2019年のVCによる暗号通貨・ブロックチェーンプロジェクトへの投資総額縮小

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2019年のVCによる暗号通貨・ブロックチェーンプロジェクトへの投資総額縮小

2019年のVCによる暗号通貨・ブロックチェーンプロジェクトへの投資は前年比で件数は変わらずも、総額は縮小したことをCBインサイツ(CB Insights)が発表しました。

件数に変化はなく、投資総額が28億ドルに減少

2019年のディールの件数は792件で、2018年のほとんど807件とほとんど変化はありません。しかし投資総額は、前年比で42億ドルから28億ドル(約3,000億円)まで下がっています。

しかしながら、投資総額の減少が暗号通貨・ブロックチェーンの幻滅を示しているわけではありません。2018年にはビットメイン(Bitmain)が4億ドル、コインベース(Coinbase)が3億ドルを資金調達するような大型のディールがありました。一方で2019年の資金調達で最も大きかったものは、リップル (Ripple)による2億ドルの資金調達、次にフィギュア・テクノロジーズ(Figure Technologies)による1億300万ドルの資金調達と、2018年と比較して大型のデーィールが減ったため投資総額の減少に寄与していると考えられます。

Rippleはおなじみですが、Figure Technologiesについては聞き慣れない人も多いでしょう。Figure Technologiesはサンフランシスコを拠点とする企業で、不動産担保ローンや学生ローンを一般向けに提供し、それをブロックチェーン上で証券化して高い資金効率を可能にするフィンテック企業です。

エンタープライズ系のブロックチェーンプロジェクトの投資増加

同レポートによると、VCによる暗号通貨・ブロックチェーンプロジェクトへの投資のうち、エンタープライズ系のブロックチェーンプロジェクトの投資が増えていることが明らかになっています。

これらのカテゴリへの投資は前年比で61%増えて、4億3,400万ドルになりました。CB InsightsはHyperledgerやR3は未だアーリーステージでありながらも、注目を集めていることに言及しています。

2019年は企業のブロックチェーンの活用が見え始めた年であり、それがVCのディールにも反映されていると言えます。アセットの二次流通やトークンなどの新しい金融体験で派手なユースケースはもちろんのこと、複数社間での信頼性の高いデータ共有によるプロセスの短縮化や他社との協業は相対的にやや地味だがとても重要な分野であることが認知されつつあります。

一方で、暗号通貨についてはまだ決定的なユースケースが顕在化している状況とは言い難く、それがVCからの調達実績にも反映されています。

2020年には既にアラザン(Argent)やライトニングラボ(Lighnting Labs)等の期待の暗号通貨スタートアップ企業がVCから資金調達を実施しており、2019年と比較して変化が期待されます。

参考
The Blockchain Report 2020

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