日本国内でのプライバシーコイン取り扱い停止に関する議論

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日本国内でのプライバシーコインの取り扱い停止に関する議論

プライバシーコインの取り扱い停止

コインチェック社から匿名通貨(ZEC、XMR、DASH)、および賭博性がある利用がされる可能性があるAuger(REP)の取り扱いを中止する正式なプレスリリースがでました。

関連:仮想通貨(XMR、REP、DASH、ZEC)4種類の取扱い廃止:コインチェック

コインチェック社の前CEOで創業者の和田さんは、以下のようにツイートをしています。
今後の暗号通貨の発展にトランザクションの秘匿化は欠かせない、その思いから取扱をしていましたが、AML(アンチマネーロンダリング)の観点より今回の結論となったとコメントをしています。

このことには様々な意見があり、本コラムでもその点について触れていきます。

金融庁で行われている議論

金融庁では、現在「仮想通貨交換業等に関する研究会」が定期的に行われています。
こちらの研究会は、議事録が公開されています。

▼4/27開催「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第2回)議事録
https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20180427-2.html

ここでは匿名通貨の議論が一部されており、規制当局である金融庁の認識もある程度明らかになっています。上記によると、匿名通貨はマネロンに利用されやすく、一般の利用者に広がることを防ぐべき、匿名通貨はランサムウェアを使った身代金の要求に使用をされるので、その流通を規制すべきというようなことが書かれています。

議論は、このレベルで終わっており、お世辞にも深い議論が適切に行われているようには思えないというのが筆者の感想であり、それは多くの人が共有するところでしょう。

上場廃止をしても、しなくても、ここでは議論がされることがまだ多くあります。

将来的にビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)も匿名性を獲得

例えば、その一つに、ビットコインやイーサリアムであっても、将来的には匿名性を獲得します。レイヤー2と呼ばれるオフチェーンの技術が確立されると、ブロックチェーン外で秘匿トランザクションを生成し、最終的にビットコインのパブリックブロックチェーンには取引残高しか残らない将来像が想定できます。

しかも、オフチェーンにおいては、匿名化を付与したトランザクションでしばしば課題になるデータサイズの肥大化も問題になりませんので、既存の匿名通貨より、利用がしやすいかもしれません。

このような可能性を真剣に議論して、今回の取り扱い停止に向かっているようには思えません。なにより、個人としてのプライバシーの観点で重要性を見出すべきではないか?というような論説も一切ないことが極めて議論を浅くしています。

暗号通貨とマネーロンダリング

一方、マネーロンダリングに関する懸念も最もで、そこの真剣な対策をしたうえで、上述した事項を天秤にかけて規制当局は判断をすることが適切であると僕は考えています。

ちなみに、「ビットコインはパブリックブロックチェーンで送金を簡単に追跡できるからマネーロンダリングができない。」「現金の方がよほど匿名通貨だ。」等という論をTwitterで時折見つけますが、個人的には、これは懐疑的ですし、そういった主張の多くの人たちの理解は非常に浅いと考えています。

というのも、現金をマネロンの観点からいうと、Anonymityは高いですが、International Transferableではなく、これがビットコインでは真逆です。

この意味は大きく、ビットコインをはじめとする暗号通貨が反社会的な団体で使われる要素は大きくあります。そのうえで反社会的組織にとって、ビットコインと匿名通貨の利用の上での差分はなにか?なども考えるべきであるのですが、今のところ議論の質はそこまで高くありません。

米国:世界で一番厳しいNYDFSが、Zcash(ZEC)の取り扱いを許可

一方、アメリカの大手仮想通貨取引所Geminiは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から認可を得てZcashの取引を開始することが発表されました。

関連:ZEC(ジーキャッシュ)の価格が突如高騰…その理由とは!?

NY州の金融規制は最も厳しい規制とこれまでも度々指摘されており、それでもZcashの採用を許可したことを日本の当局はより議論をするべきでしょう。

そして、議論も大切ですが、より早く動いて規制を改正しなくては、世界から取り残されることは明白です。日本は、暗号通貨に対し、他国に先駆け多く議論を重ね、世界ではじめての規制を作ったにも関わらず、2018年現在、規制により身動きがとれなくなり、一気に世界から、周回遅れの環境になりつつあります。

この業界の時間の流れはとてつもなく早い。
規制当局には強く意識してもらいたいところではあります。

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