ジブラルタルのサッカー1部リーグに所属するジブラルタル・ユナイテッドは、次のシーズンから選手への報酬を仮想通貨で支払う計画があると、イギリス紙The Guardianが報じた。サッカーチームでは初めてとなる。チームオーナーのパブロ・ダナ氏(Pablo Dana)は、自身が投資するQuantocoinという日常生活で仮想通貨を活用するプラットフォームと連携し、すでにサッカー界やスポーツ界でいくつか例が見られる、仮想通貨の活用に乗り出す。
ジブラルタル自治政府の金融部門はブロックチェーン技術の活用に積極的で、ジブラルタル全体での活用を牽引している。今年1月にはブロックチェーン技術を利用したビジネスに関する規制が定められ、ICOに関する規制整備にも着手するなど、政府も動き出している。
サッカー界の不正低減の為ブロックチェーン技術に注目
ジブラルタル国内で仮想通貨を使った取引の浸透が図られるなか、ダナ氏はブロックチェーン技術の活用がサッカー界の汚職を低減し、透明性を向上させるのに役立つと主張している。
仮想通貨による支払であれば、外国人選手が現地の銀行で口座を開く手間や、税金や手数料等のわずらわしい手続きを避けることも可能だ。ジブラルタルでは、20年前に世界に先駆けてサッカー賭博の業者を取り締まる法律が制定され、マネーロンダリングの規制整備されている。
一方でサッカー賭博はすでに定着し、莫大な広告価値を持っている。サッカー賭博業者はプレミアリーグで主要なユニフォームスポンサーとなっているのが現実だ。
仮想通貨導入に積極的なサッカー業界
他にも仮想通貨やブロックチェーン技術の活用に積極的なサッカーチームがある。ロンドンを拠点とするアーセナルは今年1月、カリフォルニアに本社を置き、ゲームやオンラインカジノといったサービスを展開するCashBet (キャッシュベット)とスポンサー契約を結んだ。
世界初のサッカーチームの証券取引所、ロンドン・フットボール・エクスチェンジ(LFE)は、仮想通貨の利用により、クラブチームとファンの直接的なやり取りがスムーズにできるようになるとしている。
同証券取引所はさらに、イタリアのバーリ、マドリードのAlcobendasとも仮想通貨導入の手続きを行っている。仮想通貨の導入により、商品や観戦チケットをこれまでより低価格で入手でき、ファンが応援するクラブチームの株を購入することも可能となる。
各国の選手も仮想通貨活用を支持
一部のサッカー選手は仮想通貨活用を支持するパートナーシップを組んでいる。メンバーにはロベルト・カルロス、ルイス・フィーゴ、マイケル・オーウェン、リオネル・メッシといったトップ選手の名前も見られる。
トルコのアマチュアサッカークラブ、Harunustasporは今年1月、仮想通貨の支払で選手と契約を交わした。元コートジボワール代表のディディエ・ドログバ選手は、仮想通貨のソーシャルネットワーク、「all.me」の公式大使に就任し、all.meのロゴ入りユニフォームを着てPRした。
ウルグアイ出身のルイス・アルベルト・スアレス選手は去年、予測市場プラットフォームを運営するStoxを薦める投稿を自身のインスタグラムで発信している。
元ブラジル代表のロナウジーニョ選手は、サッカー賭博やデジタル・スタジアム、Eコマースのプラットフォームとなる「ロナウジーニョサッカーコイン」と名付けたプロジェクトを発表し、仮想通貨事業に乗り出している。
サッカー業界関連
・ブラジルの人気サッカー選手ロナウジーニョが意欲的なプロジェクトでICO発行へ
・サッカー界のレジェンド ルイス・フィーゴ氏がICOを支持「ファンと選手の関わりを深める」と共感
・サッカー界のスター選手マイケル・オーウェン氏がマニー・パッキャオ氏に続き仮想通貨を発行
参考:CCN