この記事では、初心者の方向けにICO(Initial Coin Offering)の説明をします。
ブロックチェーン技術は、ビジネスの世界に大きな影響を与えています。特にICO(Intial Coin Offering)と呼ばれるブロックチェーン・スタートアップ企業のための新しい資金調達方法のインパクトは大きく、IPO(Initial Public Offering)やVC(Venture Capital)による出資などの従来の資金調達方法のあり方を大きく変革する可能性を持っています。
目次
ICO(Initial Coin Offering)とは?
ICOは、企業がトークンを発行・販売することによって、投資家から資金を調達する方法です。投資家がトークンを購入するためには、法定通貨の代わりにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を利用する必要があります。そのため、投資家は取引所から予め、それらの通貨を用意しておく必要があります。また、ICOは小口投資が可能である点も大きな特徴の1つです。
ICOの市場規模を確認しよう!
ICOは、2017年に市場規模を伸ばしており、そのトレンドは続いています。以下の図をご覧ください。
出典:CoinDesk
図によれば、2018年3月時点で約200の企業がおよそ6,800億円の資金を集めており、2017年の調達額であるおよそ6,000億円をすでに上回っています。このように、ICOの市場は成長を続けています。
ICOと従来の資金調達方法との違いとは?
それでは、ICOと従来の資金調達方法との違いについて考えてみましょう。
ICO vs IPO
IPOと比較して、ICOが異なる点は以下の5つが考えられます。
- 第三者機関(仲介者)の有無
- 世界中から資金を調達できる
- 準備期間が短い
- かかるコストが少ない
- 規制が厳格ではない
IPOは第三者機関(仲介者)として証券会社が必要になるため、資金調達の実施に多額の手数料を支払う必要がありますが、ICOは市場から直接、資金を調達することができます。また、資金の調達先は「世界中」であり、IPOよりリーチできる市場が大きいです。
さらに、ICOを実施する準備期間とかかるコストは、IPOと比べて非常に短く、安価です。最後に、IPOの実施には厳格な規制が存在しており、それらを遵守することは並大抵のことではありませんが、ICOの規制はまだ新興市場であることもあり、比較的緩く資金調達を実施しやすい特徴があります。
ICO vs VC出資
VC(ベンチャーキャピタル)による出資と比較して、ICOが異なる点は以下の3つが考えられます。
- 経営に干渉されない
- 実績が必要ない
- 資金調達が迅速
VCは、企業に出資する見返りとして株式を保有します。そして、企業の経営に関して積極的に関わります。それは貴重なアドバイスであるともいえますが、企業が経営に他者が干渉していることを避けたければICOを選ぶ方がいいかもしれません。
また、VCの出資には必ず実績(売上高やユーザ数など)を示す必要がありますが、ICOではアイディアだけで資金調達が行えます。最後に、VCの出資は段階的に行われますが、ICOは短期間にすべての資金調達を完了させることができます。
ICOの将来の動き
ICOを取り巻く環境は2017年と比較して大きな変化の兆しを見せています。特に注目すべきは、ICO規制の動向とプライベートセールの増加でしょう。まず、中国や韓国などの国家はICOを禁止しています。このようにICOの普及を妨げる規制は今後も増加していく可能性が高いです。
また、最も注目すべき変化は、ICOがすべての投資家ではなく一部の限られた投資家から資金を調達する(プライベートセール)流れが加速していることです。この傾向がICOの普及に与える影響は今後、考察してみたいと思います。
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参考
・medium
・CoinTelegraph
・bitrates