米連邦準備制度理事会(FRB)が仮想通貨規制に本腰か

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米連邦準備制度理事会(FRB)が仮想通貨規制に本腰か

世界の金融監視機関は、規制上の堅ろうな枠組みを開発する目的で、暗号資産(仮想通貨)市場にある抜け穴を見つける努力を続けています。特に米国の連邦準備理事会(FRB)など関連機関は、投資家を保護し、仮想通貨セクターがすべての人々に安全になるよう最善の戦略を模索しています。

FRB金融の安定のリスクとなりうる仮想通貨に注意喚起

FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長はこのほど、仮想通貨が金融の安定に対するリスクになっていると注意喚起しました。そのリスクを抑えるため、特に今年は仮想通貨に対する熱狂的な人気が高まったこともあり、より適切な規制措置の必要性が高まっています。

また米国財務省は、富裕層が税金逃れのために仮想通貨に関心を示していることに懸念を表明しました。同省は関連して、仮想通貨取引所に対して高額の仮想通貨の送金記録を報告するよう求めています。

フィナンシャルタイムズ紙によると、大手銀行を規制する通貨監督庁長官代行のマイケル・スー氏は最近、仮想通貨に対して「規制上の境界線(regulatory perimeter)」を明白に線引きする必要性を強調して、規制関係者が協力すべきだと語りました。

5月のビットコイン(BTC)価格が50%下落 大幅ボラティリティこそ「金融リスク」

このような動きは、5月に入ってビットコイン(BTC)の価格がほぼ50%下落するというこれまで経験したことのない大幅なボラティリティを示した時期と重なります。ビットコイン価格は4月に6万3,500ドルのピークに達した後、5月に入ってほぼ3万ドルにまで下落しました。

パウエル議長はこの事態を懸念して「金融リスク」と表現したわけですが、同時にFRBが発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発の意義を改めて強調しました。FRBはそのため、仮想通貨の人気と伝統的な金融モデルに与える影響などをどのように処理できるかの方策を見いだし、仮想通貨業界の包括的なフレームワークを策定することが、CBDC発行の土台になると見ています。

FRBと財務省はしばらくの間、仮想通貨の規制問題に取り組んできましたが、ここまでの動きは鈍いものでした。関係当局は今や、仮想通貨業界は大きく成長しすぎて、真剣に取り組まなければ適切な規制が難しくなることを懸念しています。

規制措置の変更は市場参加者の明白なルール設定によって有益になる

仮想通貨の規制問題は、仮想通貨に本質的な価値があるかどうかの議論とは別のものです。しかし、仮想通貨の時価総額が5月に2.6兆ドルに達した後、FRB、財務省とも仮想通貨がそれほど大きな価値を持っていることにあまりにも無関心であり、仮想通貨は絵画、金(ゴールド)、その他もっぱら投機対象であると見てきました。

FRBはしかし、CBDCはその所有者が紙幣と同様に中央銀行に権利を請求すことができることから、比較的安全なツールであると考えています。パウエル議長はまた、規制当局者がデジタル通貨と共にその利点とリスクについて、夏季討論の協議記録を公開すると語っています。

最初は仮想通貨の規制問題に変更を加えことが難しいかもしれませんが、不透明性を解消し、すべての市場とエコシステムの参加者に明白なルールを設定することこそ、仮想通貨市場にとって究極的には有益なことになるだろうと思われます。

参考
US Financial Watchdogs Moving Towards Robust Regulatory Framework

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。