香港金融管理局、21銀行間でブロックチェーン金融プラットフォームを運用へ

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香港金融管理局、21銀行間でブロックチェーン金融プラットフォームを運用へ

中央銀行に相当する香港金融管理局(以下:HKMA)が、円滑な金融サービスを提供するため、特別行政区内にある外国銀行を含めた21行をつなぐブロックチェーンの貿易金融プラットフォームを2018年9月までに運用を開始する。

英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙によると、英国のスタンダードチャータードやHSBCを含む21行が、9兆ドルの世界貿易金融産業の金融処理を流線化するHKMAのサービス強化に協力する。

信用アベイラビリティを高める香港政庁プロジェクト

このプロジェクトはこれまでのところ、香港政庁主導で立ち上がる最大規模のブロックチェーン技術による金融プラットフォームであり、政庁の支援を受けて実装される初のプロジェクトとなる。HKMAによると、プロジェクトは香港の7行によって始まり、9月までに運用を開始することを目指している。

プロジェクトは2017年の初期に公表され、当初は7行がHKMAと協力して、金融機関の間のデータ共有に透明性をもたらす努力の一環として金融プラットフォームのテストを完了した。テストに参加した銀行はHKMAのほか中国銀行、東亜銀行、恒生銀行、HSBC、スタンダードチャータードなど。

HKMAは2018年7月16日「貿易金融プラットフォームの目的は、貿易金融および二重金融に関連する詐欺行為を減らし、長い目で見て信用アベイラビリティ(可用性)を高め、金融コストを減らすことである。これによって今度は、貿易金融に対する中小企業(SME)のアクセス支援につながる」と述べている

金融プラットフォームは金融処理時間を大幅に短縮

平安保険金融グループ(Ping An Group)のジェシカ・タン副最高経営責任者(deputy CEO)は「個別の銀行がこのようなサービスをするのではなく、金融機関を代行しようと努力する規制当局者(金融管理局)が存在する」と賛意をコメントした。プラットフォーム展開の技術設計を請け負ったPing Anグループ系列の金融技術会社One Connectは、このシステムはすでに中国本土で実装されているという。

システムが全面的に実装されると、このテクノロジーはペーパー作業と日常の貿易金融および供給チェーンの金融取引の実行に必要な時間を大幅に短縮する。これまでの複雑な金融プロセスの認証手続きや関係者が提出する書類の確認作業もまた一段と高速になる。21の銀行は、金融管理局とプラットフォームを共有して、システムを運用する。

証券先物取引委員会(SFC)もHKMAのプロジェクトを支援

特別行政区の金融監視機関である香港証券先物取引委員会(SFC)は2018年6月末、年次報告の中で、特に規制上の監視を必要とするICO(initial coin offering)と取引所を今後も注意深く監視すると以下のように述べていた。

「新しいテクノロジーは、投資家には利便性を与えるが、リスクを伴う。われわれは適宜介入しながら、仮想通貨とICOを綿密に監視する。われわれはまた、金融テクノロジーを活用して、規制活動を実施する有資格組織に対して、SFCによる『規制の砂場(Regulatory Sandbox)』を開始した」

SFCは、投資家が詐欺やサイバー攻撃に関連するリスクに遭わないため、サンドボックスなど必要な措置をとる方針だ。HKMA はさらに、シンガポール金融管理局(MAS)と協力して、同様のブロックチェーンベースの貿易金融ネットワークを開発して、2019年初めにも2国間取引を開始する予定である。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
Coindesk
cryptovest(1)
cryptovest(2)