ブロックチェーン技術に対するオーストラリアの取り組みとは?

2906

編集部ピックアップ

ブロックチェーン技術に対するオーストラリアの取り組みとは?

政府はブロックチェーンの可能性を広く模索している。ブロックチェーン技術は非中央集権の考え方に基づくシステムであり、中央集権的な公共セクターにおいてその役割をはたすことが出来るのだろうか。オーストラリア政府の取り組みからブロックチェーン技術と政府の関係を考察する。

ブロックチェーン技術による問題解決

2017年から2018年にかけて、ブロックチェーン関連のイノベーションが長年にわたる問題の解決策を提供し始めている。例えば、金融における送金コスト、住宅ローンなどにまつわる大量の書類などブロックチェーン技術の応用によって解決できるだろう。

アメリカやEUなどブロックチェーン技術の採用に関して積極的な国のみでなく、中国など仮想通貨に対して非常に厳しい対応を行っている国々も例外ではない。金融機関や学界、企業がブロックチェーン技術がもつ可能性を検討している段階にあり、政府機関はあらゆる可能性をブロックチェーン技術に見出していると言えるだろう。

ブロックチェーン技術に対するオーストラリアの姿勢

ブロックチェーンや仮想通貨コミュニティの取り組みにおいてメディアでもさまざまなケースが取り上げられているオーストラリアに焦点を当ててみよう。現在、オーストラリアの政府機関においては、ブロックチェーン技術が何なのかという疑問よりも、ブロックチェーン技術を使用してどのように課題を解決するかという話題に移行している状況だ。

オーストラリア規格協会(Standards Australia)は、国際標準化機構(ISO)が設立したブロックチェーンに関する専門委員会の事務局の役割を担っており、ブロックチェーン技術の普及・定義・ルール、およびその他の技術要素を検討している。そして、ガバナンス、管轄権、技術の相互運用性などの問題に関する明確な意思決定の枠組みを提供していく予定だ。

また、オーストラリアデジタル商取引協会は、イノベーションを促進するための政策、ガイドライン、立法改革の設計を支援して、ブロックチェーンと仮想通貨事業を代表して政府と協力体制を築くことに注力している。

水の取引市場にブロックチェーンを応用

ブロックチェーン企業のシビックレジャー(Civic Ledger)が開発し、オーストラリア政府に提供したプロジェクト「ウォーターレジャー(Water Ledger)」は前衛的なものだった。

ウォーターレジャーはブロックチェーンシステムとして、イーサリアムのスマートコントラクト機能を応用し、オーストラリアの水取引市場の効率化と透明化に取り組んでいる。

広大な土地を誇るオーストラリアだが、大半が砂漠や乾燥地帯で降雨量も少なく、水資源が重要となっているため、水の取引市場が存在している。

ウォーターレジャーのプラットフォームは、全ての水取引の検証を行い、台帳をリアルタイムで更新することで取引の場所を示すだけでなく、全ての水取引の確認する手段を提供している。

またシビックレジャーは、特許などを所管するIPオーストラリアやメルボルン市を含むブロックチェーンソリューションの開発を今も続けている。シビックレジャーは、2018年にオーストラリアのFintech Organization of the YearのFinTech Australia賞を受賞しており、オーストラリアの中でも強い存在感を示している。

ブロックチェーン技術の開発においては、民間の方がどうしてもスピーディーな部分が多い。そして、民間企業においては政府に認められることに価値を置く場合が多くない。しかし、ブロックチェーン技術は新しいインフラを構築するものであり、政府と民間が協力することが重要になってくるだろう。

関連:
ネム(NEM)がオーストラリアのグルメアプリLivenと提携、レストランやバーで使用可能に
オーストラリア証券取引所(ASX)、ブロックチェーン決済システム実装を2021年に延期

参考
INTHEBLACK

編集部ピックアップ

マルチシグ管理の安心・安全ウォレット