JPモルガン・チェースを集団訴訟、仮想通貨の高額手数料請求で損害と主張

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JPモルガン・チェースを集団訴訟、仮想通貨の高額手数料請求で損害と主張

米国の大手銀行であるJPモルガン・チェースの顧客は、仮想通貨を購入する際に手数料などを過剰請求されたと、2018年4月10日、クレジットカード顧客が同行を相手に集団訴訟を起こした。

原告らは同行に対して、100万ドルの法定損害賠償を請求している。訴えは、ニューヨーク州南部地区の連邦地方裁判所へ被害を受けた利用者が集団で起こしたものとなる。

銀行側は事前通知なく手数料、金利を要求

訴えによると、JPモルガン・チェースは2018年1月末、顧客に対してクレジットカードを使った仮想通貨購入を禁止し、現金による前払いを要求したという。同行はその際、所定のクレジットカードよりも高額の手数料と金利を要求して、顧客が異議を申し立てても返金されなかった。

クレジットカード顧客で原告の1人であるアイダホ州在住のブレイディ・タッカー氏は、1月27日から2月2日までの5日間のにわたる仮想通貨取引で合計143.30ドル(約15,000円)の手数料と20.61ドル(約2,200円)の金利の支払いを求められた。金利は年率30%にもなり、追加の手数料も加算されたという。

同氏はこれを不服として、集団の訴えに加わったが、同じような負担を強いられた。原告になりうる顧客は数千人に上るだろうという。
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この訴えによると、銀行側から事前の通告は一切なく、取引完了後に初めて手数料などの支払いを求められたという。クレジットカードの発行者は、言うまでもなく手数料などの変更は顧客への事前の通知義務が法律上決まっている。原告側を代表する弁護団は、サンディエゴ所在の法律事務所「Finkelstein & Krinsk LLP」である。

原告弁護団は消費者信用保護法に違反と主張

JPモルガン・チェース広報担当者は、集団訴訟そのものに関するコメントを拒否している。しかし、クレジット支払いのリスクを避けるために、2月3日になってクレジットカードによる仮想通貨の購入を禁止した。ビットコインなど仮想通貨の急落によって、2月以降シティグループやロイズ・バンキング・グループなど米英の大手銀行は、仮想通貨購入の際のクレジットカード利用を受け入れないことを通知している。

訴えによると、これらすべての仮想通貨購入に対するクレジットカード処理を受け入れる前に、同銀はそのような支出について1月から「現金前貸し」として処理を始めたが、その手続き変更がチェースのカード所有者には事前に通知されなかったという。原告弁護団は、チェース銀行が政策変更を開示しなかったことによって、米国の「消費者信用保護法」の侵害になると主張している。

支払い料金のほか100万ドルの法定損害賠償金を請求

原告のタッカー氏は「チェース銀行カード保持者に対して、公正な通知を完全に怠ったことで、カード保持者はすべての仮想通貨購入について、知らないうちに数百万ドルのキャッシングサービス手数料と多額の金利支払による損害を被ったことになる」と訴えている。チェース銀行は言うまでもなく、デビットカード保持者に対しては同様の手数料を課していない。

タッカー氏は訴状の中で、同行の最高経営責任者であるジェイミー・ダイモンCEOが2017年、ビットコインは「詐欺」であり、トレーダーは「愚か」だとして、そういった社員は解雇対象になると言及したことを引き合い出し、「チェースは愚かな顧客に対しても、一方的に罰金を科すことを選択した」と非難している。

原告弁護団は、支払った料金のほかに、総額100万ドルの法定損害賠償金を請求している。集団訴訟の原告が最終的に何人になるかは不明だが、数百人あるいは数千人になる可能性があるとしている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考
CoinDesk
REUTERS