ブロックチェーンは医療を進歩させるのか?遺伝子情報研究との関係性

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ブロックチェーンは医療を進歩させるのか?遺伝子情報研究との関係性

遺伝子医学は、正確な病気の診断や予防、遺伝子疾患の適切な治療のための遺伝子情報研究の世界を開きます。ゲノム技術を使用することで、個人のゲノム情報は、かかりやすい疾患や適切な医薬品による治療選択肢などの決定に役立ちます。しかし、個人の遺伝子情報を大量に収集することは、データの利用やセキュリティ、プライバシーにかかわる問題が発生します。

ブロックチェーンは今や、その問題に適切に対処する有望な技術として医療分野で注目されています。

ブロックチェーンで1.5GBもの遺伝子情報を安全確実にデジタル保存

ヒトゲノムは、約30億もの塩基対で構成され、そのデータ量は1.5GBにもなります。遺伝子疾患は特異の例もありますが、高血圧、糖尿病、アルツハイマー病などのよくある疾患も遺伝子に関係していることが分かっています。医師や科学者は、疾患の情報をできる限り多く集めて、医療に役立てます。彼らはゲノムマッピングという手法を使って、これら数千の疾患に関係するメカニズムの解明に努めています。それによって疾患の適切な治療の道が開けます。

ブロックチェーンは、ブロックとして保存される取引やデータのデジタル化された公開台帳です。ブロックチェーンは、相互接続されたデータベースシステム間で、共有できる非中央集権化された分配可能なネットワークデータを提供します。ユーザーは、ブロックチェーンを利用して、データの提供を制御することによって、プライバシーを保護することができます。

ブロックチェーンはデータ提供者と購入者間の相互作用のためのプラットフォーム

セキュリティを強化するためにユーザーは、非対象の暗号作成法(公開鍵暗号法)を使ってデータを暗号化します。データを販売したり、無償提供する際に、許可されたデータを受け取る人だけが情報を解読でき、許可されていない第三者によるアクセスを防ぐことができます。

医療業界で応用されるブロックチェーンは、データ提供者(ユーザー)と購入者(製薬会社、一般企業、研究所など)の間の直接相互作用のためのプラットフォームのようなものです。さらに暗号キーは、データ交換の際にユーザーの匿名性を守ってくれます。

DNA配列に関するデータが、ブロックチェーン・データベースに付加されると、それぞれタイムスタンプ付きの新たなブロックが形成され互いに繋がることで、データの改ざんを防ぐことになります。

優れた治療法を促進するブロックチェーンに期待

イスラエルのバイオテック企業DNAtixは、ブロックチェーン技術を利用して遺伝子配列とそのデータ交換を実現する企業です。同社は2018年6月、アメリカの遺伝子学者クレイグ・ヴェンター博士(Craig Venter)の完璧な遺伝子配列をブロックチェーン技術によって移し替えることに成功しました。

ゲノミクス医療会社のシボム(Shivom)は、ゲノム医療にブロックチェーン技術を利用する道を切り開きました。同社は、「Unique Global Genome ID(一意のグローバルゲノムID)」を開発して、ブロックチェーン・データベース・システムの中で、DNAデータとDNA配列所有者の間をリンクさせることに成功しました。このIDは、データの正確性と完全性を保持し、ユーザーからアップロードされた全データをゲノムIDにリンクさせる機能を果たします。

ちなみにシボムは、データ交換のための通貨であるOmiX(OMX)トークンを開発して、18年6月から販売しています。OMXは、DNAデータのアップロードと交換を促すトークンであり、そのユーザーは特定のサービスを受けることができます。

ブロックチェーン技術はこのように、医療業界、特にゲノム療法でますます注目されています。その利用によって、医師や医療研究者は広範囲の疾患に対して、より優れた治療の開発を進めることができるのです。

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参考
Coporate Wellness

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