G20大阪サミットがFATFの仮想通貨の新基準・ガイダンスを承認か?

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G20大阪サミットがFATFの仮想通貨の新基準・ガイダンスを承認か?

1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて発足した政府間機関の金融活動作業部会(FATF)がこのほど作成、採択した最新の「仮想資産および仮想資産サービスに関する基準とそのガイダンス」は、2019年6月28-29日のG20大阪サミットに承認を求めて提案されます。

仮想通貨の新基準とガイダンスによって、仮想通貨プロバイダーは伝統的な金融機関と同様の規制上の必要事項を実装するよう求められます。

仮想通貨サービスプロバイダーにAML/CFT対策強化求める

FATFは、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与(TF)などの脅威から世界の金融システムを保護する政策を開発、推奨する独立した政府間機関です。FATFは6月21日、米フロリダ州オーランドで開かれていた全体会議で、G20大阪サミットに提言する新基準とガイダンスを採択しました。

FATFは閉会に当たって、「Interpretive Note to Recommendation 15 on New Technologies(新たなテクノロジーに関する推奨15の解釈ノート)」とそのガイダンスを採択、仮想資産に関係する国際基準(勧告)の修正項目を列挙し、すべての国が伝統的な金融機関と同様のマネーロンダリング対策(AML)とテロ資金供与防止(CFT)要件に準拠しなくてはならないと述べています。基準はこれまで指針と呼称されていましたが、今回は国際的な基準として強化される見込みです。

FATFはその中で、「すべての国は、仮想資産の諸活動とサービスプロバイダーに関連するリスクを評価、軽減する義務がある」と定め、「サービスプロバイダーがAML/CFT義務を準拠できない時に科すべき制裁とその他の強制措置を実行する」ことを定めていますサービスプロバイダーはまた「ライセンスもしくは登録を必要とし、法的権限のある国家機関の監督もしくは監視を受けなくてはならない」と定めています。

FATFガイダンス更新で公平な競争の場を

FATFは国際基準の例外措置として、「一部諸国は、リスクおよび規制上の事情に関する自己評価に基づいて、仮想資産の活動を禁止すること、あるいは別の政策目標を支援する決定を下すことができる」と定めています。

総会はまた基準実行のための(AML/CFTに関する)2015年ガイダンスを更新しました。総会の議長を務めたスティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は、ガイダンス更新に関して、「FATFは金融の透明性を強化し、期待感を生み出しつつある。これによって仮想通貨プロバイダーと伝統的な金融機関を含めて、仮想資産サービスプロバイダーに対する公平な競争の場を強化することになる」と述べました。

同財務長官は最後に、「FATFの(AML/CFTに関する)基準は、世界の法域がこれら基準を実行する現実的な措置を施して初めて有効になる。米国はFATFの基準が世界的に実行されることを保証する行動に加わるよう、すべての国に呼びかける」と述べました。

仮想資産の犯罪の脅威とテロリストの悪用は、深刻かつ緊急の問題と認識

大阪サミットに先立って、福岡で6月8,9日に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は、FATFの新しいガイダンスへの支持を表明しました。一部の参加国はすでに、ガイダンスの実装を開始しています。

FATFは最後に「仮想資産の犯罪の脅威とテロリストの悪用は、深刻かつ緊急の問題であり、FATFは仮想資産活動とサービスプロバイダーと関連するFATFの推奨を実行するため、迅速な行動を取るようすべての国に求める」と宣言しました。FATFは関連して、今後12カ月(2020年6月)までに、関係国の活動をモニターし業界を含めて基準順守の努力をレビューするコンタクトグループ を設立します。

仮想通貨業界は、今回の15項目の推奨の一部に懸念を表明しています。大阪サミットでは、G20財務相・中央銀行総裁会議の支持と相まって、FATFの新基準とガイダンスの承認が求められていますが、実現の見込みは五分五分でしょう。承認されれば、画期的な成果となりそうです。

参考
Public Statement on Virtual Assets and Related Providers
FATF Releases Global Standards for Crypto Assets

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