世界最大手の中国工商銀行が金融サービス強化、ブロックチェーン技術を導入する意図

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世界最大手の中国工商銀行が金融サービス強化でブロックチェーン技術を導入する意図?

世界最大手の中国工商銀行(ICBC)は、ブロックチェーン技術の実用化を目指して中国金融業界の先頭に立っている。世界の金融機関の中で、ブロックチェーン技術の採用で特筆できる銀行は、実はICBCではないかという評判が高まっている。

総資産世界最大の中国工商銀行(ICBC)がe-ICBC3.0プラットフォーム開発

ICBCは総資産4兆ドル(執筆時点:約443兆円)を超える世界最大の銀行である。この額は、JPモルガン・チェースのそれのほぼ2倍、Ripple実用化を進める三菱UFJ銀行(MUFG)のそれを1兆2000億ドル上回る。その金融取引や国際的事業の数は、世界経済におけるほかのどのような主要プレーヤーのそれをはるかに上回っている。

中国のBia Newsが2018年9月1日に伝えたところによると、ICBCの易会満(Yi Huiman)会長は、同行に金融サービスを充実させるためブロックチェーン技術を採用し、分散型台帳(DLT)が従来テクノロジーをはるかに勝るアプリケーションづくりに注力するという。

ICBCのプレスリリースによると、ICBCは現在、「e-ICBC3.0」という電子プラットフォームを開発中である。2015年3月に発表したネットバンク構想e-ICBCのバージョンアップである。ICBCはさらに、DLTが重要な役割を果たす別の分野として「研究・開発」を進めている。

スマートバンキングアプリの創生、7つの創新ラボ立ち上げ

パブリックブロックチェーンはすべて、自前の独自の仮想通貨を保有して、それがブロック採掘、ブロックチェーン関連ソリューションの開発、メーンネット上での取引処理のいずれであろうが何らかのオペレーションを開始するよう奨励している。

ICBCの構想は、人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、ブロックチェーン、IoT(モノのインターネット)など最先端技術を駆使する「研究・開発」を進め、合わせて「スマートバンキングアプリ構想の創生」をすることである。7つの創新(Innovation)ラボを立ち上げ、ビッグデータ、AI、ブロックチェーン技術の応用を急ぐ。

ブロックチェーン技術に30億ドル投資、商用化目指す

中国は2018年第2四半期以来、ブロックチェーン技術に30億ドルという倍掛けの投資を発表して、開発に拍車をかけている。

それはまさに、政府主導の大規模なブロックチェーン商用化計画であり、地域投資企業、技術コングロマリット、政府機関などにすべて同様の開発活動を促している。

習近平氏肝いりのブロックチェーン技術開発は国家プロジェクトに

習近平国家主席は、一貫してブロックチェーンを画期的なテクノロジーと位置づけ、今後数年にわたり中心的テクノロジーに育てることを強調している。そこで注目されるのは、ブロックチェーン技術が本来非中央集権型でありながら、政府主導による中央集権型テクノロジーとして開発を進めることである。

中国はもちろん、プライベートなブロックチェーンネットワークやプロジェクトを完全に阻んではいない。習近平主席は8月、北京から約100キロ南の2000平方キロにある雄安新区(Xiongan New Area)にハイテクの大国家プロジェクトを進めている。

東京都とほぼ同じ面積の雄安新区は、アリババ、Tencent(テンセント)、Baidu(百度)、China Tlecom(中国電信)など50社近くがすでに進出している。人口100万の河北省保定市の一画に開発された雄安新区は、習近平主席のドリームシティーと位置づけられている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
CCN
CNBC
EthereumWorldNews