オンチェーン流動性プロトコルKyberNetworkが最高日次取引高を記録、躍進の理由とは?

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オンチェーン流動性プロトコルKyberNetworkが最高日次取引高を記録、その躍進の理由とは?

分散型取引所(DEX)のエコシステムの中でカイバーネットワーク(KyberNetwork)の存在感が増しています。24時間あたりの取引ボリュームは6月27日に過去最高を記録しました。

オンチェーン流動性プロトコルのKyberNetworkとは

KyberNetworkは、イーサリアム(Ethereum)のオンチェーンで稼働しているトークンをスワップするプロトコルとして、最も主要なプロジェクトの一つです。同プロジェクトは2017年9月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を行い、2018年2月にメインネットでローンチをしました。その後も精力的なアップデートを続けており、イーサリアムのコミュニティーでは常に中心にいたプロジェクトです。

KyberNetworkは、広義にトークンをスワップするためのプロトコルであると表現できます。同プロジェクトはDEXプロジェクトとして知られることも多いですが、単一のDEXとしての機能だけではなく、KyberNetworkはトークンをスワップするプロトコルとして開発されています。KyberNetworkは、さまざまなDApps(分散型アプリケーション)やイーサリアムの経済活動の裏側でKyberNetworkがスワップを実行できる使われ方を描いています。

KyberNetworkは、自らのビジョンとして「Any Token Anywhere」を掲げています。ユーザーAが物品の購入にXトークンで支払いをしたい場合に、ユーザーBはYトークンで受け取りたいと希望をしても、KyberNetworkが裏側でスワップをできるというペイメントプロセサのようなイメージです。もちろんDEXとしても利用でき、DEXの機能はKyberSwapとして提供されています。ウェブのインターフェイスはもちろん、モバイルアプリも提供されています。(参照:https://kyberswap.com/ )

KyberNetworkでは、全てオンチェーンでセトルメントされ、かつオーダーブックが存在しません。スマートコントラクトを用いた流動性プールに、流動性提供者がトークンをプールして、リアルタイムで買値・売値が算出されます。

ユーザー体験としては、中央集権取引所における「販売所・簡単売買」と同じで使い方は極めて簡単です。DEXとして使用するときも、ペイメントプロセサのような使い方をする際も、流動性プールは同じものを使用します。

また後述しますが、提供されているコードをペーストするだけで、KyberNetworkの交換所にアクセスできるウィジェットを、自身のサイトやアプリに設置することもできます。

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KyberNetworkの躍進の理由

KyberNetworkの創業者であるロイ・ルー(Loi Luu)氏のインタビューから躍進の理由が読み取れます。主に流動性シェアとコントラクトのみで全てを完結できるプロダクト設計にこだわった2点が強みでしょう。

流動性シェアについてKyberNetworkは、ユニスワップ(Uniswap)とオアシスDEX(Oasis DEX)、ダッチX(DutchX)と流動性シェアをしています。KyberNetworkのコントラクトを通して、トークンAを交換したい人は、例えKyberNetworkの流動性プールにトークンAの十分な流動性がなくともUniswapなどの流動性プールからトークンAを取得できます。

また最近バンコール(Bancor)などがアメリカのユーザーからのアクセス制限などを行っていますが、KyberNetworkはそういったことは行っていません。そもそもDEXのアクセス制限は、それをホストするウェブサイトへの規制で、スマートコントラクトレベルでは規制ができません。

KyberNetworkは全てオンチェーンのDEXであり、そのコントラクトを簡単なSDK(ソフトウェア開発キット)でさまざまなウォレットやウェブサイトから接続でき、現在20以上のインターフェイスから接続できます。

しかし例えば、IDEXなどはオフチェーンで注文板を表示させており、IPアドレスを制限すればDEXの機能全体が使えなくなります。その点でKyberNetworkは、スマートコントラクトそれ自体がプロダクトと言えるので、よりDEX的であり検閲困難です。 

分散型取引所(DEX)のマーケットが大きくなる未来

KyberNetworkのロイ・ルー氏は、DEXのマーケットの非効率性についても言及しています。各DEXのマーケットはまだ非効率でトレーダーのアービトラージ機会がありますが、それを真剣に取り組むトレーダーが現れるほど、DEXのマーケットは大きくありません。

しかし、このような非効率性の解消とマーケットの拡大に伴い機関投資家もDEXの利用に興味を示すはずです。理由はDEXのほうが透明性の高い市場であるためだと回答しています。
直近では、他にDEXの主要プロトコルのゼロエックス(0x)も大型アップデートを控えており、DEXの存在感も今より大きくなるのではないのかと予想されます。

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