ブロックチェーン技術に対する医療関連企業の取り組みとは?

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ブロックチェーン技術に対する医療関連企業の取り組みとは?

ブロックチェーンは、セキュリティや信頼性、トレーサビリティ、管理を担うことができ、現時点で医療の可能性を高める技術であると言えるだろう。

医療業界におけるブロックチェーン技術の可能性

ブロックチェーンのデータの変更と削除が不可能であるという特性は健康データを管理する場合には重要で、医療関連の記録や臨床試験のデータの信頼性を確保することができる。

また製薬業界でブロックチェーン技術を活用することで、薬品のサプライチェーンの監視、薬品の偽造を排除することが可能となる。

それぞれの企業がブロックチェーンの利点を医療分野の有益なソリューションに変える方法を模索しており、ここではブロックチェーン技術の医療への導入に対して有力な企業を紹介する。

ブロックチェーン技術の導入に注力しているヘルス関連企業

ネビュラ・ゲノミクス(Nebula Genomics)

2003年にヒトゲノム計画(※1)が完了して以来、ゲノム解析の費用は低下している。例えば、2017年1月、DNAシークエンシング(※2)における大企業であるイルミナ(Illumina)社は、100ドル未満(約1万1,000円)でゲノム解析を行える機械を発表している。
※1:ヒトゲノム(ヒトのDNA)を解析、研究する為の国際的な計画
※2:塩基配列を読み取ること、遺伝情報を解析する基本手段

ネビュラ・ゲノミクス社はブロックチェーン技術を使用し、健康やゲノム情報に関する情報の取引を行うプラットフォームの開発に取り組んでいる。利用者は自身のゲノム情報をブロックチェーン上に記録し、研究機関などがそのデータを使用すると、情報の所有者に報酬としてトークンが支払われる。

また同社のホワイトペーパーによると、個人のDNAシーケンシングに関するデータ取引の市場が数十億ドル相当になることを見込んでいる。

ペイシェントリー(Patientory)

アメリカのアトランタに本拠を置くペイシェントリーは、患者や医療機関などのために健康データを管理するブロックチェーンプラットフォームを開発している。同社が開発したアプリケーションで患者はプロフィールを作成し、診察や医療費、個人医療情報、保険、予防接種などの履歴を簡単に確認することが可能になる。

また同社は今後、スマートコントラクトの実装やアメリカを含むさまざまな国でのパイロットプログラムを実施する予定。

ガードタイム(Guardtime)

エストニアに拠点を置くガードタイム(Guardtime)は、署名の際に暗号鍵を使用しないKSIブロックチェーン(Keyless Signature Infrastructure:キーレス署名基盤)のパイオニアだ。オランダやアメリカ、イギリス、シンガポールで事業を展開し、データ管理や重要なインフラストラクチャの保護などを行っている。

ヘルスケアに関しては、2017年3月、エストニアの企業であるeHealth Authorityが100万人以上のエストニア人の健康記録を確保するために、ガードタイムと契約を結んだ。この健康記録の中には、数千件の患者の遺伝子情報も含まれている。また、2018年1月にはアラブ首長国連邦の民間の医療機関と契約を結び、同様の技術をアラブ諸国に導入している。

ブロックチェーン技術へのヘルスケアへの導入は、進みつつある。政府の法律との兼ね合いもあるものの、間違いなく既存のシステムのデメリットを解消する力をブロックチェーン技術は持っていると言えるだろう。

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参考
The Medical Futurist

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