SegWit(セグウィット)採用により、ビットコイン(BTC)取引手数料の問題が解決

10089

SegWit(セグウィット)採用により、ビットコイン(BTC)取引手数料の問題が解決

仮想通貨取引所最大手のBitfinex(ビットフィネックス)とGDAX(ジーダックス)が最近になってSegWit(セグウィット)を取り入れ、ビットコインの取引手数料がようやく元の水準まで下がった。

P2SH(Pay To Script Hashの略)を利用したセグウィットアドレスへの対応について、Bitfinexが今年2月20日、GDAXは2月23日に取り入れることを発表した。3月上旬までに、両取引所はこれまでのビットコインアドレスから、セグウィットに互換性があるものへの移行を完了している。

仮想通貨取引所はSegWit(セグウィット)採用の取り組みを強化へ

仮想通貨界ではビットコインの取引手数料引き下げのため、取引所へのセグウィット対応が強く求められており、取引所はこれに応じる流れが見られる。2017年8月にセグウィットが出回りはじめると、一括処理への対応と併せて取引所への要望が出されたがしばらくは取り合われず、ようやくユーザーの要求に取引所が真剣に取り組んだ。

Bitfinex(ビットフィネックス)の方針

Bitfinexのブログ記事にて、CTO(最高技術責任者)のパオロ・アルディーノ氏は「大手の取引所としてBitfinexは改善努力を行い、市場をリードするサービスをお客様に提供します。セグウィットはユーザーに有益であることはもちろん、今後のビットコインの発展にも貢献するものです。」と発表している。

さらに彼は、「セグウィットへの対応により、当取引所は仮想通貨ユーザーの大きな懸念であったトランザクションの手数料とスピード、ネットワークの容量という課題に取り組んでまいります。これによりビットコインの引き出し手数料の2割カットとこれまでにないトランザクションスピードを実現します。」とブログに綴っている。

GDAX(ジーダックス)の取り組み

GDAXについても、製品マネージャーのアレックス・シーク氏が自身のブログで同様の発表をした。こうした取り組みにより、今ではCoinbase(コインベース)とBitfinexを経由するビットコインにはセグウィット対応のアドレスが使用されており、取引容量の圧縮によりトランザクションにかかるコストが削減され、結果としてマイニング費用が抑えられている状況だ。

前述の取引所の他にも、仮想通貨同士の両替所として人気の高いShapeShift(シェイプシフト)は、今年2月22日に一括処理への対応を開始している。同社は2017年10月、周りに先駆けてセグウィットを取り入れている。セグウィットと一括処理への対応により、現在ShapeShiftではウォレット間のビットコインのトランザクションが他のどこよりも効率的に行われている。

セグウィットの普及により、ビットコインの取り扱い手数料は劇的に軽減された。2017年はトランザクション数の減少もあり手数料は下がったのだが、改良されたプロトコルへの移行によりさらに状況がよくなった。

例えば現在(2018年4月中旬)では、去年何十ドルもかかっていた取引コストは数セントにまで下がっている。アメリカのソーシャルニュースサイト、Reddit(レディット)には16,000ドル(日本円約170万円)相当のビットコインをたった20セント(日本円約20円)の手数料でやり取りできたとの書き込みも見られる。

ネットワークの混雑状態の緩和もあり、仮想通貨の引き出し手数料の低価格競争が始まっている。2018年3月1日、中国の仮想通貨取引所のBinance(バイナンス)は一回のビットコイン引き出し手数料を半減し0.0005BTCにするとツイッターで発表したが、アメリカの取引所Kraken(クラーケン)がすぐに同様の方針をとった。翌日、Bitfinexもその流れに乗り、手数料を33%減の0.0004BTCまで引き下げた。シェイプシフトの引出し手数料は0.0001BTCで、業界最安値となっている。

仮想通貨取引所でセグウィットの使用が広がったことにより、マイナーによる認証を待つメモリプールのサイズも大きく縮小されている。メモリプールの容量はトランザクションコストに大きく影響するため、トランザクション手数料が1satoshi/byteまで下がる日も近い。

開発関係者たちの手数料に対する考えとは

ハードフォークにより新たな仮想通貨がいくつも誕生したことからもわかるように、仮想通貨の取引手数料に関する議論は2017年に盛んに行われた。主なコインはビットコインキャッシュ。ビットコインの類似通貨であり、ブロックサイズを1MBから8MBに広げたものだ。しかしマイニングの集中化の危険性があるとして、この動きに反対するビットコインの開発者やユーザーも多かった。ビットコイン開発関係者たちは多段階の支払いができるライトニングネットワークのような仕組みを作ることでスケーラビリティ問題の解決を図っている。

最近注目を浴びるライトニングネットワークやセグウィットは、仮想通貨運営側にとっては頭痛の種となりうる。前述のビットコインキャッシュでは、トランザクションの容量が小さい場合の手数料はビットコインのそれを上回ってしまっており、対策が迫られている。トランザクションの手数料がビットコインの価格になんらかの形で影響するなら、手数料低価格競争が起こっている今の状態がどのような結果になるのか、様子を見る必要がありそうだ。

参考:CCN

関連:ビットコイン(BTC)の手数料が過去2年で最低水準の安さに。segwit・手数料・トランザクション数・ビットコインキャッシュとの比較&最新状況