IBMが銀行向けにStellarベースの国際決済システムを発表、既存システムに接続可能

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IBMが銀行向けにStellarベースの国際決済システムを発表、既存システムに接続可能

IBMが仮想通貨Stellarベースの銀行向け国際決済システム「Blockchain World Wire(以下:BWW)」を発表した。ブロックチェーン技術を利用するBWWは、金融仲介機関を必要とせず、経費を削減、トランザクション時間を大幅に短縮する国際決済システムである。

BWWはStellarプロトコルを利用する、米ドルと直結したステーブルコイン「Stronghold USD」のような第三者暗号化システムであり、国際決済はほぼ瞬時(秒単位)に可能になる。

2020年には2兆ドルの決済市場の送金コストと処理時間の大幅削減を目指す

IBMの発表によると、「このソリューションは、取引完了にデジタル資産(Stellar)を介在し、関係者の間で交換される合意の上で(送金元と送金先の法定通貨の)価値の保管とともに、支払い指図書メッセージとして利用される。資金は今や、伝統的なコルレス銀行が要するコストと時間のほんの一部のそれ(コストと時間)で送金可能となる」という。

決済市場は毎年、平均7%で成長しており、2020年までには2兆ドル(約222兆円)市場になるだろうと予測されている。銀行はじめ金融機関は、国際決済のコストがかかり処理も数日から10日前後かかる決済プロセスを、ブロックチェーン技術を利用して合理化することを目指している。

2つの法定通貨を瞬時に転換するBWW

BWWは以下のように、いくつかの重要な機能を果たす。

  • すべての通貨間に適用される単一の交換手数料
  • エンドツーエンドの透明性
  • ほかのどのようなシステムとも接続・統合できる直接設定可能なソリューション
  • すべての額面、すべての目的地、すべての資産タイプの決済をサポート
  • 堅ろうなアクセス管理可能で、十分なセキュリティで保護されたネットワーク

BWWはまた利便性が特徴であり、IBMによると、「金融機関は、BWWのAPIとシームレスに接続する既存の決済システムを利用して、当初(送金元)の法定通貨をまずデジタル資産(XLM)に転換する。ほぼ同時に、そのデジタル資産を第2(送金先)の法定通貨に変換して、取引完了となる。決済処理は、不変性のあるブロックチェーン上にすべて記録される」という。

BWWは国際送金の仲介コインとして複数のステーブルコイン利用可能

StellarとIBMは、国際決済システムの開発を目指して2017年10月に提携を発表した。Stellarは、倒産したマウントゴックス(MTGOX)創設者ジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)氏が中心になって、Ripple(XRP)をベースにして開発されたトークンである。

Stellarは、価格変動を抑えるために年1%追加発行して、流通量の増加を管理している。StellarのベースになっているRippleの送金ネットワークxRapidは本来、国際送金の仲介コインとしてXRPだけが使用できるようになっているが、IBMのBWWシステムは、複数のステーブルコインの中から利用したい通貨を選べるメリットがある。

BWWはSWIFTやxRapidに割って入る第3の国際決済システム

Rippleのネットワークは、xRapidを含めてIBMのBWWより先行開発されており、銀行との国際送金テストも先行している。

IBMのウェブ上で発表文によると、IBMはすでに400余りのブロックチェーン・ソリューションを開発、展開しており、ビジネスの在り方を変革しつつある。決済システムの60%はIBMが関係している。世界大手銀行の97%はIBMのクライアントであり、世界のクレジットカード取引の90%が、IBMメーンフレーム上で処理されている。

2018年10月22-25日にシドニーで開かれる世界有数の金融イベント「Sibos(サイボス)2018」では、IBMを含めて金融機関の国際決済サービス分野の進展が大きな話題なろうとしている。今回発表されたBWWは、国際銀行間通信協会(SWIFT)の伝統的な決済システムやxRapidに割って入る先端システムとして注目される。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
Cryptovest
Oracletimes
IBM

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