成長するSerum(セラム)エコシステムとSerum Swap

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成長するSerum(セラム)エコシステムとSerum Swap

Solana(ソラナ)ブロックチェーンをベースとしたDeFi(分散型金融)プロジェクトSerum(セラム)が今夏に登場して以来、Serum上のエコシステムが着実に成長を続けています。今回はSerumエコシステムの最新動向をキャッチアップすることを目的に、Serumの助成金プログラムと新たにリリースされたAMM Serum Swapを紹介します。

ソラナの基礎的な説明はこちらの「Solanaとは?秒間5万トランザクションを処理できるブロックチェーン」で行っています。

Serumエコシステムを支える助成金の仕組み

Serumエコシステムの拡大を支える助成金提供は「EcoSerum」と呼ばれるノードが担っています。助成金はSerumまたはSolana上でAMMボットやイールドファーミング、レンディングサービスなどのSerumエコシステム拡大に貢献する特定のテーマを取り扱うプロジェクトを対象にしており、現在は下画像に示した6つのプロジェクトが助成金を獲得しています。

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参照:https://projectserum.com/grants

上記にはDEX(分散型取引所)やノンカストディアルな暗号資産ウォレットの他、Serum上の取引を自動化する、具体的には資産のリバランスを定期的に行い、自動で取引を行うボットを月額料金で提供するプラットフォームなど先進的な取り組みが含まれています。

助成金の資金源はSerumで徴収した全手数料の2%から得ており、「EcoSerum Funding Pool(EPFP)」と呼ばれる基金プールで管理されています。このEPFPに含まれる20万SRMと1MSRMは2021年8月1日までロックされています。その後6年間で徐々にロック解除していき、助成金を受けた各プロジェクトに配布されます。助成金はプロジェクト構築前に一回、その後プロジェクトの実施状況次第ではさらにもう一回提供されます。またソラナに関連するプロジェクトであれば、上記に加えてSOLが提供される場合もあります。助成金の詳細についてはこちらを参照ください。

上記で示した助成金を得ているプロジェクトは有望なプロジェクトにある程度限定されますが、助成金は受けていないSerum上で構築されているプロジェクトは多くあります。その理由は従来のWeb2アプリケーションに近しいUXを持つWeb3アプリケーションを構築できるソラナをベースにしていることもありますが、Serum上で独自にGUIをホストすると取引手数料の一部がもらえるというインセンティブも考えられます。Serum上のプロジェクトはこちらで一覧できます。

Serum Swap

Serum SwapとはSerumに新たに構築されたAMM型のオンチェーン取引所です。AMMとは自動マーケットメイカーのことを指し、例えばイーサリアム上のDEXであるユニスワップ(Uniswap)などが同様の仕組みで稼働しています。

Serumはローンチ当初、中央集権取引所のようなオーダーブックをもつDEXとして注目を集めましたが、今回のSerum Swapはオーダブック型のDEXと併存する形で新たに追加された新サービスです。オーダーブック型のSerumについては、「ソラナ上のDEXプロジェクトSerumはDeFiの新たなフェーズとなるか」と「高速低コストなDeFiプロダクト「Serum DEX」の利用方法」で紹介しています。

Serum Swapでユーザーが行えることは大きく2点あり、一つはトレード(スワップ)、もう一つは流動性提供です。以下それぞれどのように機能するのかを紹介します。

トレード方法

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出典:https://swap.projectserum.com

上画像はSerum Swap上の取引画面を表していますが、表示されているようにオーダーブックは無く、指定したトークン同士をその時点での為替レートで交換するだけというシンプルな仕組みです。

AMMシステムはこの為替レートを自動算出する仕組みを持っており、Serum Swapの場合はx*y=k カーブ(Uniswapと同じです)という二つのトークンの価格とプール内の量に応じて価格決定するシンプルな仕組みを採用しています。

オンチェーン取引で発生するコストは取引手数料0.3%とガスコストですが、ガスコストに関してはソラナベースであるため、およそ0.00002ドルと格安でトークンスワップすることができます。もちろんトランザクションもおよそ1秒で処理されます。

流動性提供する方法

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出典:https://swap.projectserum.com

Serum Swapでの流動性提供方法は、上画面のようにPoolタブを選択し、提供したい任意のトークンペアを価格ベースでおよそ50:50の比率でコントラクトプールに提供するだけなので、手軽に利用することができます。

流動性提供のインセンティブは主に取引手数料ですが、2020年11月25日(HKT)午前1時までは流動性提供者に対して取引手数料とは別にSRMが配布されます。

【取引手数料】
Serum Swapの取引手数料は上述したように0.3%です。徴収した取引手数料0.3%の内訳は以下のように配分されます。

  • 0.25%:流動性提供者
  • 0.04%:SRMのバーン(SRMを買い付け、そのままバーンします)
  • 0.01%:SerumのGUIをホストするプロジェクト

【流動性マイニング】

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出典:SERUM ACADEMY

上述したようにSerum Swapに対するインセンティブは取引手数料だけでなく、2020年11月25日(HKT)午前1時までの期間に流動性提供をする初期ユーザーに対してSRMの配布が行われています。配布されるSRMは総計1,000,000SRM、期間中ランダムに20回に分けてそれぞれ50,000SRMづつ配布されます。対象トークンは上画像にあるSRMとのペアに限定されています。

この流動性提供にかかるコストはガスコストのみですので、トークンの提供時とトークンの引き出し時にそれぞれ約0.00002ドル発生します。従来のイーサリアム上のAMM型DEXと比較すると低コストで流動性提供することができますので、これまで参加が難しかった小口ユーザーでも利用できるAMMとして注目が集まるかもしれません。

現時点ではSerum Swapはリリース直後で、まだコントラクトは未監査ですので、あくまでも自己責任での利用になります。今後の監査完了を経たのちは、より多くのユーザーに開かれたAMMシステムとして注目されるのではないでしょうか。

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コインチョイス編集部
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