どうなるFacebookのステーブルコイン「リブラ」、独仏などEU主要国が名指し批判

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どうなるFacebookのステーブルコイン「リブラ」、独仏などEU主要国が名指し批判

フランスに次いでドイツなど欧州連合(EU)の有力国の中で、ステーブルコインを辛辣に攻撃する空気が強まっています。特にFacebookが計画しているリブラ(Libra)を名指しにして、ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)副首相兼財務相は「きっぱり拒否する」と強い口調で語っています。

国家主権の通貨発行は民間企業に託せないとドイツ財務相

ドイツの閣僚会議は2019年9月18日、いかなる企業も法定通貨と並行する通貨(ここでは暗号資産=仮想通貨)を発行する努力に反対するとの包括的なブロックチェーン戦略を閣議決定しました。ロイター通信によると、ショルツ財務相は「われわれは消費者と国家主権を守らなければならない。国家主権の核となる要素は、通貨を発行することであり、この任務を民間企業に託すことはない」と語りました。

同財務相は閣議に提出した文書の中で、「連邦政府は欧州諸国や国際的なレベルと協力して、ステーブルコインが公的通貨に取って代わることのないよう保証しなくてならない」と述べています。同財務相は同じ日ベルリンで開かれたパネルディスカッションで、「われわれは並行通貨を受け入れない。そのようなことはきっぱり拒否しなくてはならない」と述べました。

仏財務相は「欧州諸国でリブラの開発を許可することはできない」と強調

一方、フランスのブルーノ・ルメール(Bruno Le Maire)財務相は先立つ9月12日、パリで開かれたOECD会議で、システミックな金融危機、主権の危機、市場独占に対する不正利用の可能性などの理由で、「欧州諸国でリブラの開発を許可することはできない」と言明しました。

シンガポールの金融ブローカーBroctagon Fintech Groupのビジネス開発部長のハーバート・シム(Herbert Sim)氏は「リブラは初の安定したデジタル通貨であり、大量消費市場にとって実現可能な代替手段になりうる。フランスが脅威に感じるのも不思議ではなく、米国やインドなどはも積極的に反対しているように見える」とコメントしています。

Facebookは法定通貨との競争の打ち消しに懸命

これに対してFacebookが予定しているウォレットのカリブラ(Calibra)の責任者デビッド・マーカス(David Marcus)氏は「リブラは一連の通貨バスケットによって1対1交換で支えられている。つまり準備金と同等の価値を持っている」と述べて、デジタル通貨の1つとしての価値を強調しています。

またリブラを運用する予定のリブラ協会(Libra Association)は、スイス金融市場監督庁(Swiss Financial Market Supervisory Authority=FINMA)の監督の下で 、リブラの決済システムとしてのライセンス取得を追求すると、要旨次のような見解を述べていいます。

「リブラ計画発表から3カ月、われわれはテクノロジーに基づく金融サービスのイノベーション、強力な規制上のコンプライアンスと監督みよって、(法定通貨と)競争するものではないとの見解を維持してきた。われわれはFINMAと建設的な対話を進めており、規制を受け、摩擦の少ない高セキュリティの決済システムになるよう、オープンソースのブロックチェーンネットワークに向けた実現可能な進路を求めている」

ヨーロッパ主要国のリブラに対する強い疑念は、G7やG20をはじめアフリカ諸国にも少なからぬ影響を与える可能性があり、今後の推移に目が離せません。

参考
Germany ‘Rejects’ Stablecoins – and Wants the World to Do Likewise
Germany vows to fight any efforts to issue parallel currencies

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