自分で投資としてトレードを行う場合、運用成績の向上には資金管理の技術は必須です。

仮想通貨のトレードに役立つテクニック3回シリーズの第2回目では、より具体的なスキルである売買手法について解説します。

前回の記事>>レバレッジの考え方について知っておきたいこと

資金管理は「いくらで」「どのくらい」

皆さんは相場の方向はあたっていたのに利益を取り損ねた経験はないでしょうか。

例えば1BTCが現在450,000円を推移していてそろそろ上がりそうな気配がしているものの、短期的には下落しているため1BTC=430,000円の指値注文を発注したとします。

しかしいざエントリーしたら突然BTCが一気に買われ急速に500,000円にまで上昇してしまいました。この時、長期的な展望はあたっていたもののみすみす利益を取り損ねた事になってしまいます。

トレードで後悔しないために

相場は上がるか下がるかを予想するだけなので、単純に考えると勝率は50%です。

しかしながら、割安だから買う、割高だから売るという事が相場の鉄則であり、そのためどうしても根拠を踏まえた安全策を取りたがってしまいます。

このような心理的背景から、勝てる時に思い切ってエントリーできず負ける時にエントリーしてしまい、勝率が50%を割り込むことになりがちです。

もちろん、ここまでは下がらない、ここを抜けたら上がる、など具体的な根拠を持って運用に臨む事の重要性はどこのレポートや本でも強調されています。

テクニカル指標や板情報などの需給をチェックするのも判断の客観性を増強するためでしょう。

しかし蓋をあけてみれば思い通りにいく事はそれほど多くありません。

打診買い・打診売りを活用しよう

このような時、資金管理のテクニックが一つあるだけで運用成績を大きく変える事ができます。

今回は打診買い・打診売りという最もシンプルな手法を紹介します。

先ほどの例で言うと、1BTC=430,000円で買う注文を(現値の0.5BTC=450,000円での)成行注文と0.5BTC=410,000円での指値注文に分けてください。

一見すると、「これだけ?」と思われるようなシンプルすぎるテクニックですが、本当にこれだけです。

この2つの注文が両方約定すると、平均約定価格は430,000円になります。

つまり、1BTC=430,000円で購入したのと同じ資産評価を保持する一方で、下記のメリットがあります。

打診買いで得られるメリット

(a)1BTCが430,000円をタッチせずそのまま上がった場合、0.5BTC分の利益が発生する

(b)何らかの新しい原因により1BTCが下落した場合、残りの410,000円のオーダーを見直す猶予がある

(c)既にポジションを持った状態で相場の動きが捉えられるようになるため、同じ相場にいる参加者の心理が見えてくる。他方、想定しているポジション量の半分なので、人によっては理性を保ちやすい

ただし、下記デメリットもあるので、注意が必要です。

こんなデメリットも

(d)相場が想定通り430,000円にタッチして反転した場合、利益が半分になる(0.5BTC分の利益しか発生しない)

(e)ポジションを持っている状態になるため、好材料に反応して410,000円で注文を買い増す、待ち切れず430,000円で再注文するなど、人によっては理性的ではない判断をしてしまう

指値と成行を組み合わせる

このような性質から打診買い・打診売りは必ず良い結果をもたらすわけではありません。投資家の運用スタイルや心理傾向、あるいは相場との相性などによって成功率が異なります。

しかしながら概ね個人投資家は理性的な判断が難しい事から、打診買い/打診売りのテクニックはポジティブな作用をもたらす可能性が高いです。

なおここで理性的な判断といったのは、決して判断力の差異がプロと個人投資家にあるからではありません。

単純に個人投資家は時間や分析リソースに余裕が少ないため、エントリーラインに対して数学的・経験的・時間的な判断材料が不足している状況が多いからです。

したがってこのような判断材料をカバーするために細かいエントリーラインにとらわれず打診買い・打診売りを活用する事で、リスクを抑えながら(日中相場にはらはらすることなく)運用収益をしっかり伸ばす事ができるのではないかと考えています。

またBTC相場は主観的に動意づきやすい上に粗っぽいので、打診買い・打診売りとの相性も良好ではないかと考えています。

打診買いのポイントは・・

なおコツを挙げるならば、打診買いを行うときは事前に平均コスト(平均していくらで買ったことにしたいのか)とポジション量(最大BTCを何枚持つのか)を設定する事、加えて相場を動かす材料が追加されていない限りは恣意的な判断で追加売買のポイントを甘くしない事です。

特に外出などで相場を見ていないと、トレードの感覚が大きく変わってしまう時があります。そのため、成行で最初の打診買いを行った後は、必ずもう片方を指値で注文するようにしましょう。

彼を知り己を知れば

最後に余談となりますが、打診買い・打診売りを続けていく事で、他の参加者がどこで売買をしているのかが掴めるようになってきます。

このような相場観は、他人の損切りポイントや買い増しポイントを見破る際の判断材料となるため慣れてきたらぜひ意識してみてください。

相場が大きく動く伏線にはこのような事情が背後に存在します。

次回はちょっと上級向けの投資方法を紹介

今後、機会があればステップアップテクニックとして「ポジションの傾き」から相場心理を分析する手法について解説したいと考えていますが、その際にも現状相場に存在するポジションが「いつ」「どっち」なのかという点に加えて「どこで」「どのように」売買されたかは極めて重要な判断材料となります。

また、今回紹介した他にもエントリー方法にはさまざまなものがありますので、前回のおさらいもかねて、「いつ」「どっちに」だけではなく、「いくらで」「どのくらい」で注文する事を意識して投資を実行していきましょう。

次回は、やや上級者向けのテクニック、倍返しドテンについて解説します。