ブロックチェーンが変える医療業界の未来、理想的な活用方法とは?

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ブロックチェーンが変える医療業界の未来、理想的な活用方法とは?

仮想通貨の基盤技術として誕生したブロックチェーン技術。現在では、その性能から金融業界だけでなく、さまざまな分野と業界で注目を集めている。 応用が期待されている医療業界で、ブロックチェーン技術はどのような役割を果たすのだろうか。

ブロックチェーンが医療にもたらすもの

ブロックチェーンは、大きなデータセットを格納するためのものではなく、分析プラットフォームでもない。しかし、データの改ざんに対して強い耐性があり、公的な台帳として、ブロックチェーンは理想的である。

例えば、医療記録にブロックチェーンを応用した場合、医療記録が生成されて署名されることでブロックチェーンにデータとして書き込むことが可能となる。そうなれば、医療記録を変更できないという絶対的な証拠と信頼を提供したうえで、患者が病院を変えた際の負担が確実に軽減されることになるだろう。

また、同じ概念を臨床試験に適用することも可能だ。つまり、ブロックチェーンは医療記録の健全性が重要な場合や、法的な事柄に対しても幅広く対応できる。

現在アメリカでは、患者のプライバシーと同意に関する規則は州によって異なっている。しかし、ブロックチェーンを使用した場合、データ共有を目的に患者の同意を管理することが可能だ。例えば、患者の医療データを交換しようとする際には、いずれの当事者もブロックチェーンに同意の可否を示すことができる。

ブロックチェーンで患者が受けられる報酬とは

またブロックチェーンによる報酬の支払いシステムも構築されつつある。患者が一定の条件を満たしたり、データを提供することでインセンティブを受けることができるというもの。

患者が治療計画を守ったり、健康状態を維持している場合、ブロックチェーンを通じて報酬が提供されるというものだ。同じアプローチを用いると、患者は臨床試験データを研究に寄与したことで報酬を得ることも可能となるだろう。

例えば、クリニコイン(Clinicoin)は、ブロックチェーンを応用してユーザーの健康に関する活動や、医療関連のリサーチに参加することでトークンがもらえるブロックチェーンプラットフォームの開発に取り組んでいる。ユーザーが獲得したトークンは、健康に関する商品の購入やサービスを受ける際に使用することができるという。

クリニコイン(Clinicoin)公式出典:Clinicoin

ブロックチェーンで個人が医療データを管理する

現在ほとんどの医療データは、法人、医療施設または政府レジストリのレベルで集中管理されている。そこで今後、ブロックチェーンが医療データの分散化という課題に、どのように対処していくのかが注目されている。

将来的には、ブロックチェーンが患者の健康・医療記録を守る自己防衛システムの1つになる可能性が高い。そして、1カ所に集約された情報でさえ、既存のシステムでは完全に守れていないことから、ブロックチェーンを使用したうえで患者のデータの管理を患者自身に任せることが一つの選択肢として考えられる。

ブロックチェーンは、患者がデータを自分の意志でコントロールすることを可能にする新たな手段となり得る。ブロックチェーンを応用したシステムの開発は至る所で進んでいることから、時が経てば経つほど一般的になるだろう。ブロックチェーンが医療に対して大きな変革を与えるのはそう遠くない未来なのかもしれない。

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参考
Forbes

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