性が良い?

Tezosからはブロックチェーンの設計思想として分散性や堅牢性を重視していることが読み取れます。

Tezosのブロックチェーンはブロックタイムが1分と長く、その他ほとんどのスマートコントラクトブロックチェーンよりトランザクション性能は低いです。これは多くのノードがコンセンサスに参加をして、ブロックの伝搬をできるように設計した結果でしょう。

つまりトランザクションの可用性より分散性などの観点を明らかに重視した設計であると評価できます。そのため、ゲームなどのアプリケーション開発は目立っていません。また、独自開発言語はセキュリティを確保するため、開発の自由度を下げていることからも、そういった開発が向かないことも理由に挙げられる可能性があります。

堅牢性と分散性はイーサリアムが重視するところですが、Tezosがイーサリアムと特に異なる点は、オンチェーンガバナンスによる自立アップデートと形式検証です。形式検証によるマルチシグなどネイティブでTezosのクライアントに実装されています。こういった点を理解した上で、その他のブロックチェーンとTezosを比較すると、Tezosを使用した証券トークンの発行が増えていることに妥当性を感じられます。

また、Tezosではステークホルダーによる投票でソフトウェアのアップデートができます。
つまり、万が一コントラクトのバグなどが起きてそれを修正したい場合、Tezosコミュニティ上で適正な手続きを踏み、トークンホルダーに承認されれば、単一のコントラクトに関わるバグも修正できる可能性があります。

こういった要素も証券トークンを発行するブロックチェーンとして選ばれる一つの理由になり得るでしょう。スマートコントラクトプラットフォームは数多くあり、そのほとんどがイーサリアムとの差別化することが難しい状況ですが、Tezosはイーサリアムにはないニーズを満たすブロックチェーンになり得る可能性があると言えるでしょう。

参考
Elevated Returns and Securitize to Tokenize USD $1B of Real Estate on Tezos, Will Build New Compliant Security Token Issuance Standards
TokenSoft Announces Support for Security Tokens on the Tezos Blockchain
BTG Pactual And Dalma Capital To Utilize Tezos Blockchain For Security Token Offerings (STOs)

【こんな記事も読まれています】
仮想通貨で金利を得る?Tezos(テゾス)をウォレットからステーキングして報酬を得る方法
イーサリアム(Ethereum)の状況は1960年代のIBMのようであるという論考
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の経済圏【前篇】:その周辺のビジネスレイヤーとその影響


前のニュースブロックチェーンのノード運用の困難さと意味すること
次のニュース中央銀行が仮想通貨市場をコントロールすることはあり得るか?
コインチョイス編集部
仮想通貨・ブロックチェーンについて日々勉強中の当サイト編集部員。初心者でもわかりやすいように最新ニュースや話題の出来事、ハウツーを解説。TwitterFacebookLINE@などのSNSでも最新情報を配信中。