無料で送金できるFintechサービスが広まった時、ビットコインはどうなるのか

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先日、12月6日にライトニングネットワーク1.0のリリースが発表されました。

今回の実験ではライトニングネットワークを稼働させたデモも公開されています。

ライトニングネットワークをビットコインのスケーラビリティーの問題を解決されると期待される技術で、瞬時にトランザクションを完了させ、ビットコインでの日常の決済や、マイクロペイメントで応用されるポテンシャルがあります。

まさに、今ビットコインを送金するのに、1000円近く手数料を払うことが日常になっている状況ですが、こういったことも解決することが期待されています。

今回のデモの公開は、これが実働に向かうための大きな一歩だと言えます。

この説明は、他で既にいくつか紹介している方がいますので、そちらに譲ります。

今回は、決済としてビットコイン、または暗号通貨の未来を期待をするとき、そこに暗号通貨のポジションはあるのかということを考えたいと思います。

ライトニングネットワークは、確かにポテンシャルが高い技術ですが、まだ実用には踏むべき段階がありますし、実際に運用する上で見えてくる課題もあるでしょう。

ライトニングネットワークを活用して、ビットコインの日常決済やマイクロペイメントが、モバイルアプリで普通の人が使えるUI/UXになるまでは、時間がまだ時間かかることは間違いありません。

拡大する決済ビジネス

これを、仮に2年半-3年とすると、実際、ペイメントの世界は大分変わっているだろうことは否めません。

例えば、米国で人気のVenmoは、P2Pの決済サービスで、Paypal傘下でシェアを伸ばしています。

登録者ベースでユーザーは2億人。

そして、トランザクション手数料はゼロです。

また、これは別にビットコインのトランザクションのように、マイナーに承認してもらうわけでもないし、データベースの数字が動くだけですので、Venmoのトランザクションは瞬時に完了します。

繰り返しますが、手数料はゼロです。

また、先週Appleは「Apple pay cash」という新しいサービスを発表しました。

これはメッセージを使って、お金の送金受領を簡単に行えるというサービスです。

当然、同様に瞬時に着金はするでしょう。

また、手数料も恐らく極めて安いか、または無料ではないかと予想されます。

これは最初、米国のみで展開ですが、iOSユーザーは全て潜在ユーザーと考えていいでしょう。

少しざっくりとした表現ですが、IT分野のリサーチを行うアメリカのGartnet社によると2016年の世界のスマホ市場調査では、スマートフォンの11.5%がiOSなので、これが将来の潜在ユーザーとも言えます。

例に挙げた以外にも、P2Pペイメントサービスは増えており、暗号通貨の文脈以外で決済は利便性は高まっていますが、それでも暗号通貨のポジションはあるのか?と一度は考える必要があるでしょう。

例えば、例にあげたP2P送金サービスが数年後、グローバル展開をして主要国をカバーし、少額のクロスボーダーの送金まで利用されるようになったら、暗号通貨は利用されるでしょうか?

無料で送金できるのが当たり前になる

そして恐らく、P2Pのペイメントサービスは、送金手数料は無料か、無料に近いことが当たり前になります。

それは、無料にしてもビジネスになることは既に中国で証明されているからで、Alipayやwechatでは、トランザクションの履歴から与信情報を集め、十分すぎるほどに利益をあげれるということが先行モデルとしてあります。

その与信情報からローン提案をしたり等、様々なマネタイズポイントがあります。

つまり、普通に人にとっては、無料で使えて、送金も瞬時に完了とこちらのほうが、遥かに使いやすいと言えます。

今、ビットコインの手数料で1000円近くの手数料を支払って、しかも送金まで半日待つこともあるという状況と比較すると、随分な差があります。

その時ビットコインの役割は

暗号通貨でもマイクロペイメントや瞬時の送金は出来るようになるでしょう。

しかし、それでも、ライトニングネットワークでも、ビッグブロックでも、わずかな手数料をユーザーが負担し、無料になることはないはずです。

対してP2P送金アプリは、サービス企業を信頼する必要があり、与信情報も渡すことになりますが、ユーザーは無料で使えると思います。

とはいえ、誤解されないように注釈しておきますが、例に挙げたアメリカのVenmo、中国のwechatとAlipayは、それぞれの国内全土で使われているわけでもなく、都市部のみで、これらが特別先行してるという状況です。

ですが、暗号通貨とは違うフィンテックの文脈で、決済がどんどん便利になっていることは間違いありません。

この中で暗号通貨はどういった役割を果たすか、どういった地位を獲得するかを、一度考えてみること、思考してみることは大切だと思います。

筆者は、仮にそうなっても、暗号通貨のポジションは全然あるというのが持論ですが、それぞれが思考を巡らせてみると良いでしょう。