仮想通貨の導入でアメリカの経済制裁回避を検討するイラン政府

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イラン政府:仮想通貨の利用でアメリカの経済制裁回避を検討

イラン政府の高官によると、同国は今後のアメリカの経済制裁を回避するために、既に様々な打開策を打ち出しており、仮想通貨の導入もその内の1つだそうだ。この政策に関しては、この先の議会でより議論が重ねられるとのこと。イラン内務省法秩序警備軍(MP: military police)は、米ドル覇権経済からの脱却に、この電子化された通貨が非常に有効であると期待を寄せている。

テヘラン政府、仮想通貨によってアメリカの経済制裁からの脱却を図る

先日報道されたインタビューで、イラン政府の高官が、「イラン政府は今後のアメリカの経済制裁に対して様々な対策を打ち立てているが、仮想通貨の導入はその中でも特に大きな政策の1つである」と語った。

イラン議会経済委員会代表のMohammad Reza Pour-Ebrahimi氏は続けて「この電子通貨が国際的な取引において、米ドル覇権の体制からの脱却を図ることができる」と語った。イランの大手メディアMizan News Agencyに彼が語った内容によると、この件に関しては、議会で再度検討を重ねるとのことだ。

さらに、Pour-Ebrahimi氏の発言によると、イラン議会が現在の不安定な経済の中で最優先事項としていることは、アメリカの経済制裁への打開策として、新たな金融協定の締結を急ぐことである。「今日、ロシアや中国、ブラジルなど多くの国家が既に両国間の取引を促進する二国間もしくは多国間協定の締結に乗り出している」と彼は述べる。

今年の5月、アメリカはイラン核合意から離脱し、同国に対して経済制裁を強めていく方針を見せ、そのことによって両国間の緊張がさらに高まっている。その中で、イランの法定通貨イラン・リヤル(IRR)はここ数か月でその価値を半分にまで落とした。国内メディア Iran Front Pageによると、アメリカ政府は今年11月に新たな経済制裁を発効する見通しとなっており、イラン当局はこれを回避する手段を模索しているそうだ。

ビットコイン(BTC)へ期待を寄せるイラン国民

現在のところ、イラン・イスラム共和国では仮想通貨の法的な位置付けはまだ曖昧なままである。従来から厳しい経済難を経験してきたこの国では、急激なインフレや不安定な経済から自身と財産を守らなければならず、そのゆえに多くの国民がビットコイン(BTC)などの仮想通貨が持つ可能性に関心を寄せている。社会経済的不況に声を上げた市民抗議によって、この国は今年の初めから大きく揺れ動かされており、イラン・リヤル(IRR)とビットコイン(BTC)の端末間取引数が記録的に増加している。

ビットコイン(BTC)の容認を求める声が急激に広まったのもこの時期である。その後、メディアの報告によると、イランは独自の仮想通貨の発行を検討しており、いくつかの規則によって、ビットコイン(BTC)のような安定した分散管理型の通貨にさせていくとのことだ。しかし、この話には続きがあり、コインの信頼性とリスクに関して物議を醸している声もある。他の報告によると、イラン・イスラム共和国中央銀行(CBI)は、国内での仮想通貨の利用を防止させる方法を模索しているそうだ。

仮想通貨規制に悩むイラン

今年の4月、CBIは、地方銀行やその他の金融機関に仮想通貨の利用を禁止する声明を出したが、同時にその一方で、この分野をどう規制していくかについての議論が現在も進行している。この規制の理由として、マネーロンダリング、テロ資金供与、その他犯罪行為のリスクなどが挙げられた。

しかし、5月に明らかになった現実は、この規制の動きとは全く反するものであり、既にイラン国民は仮想通貨の取引のために総額で25億米ドル(約2,800億円)以上の資金を動かしているのだ。この数か月の間に、イランでは独自の仮想通貨を実験的に開発しているということで話題に上がっているが、その一方で中央銀行と情報通信省は依然としてフィンテック(金融テクノロジー)産業の法的枠組み作りに取り組んでいるのだ。

※日本円換算は記事公開時点のレート

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参考:Bitcoin.com

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