先日、米国商品先物取引委員会(CFTC)が、暗号通貨のデリバティブにおいて、初めてスワップ執行ファシリティの登録を認めました。

これまで、ビットコインをはじめとする暗号通貨市場で金融規制が厳しいアメリカでは、機関投資家の資金入り口が実質的になかったのですが、その状況が変わるという大きいニュースです。

今回、承認された企業は、LedgerXという会社で、2014年に設立されたスタートアップで、秋にもバニラオプションの取引を提供するといいます。(※バニラオプションとは基本的なオプション取引のこと。)


(https://ledgerx.com/)

サイトに記載されているボードメンバーの顔ぶれを見てみると、金融分野で実績を積んだ面々が並んでおり、ビットコインのオプション取引所を開設するために入念な準備をしてきたことを感じさせます。

ゴールドマン・サックスなどウォール街出身のメンバーが多いようで、CEOのPaul Chou氏は、エンジニアとトレーダー両方の経験を持つとのことです。

LedgerX、今年秋からアメリカの投資家向けにサービス開始

同社のサービスは、今年秋から、米国適格投資家向けに提供がはじまります。

まずは、ビットコインの現物を担保にしたバニラオプションから提供され、今後、イーサリアムなど他の暗号通貨も扱うともしています。

オプション取引とは、「特定の商品」を、「予め決められた日(期日)」に、「予め取り決めた価格」で受渡しする「権利」を売買することです。

通常は、リスクヘッジをするために用いられますが、今回の場合は、少し事情が異なるでしょう。

なお、ledgerXのオプション取引は、現物のビットコインを担保にしており、実際に行使出来るといいます。

アメリカの金融規制は、サブプライムショック以降、日本より遥かに厳しくなっており、機関投資家が、現物のビットコインを買おうするものなら、マネーロンダリング扱いで当局に口座が凍結されかねない事情があります。

実際、個人の顧客でもcoinbaseのユーザーが、マネーロンダリング検知システムにひっかかり、口座が凍結されたというような話は、2015~2016年あたりに非常によく聞いた話です。

そういった意味で、個人投資家であれば、問題なくビットコインを売買できる日本の環境は恵まれているのは間違いありません。

とはいえ、実際の潜在需要は十分あるはずで、その資金の入り口ができるわけです。

LedgerXのCEOのPaul Chou氏も、ブルームバーグのインタビューで、規制のないグローバルマーケットの商品を米国機関投資家は買うことはできないが、強い需要は以前からあったということ、今回のオプション取引の提供開始は、暗号通貨およびデリバティブ市場において、大きなマイルストーンになりえるとコメントしています。

仮想通貨に対する姿勢も少しづつ変化?

同じく、米国の機関投資家の資金入り口として、長らく期待されていたものに、ウィンクルボス兄弟のビットコインETFがあり、昨年も非承認を受けましたが、徐々に米国の金融規制もビットコインを受け入れはじめるのではないか、と期待させるものがあります。

筆者も、ダウ・ジョーンズ社が発行する投資週刊誌である、バロンズ誌では、ビットコインの特集が組まれたり、ウォール街の面々のビットコインに対する態度は、一昔前と比べて、変わってきているような気もします。

(Barron’s誌の表紙)

ビットコインはじめ暗号通貨市場に、ウォール街の資金がはいりこんでくる日がやってくる日は、もしかしたら、決して遠くないのかもしれません。