韓国国会がICO禁止解除の法案提出、規制緩和の具体的一歩になるのか?

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韓国国会がICO禁止解除の法案提出、規制緩和の具体的一歩になるのか?

韓国国会が国内でICO(Initial Coin Offering)発行を再び許可する法案を提出した。韓国政府は2017年9月以来、国内でのICOを禁止しており、韓国企業は海外でICO発行を余儀なくされてきた。

政府はICO禁止後の8ヵ月余り、その影響の再検討など、約束した何らの後処理もしてこなかった。この間、ブロックチェーン企業や取引所が、事業を海外に移転した結果、韓国経済にマイナスの影響を与えていることは間違いない。さらに、一般投資家の仮想通貨購入資金も海外に流出したのだ。

政府の一定の管理下で投資家保護条項に基づきICO合法化へ

韓国国会は2018年5月29日、ICOを合法化する法案を提出した。英文ネットニュースメディアBusinessKoreaによると、国会は政府が長い間傍観してきたことに危機感を抱いた。議員立法は、投資家保護条項に従うものに限り、ICOを認めるというもの。

法案づくりに努力してきた一部の国会議員は5月初め、政府管理下の一定条件を満たすことを前提に、ICOを合法化する法案の骨子を確認した。協議した結果、国務総理直属の機関である金融委員会(FSC)および科学技術情報通信省(Ministry of Science and ICT:MSIT)の監督・助言を受けて認可することになった。

一方、国会の第4次産業革命特別委員会は5月28日、最終的な会議を開き、ブロックチェーンのアプリケーション開発努力を強化する義務を怠ってきた政府を叱責する活動報告書を採択した。

報告書は発足以来6ヵ月間の協議内容をまとめたもので、「仮想通貨取引の透明性を高め、健全な取引習慣を確立するため、民間の専門家を含むタスクフォースを組織する」とともに、「韓国国会に設置する常任委員会を通じて、ICOの認可を含む仮想通貨取引の法的基盤を確立する」としている。

企業は海外に拠点移し、ICOも海外で発行を計画

韓国政府が2017年9月に国内でのICOを禁止した結果、国内のブロックチェーン企業は、ICOを発行するためシンガポールやスイスで発行、不必要な支出に迫られた。韓国の仮想通貨取引所も海外拠点での業務に力点を置いた。一般投資家の投資資金が海外に逃避したのは言うまでもない。

韓国では、世界レベルの大手仮想通貨取引所Bithumb(ビッサム)などの取引所やIT大手のKakao Corporation(カカオ)などの企業が、シンガポールやスイスなどを経由したICOの検討を迫られた。例えばビッサムは2018年4月、Bithumb Coin(ビッサムコイン)という独自のトークンを発行する計画を発表した。問題はそのICOがシンガポールで発行を検討しているというのだ。

関連:ビッサムが独自トークン「Bithumb Coin」を発行計画、シンガポールでICO実施か?

ちなみに仮想通貨取引量はいろいろな計算法があるが、常に上位にくるのは米国、中国、韓国、日本などだ。韓国の仮想通貨が経済に及ぼす影響は間違いなく大きいことが分かる。

政府と立法府間の法案をめぐる協議進展がカギ

政府がICOを禁止した理由は、ICOが金融の安定性を正真正銘脅かすものと見ていたからだが、それから約8ヵ月の期間、仮想通貨エコシステムを必要に応じて見直し、規制緩和に反映させるという政府の努力が見られずにここまで来てしまった。

今回のICO合法化の背景には、言うまでもなく海外でICOを実施することによって、企業の負担が増加することや巨額のICO資金が国外へ流出するという懸念がある。しかし、もう1つの理由は、政府の無策に立法府が苛立ったことである。今後は、政府と国会との間で、ブロックチェーンやICOに関する協議が加速するかどうかにかかっている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

関連:韓国がICOなど仮想通貨規制を一転緩和か、金融監督院(FSS)トップ交代が契機に

参考:
BusinessKorea
Bitcoin.com