韓国政府×ブロックチェーン:仮想通貨市場が産業化することへの期待や今後の展望

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センタリング

韓国によるブロックチェーン技術の採用は各所で進みつつある。2018年6月末には、6種類の公共サービス分野において、ブロックチェーン技術を利用した際の事業の継続性に関する実証実験を支援すると発表した。

韓国政府:ブロックチェーン技術への支援

韓国政府のブロックチェーン支援策を受けて、投資科学技術省は、他の政府機関と協力して公共部門でのブロックチェーンを推進すると述べた。この過程においては、家畜サプライチェーン・マネジメントや通関手続き、オンライン投票・不動産取引など重点を置いている。

韓国政府はブロックチェーンを利用して、公共サービスにおける情報共有の効率性と透明性を向上させることを目標としている。一例として、家畜の情報を繁殖の時点から記録を行い、流通元帳の販売に移すシステムを導入するため、農林水産省と協力すると説明した。また、万が一問題が発生した場合、ブロックチェーン上のノードとして機能するサプライチェーンの各当事者は、フォローアップ期間を今までの6日から10分未満へと時間の大幅な短縮が可能になる。

不動産業界のブロックチェーン技術は、国土交通省によって実施される。不動産、税金、法務サービスをブロックチェーンと統合することで、不動産取引は消費者にとってより合理的かつ効率的になるだろう。

さらに科学技術省は、ブロックチェーン技術を開発するためのロードマップを策定している。ロードマップによれば、世界のトップ諸国と比較して2022年までに追い付くことを目標として掲げている。

また、韓国政府はブロックチェーンの研究センターを拡張するために、最長6年間にわたり約72万ドルを投資すると発表した。センターの目標は、ブロックチェーン技術を学生に教育したうえで2022年までに10,000人のブロックチェーン専門家を育成することだ。

参考:Coindesk

韓国の仮想通貨市場に対しての考察

韓国は、米国と日本に次ぐ世界第3位のビットコイントレード市場だ。昨年の需要の高まりから、ビットコインの韓国為替相場のスプレッドは、他国の為替相場よりも1,000ドル以上高いほどだ。

また、現在の韓国の姿勢とは異なってくるが2017年には国内のICO禁止、2018年1月には仮想通貨取引所の廃止などを朴相基法務大臣が示唆したことにより、仮想通貨が禁止されるのではないかと一時騒然となった。

しかし、現在の韓国の姿勢は依然とは真逆の方向にあると言える。世界中でブロックチェーン技術の開発・採用が進み、キャッシュレス化が進行していることに加え、世界規模の大手企業ではブロックチェーンをサービスとして売り出している。

キャッシュレス社会を目指すと表明した政府は、昨年とは政治方針を変更し2018においてはブロックチェーンを熱烈に推進している。直近では2018年7月にブロックチェーン業界を正式に産業として認可する方針と発表し、細かい法律はこれから作成していく予定だ。

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そして、韓国は2018年7月にKorea Blockchain Summit 2018を開催した。銀行や金融、保険、輸送、製造、小売などの分野で、500を超える企業の代表者が出席し、ブロックチェーンの方向性やメリット、活用例などが話し合われた。ブロックチェーンは世界的な現象となっており、アジアの企業や投資家からの注目度は非常に高い。

韓国の思惑として、仮想通貨やブロックチェーンに対して肯定的な立場を政府としてアピールするためにサミットを行ったとも考えられる。ブロックチェーン業界を産業として認可することにより、法整備がしやすくなることに繋がる。法整備の遅れや仮想通貨取引所のセキュリティの甘さなどは問題と言えるものの、いずれ改善されると見ていいだろう。

韓国政府は今後、世界でもブロックチェーン技術に対して先進的な国として生まれ変わっていくだろう。同時に仮想通貨の活用や情報通信メーカーのサムスン・LGなどの韓国の大企業がどのようにブロックチェーンサービスを展開していくのかには要注目だと言える。

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参考
TheStreet