Segwit2xの話題も尽きませんが、10月25日にもうひとつのフォークコイン、ビットコインゴールドが誕生することになっています。

本稿では、ビットコインゴールドについて知っておくべきことを整理し、また、筆者の見解を纏めます。

ビットコインゴールドの特長

ビットコインゴールドは、BTCから分岐したコインです。

香港のマイニンググループであるLightningASIC社が主導して、今回のハードフォークを実行することになっています。

今のビットコインとの一番の違いは、マイナーの集権化を回避する目的でASICでマイニングできないアルゴリズム(Equihash)を採用していることです。

EquihashはZcashで採用されているアルゴリズムで、GPUを使ったマイニングと相性の良いことが特長です。

ビットコインの採用しているアルゴリズムの方が計算が単純で、メモリの消費も少ないですが、専用のASICを使ったマイニングによって集権化が起こりやすいという側面があります。

発行上限は、ビットコインと同じ2100万枚です。

また、リプレイプロテクションを備えているので、フォークした際にリプレイ攻撃の心配は必要ないとされています。

さらにビットコインゴールドは25日時点からのフォークとなるためSegwitも実装されています。

プレマインつきのフォークを仕掛ける悪質さ

しかし重要なのはここからで、ビットコインゴールドには16,000ブロックのプレマイン(事前マイニング)があり、20万枚のビットコインゴールドが開発者収入になることが明言されている点です。

これは、10月10日に指摘され、実際にそうならこのプレマインは非常に詐欺的、または、開発者の利益目的が優先されているといってよく、公式はこのプレマインに関するステートメントを取り消したのですが、執筆時点の10月12日では方向性は明確には見えません。

しかし、この時点で開発者グループの性格は見えたと言っていいでしょう。

ハードフォーク+プレマインの新手の貨幣鋳造のようなものです。

似たようなコインはすでに存在する

そもそも、ASIC対策をして非中央集権化を目指すというと、中々聞こえがいいですが、同じような設計思想のコインはすでに存在します。

例えばVertcoinなどがそうで、ASIC対策をしSegwitが実装されていることも共通点ですが、こちらはプレマインがなく、ローンチが非常に健全です。

逆に、そこにビットコインゴールドが誕生する必要性は少なく、そのフォークには、ビットコインキャッシュのときのような哲学もなく、さらにプレマインをもくろんでいると来ているので、非常に質悪です。

そもそも、ゴールドという名前がついていながら、それ自体は、オリジナルチェーンからのフォークで、空気から生まれたコインに等しく、名前との矛盾が、中々面白い冗談です。

このフォークのさらなる問題は

しかし、これはただで貰えるコインです。

詐欺的という表現をしても、それだけでは、誰も損をするわけではなく、詐欺という論評には反論がある人もいるでしょう。

しかし問題点は、フォークをするとビットコインユーザーに等しくコインが行き渡り、世界の取引所各社は手数料収入を目当てにフォークコインを上場させます。

つまり、市場で値段がついてしまうのです。

そして、そのコインは、プレマインされ、開発者が少ないとはいえない量を保有しているという可能性もあるわけで、これは悪質な貨幣鋳造という他ないでしょう。

ハードフォークで、意図的な貨幣鋳造のようなものが連発すると、その内ビットコイン自体の信頼が問われることになってしまうことすら心配しています。

ビットコインと、ゴールド(金)の最大の違いは、それが人の手で作られたこと、コピペ可能なコードである点ですが、その悪い面が全面にでていると言えます。

このフォークに関して、ウォレットプロバイダーや、取引所各社は対応を迫られるでしょうが、忙しい中こんな無駄なフォークに付き合わされ、心底同情する次第です。

筆者個人的には、事業されている各社は別にこのフォークには対応しなくてもいいのではないかというのが、個人的な感想でもあります。