新型コロナウイルスが仮想通貨に大きなインパクト、中国はデジタル人民元発行へ加速か

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新型コロナウイルスが仮想通貨に大きなインパクト、中国はデジタル人民元発行へ加速か

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の懸念から、世界の株式市場は軒並み急落しています。世界保健機関(WHO)は「パンデミック(世界的な大流行)」と宣言するのは時期尚早としていますが、大きな転機を迎えていることは確かです。世界経済は負のスパイラルの始まりを懸念する声が高まりつつあります。

新型ウイルス感染が最初に発生した中国では、中国人民銀行(PBOC)がこの機にデジタル人民元の発行を急ぐのではないかとの観測が強まっています。

人民元紙幣はウイルスまん延の媒体といううわさまで広まる

中国共産党系の英字紙チャイナデイリー(China Daily)によると、中国銀行元総裁で全国インターネット金融協会(National Internet Finance Association of China)のブロックチェーン研究作業部会長のリィ・フゥイ(Lihui Li)氏は、新型コロナウイルスのまん延は中銀のデジタル通貨(CBDC)の発行を加速させることになるだろうと語りました。

PBOCの範一飛(Fan Yifei)副総裁は2月15日の記者会見で、PBOCがモバイル決済分野ですでにそのような作業を進めていると語り、ウィーチャットペイ(WeChat Pay)やアリペイ(AliPay)などのシステムが広く利用されているが、「顧客に金融サービスを提供するため、オンラインバンキング、モバイルバンキングなどのチャンネルを推奨する施策があってしかるべきだ」と語っています。

これらコメントはすべて、中国国内で新型コロナウイルスが猛威を振るっている中で行われました。湖北省の武漢を中心に約6,000億元(約9兆4,000億円)が流通していますは、人民元の紙幣は、ウイルスまん延の媒体として検疫対象になっているというニュースまで広まっています。

中国のビットコイン(BTC)マイニング施設も閉鎖に

新型コロナウイルスのまん延が、仮想通貨業界に影響を及ぼしている事実は、CBDCを優先的に発行する動きだけにとどまりません。

ビットコイン(BTC)のマイニングプールであるBTC.Topのヂィアン・ズォエル(Jiang Zhuoer)氏は、中国内のマイニング施設が地方警察によって閉鎖されていることに触れ「市街地から遠く離れた地域でマイニングしているが、警官がやってきて施設のすべてを閉鎖した。ウイルスまん延防止のため閉鎖する意味がどこにあるのか?」とSNSのウェイボーに投稿しています。

このような状態が今後数カ月続けば、BTCネットワークハッシュレートは最終的に停滞してしまう可能性が高まります。

香港の仮想通貨カンファレンスも延期

暗号資産(仮想通貨)の世界を広く見れば、数多くの仮想通貨関連イベントが延期もしくは中止されているようです。例えば3月に香港で開催される予定だった仮想通貨カンファレンス「Token2049」は、10月まで延期されました。

世界の株式市場は2月25日にかけて、米国、日本はじめ欧州、アジアで大規模な同時株安に見舞われています。並行して仮想通貨業界では、新型コロナウイルスが、仮想通貨の世界市場にどのような影響を及ぼすかについて議論が始まっています。 混乱状態の地政学的、マクロ経済の時代にあって、価値の保存といわれるビットコイン(BTC)など仮想通貨がどうなるか注目されます。

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。