1年後の仮想通貨ビットコインの価格・相場状況は?:栢森 加里矢(QUOINE 代表取締役CEO)

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Liquid by QUONE 栢森CEO

コインチョイス(CoinChoice)のみなさん、はじめまして。

Quoine株式会社(コイン)の栢森(カヤモリ)と申します。2017年9月に仮想通貨交換事業者として金融庁登録を行い、Liquid by Quoine(リキッド)を運営しています。LiquidではBTC、ETH、BCH、XRP、QASHの5つ仮想通貨を取り扱っています。

https://www.liquid.com/ja/

今月よりコインチョイスにて仮想通貨をテーマとした記事を連載することになりました。

さて、2018年の日本の仮想通貨業界は2017年の驚異的な仮想通貨価格の上昇から一転、長期間にわたり価格の修正が起きてます。追い打ちをかけるように、複数の仮想通貨交換事業者における不正流出・盗難、さらに金融庁による業務改善命令等で、仮想通貨業界全体の信頼が根底から揺るがされている状況だと考えています。

特に、2017年後半にはじめて仮想通貨と出会って購入された方々の中には、高値で購入してしまい、含み損を抱えたまま、売るに売れない状況の方々が多いと思われます。早期の回復を期待していたものの、長引く価格の低迷、次から次へと出てくるネガティブなニュースですっかり仮想通貨に対する希望を失いかけている方が多いのではないでしょうか?

日本における仮想通貨が一時の浮かれたブーム、時代の徒花(アダバナ:実を結ばない花のこと)で終わるのか、それとも夢と希望に満ち溢れて大きくなっていくのか、まさに岐路に立たされている状況だと思います。正念場です。

でも、ご安心下さい。私が起業した4年半前から、ビットコインは何度も一過性のブームだ、バブルだ、すぐに終わる、既に終わったと言われてきました。しかし業界はマウントゴックス(Mt. Gox)事件があったときも、ハードフォークがあったときも、それを乗り越えてきた経緯があります。

仮想通貨とブロックチェーンがもたらす革新的創造は、金融業界だけでなく多くの業界にイノベーションをもたらします。特に何百年と続いてきた旧態依然とした金融業界を間違いなくディスラプト(創造的破壊)することになるでしょう。まだまだ、黎明期と思っていただくのがよいと思います。

今回の連載で、1年後の仮想通貨、10年後の仮想通貨、各国の規制等、さまざまなテーマを話したいと思いますが、まずは1年後の仮想通貨の状況をビットコインの価格に注力して検証していきたいと思います。

価格・相場からみる仮想通貨・ビットコイン

以下の図を見ていただきたいのですが、2018年1月26日の大手仮想通貨交換業者の流出事件の前より、ビットコインの価格は修正が始まっていました。

この画像だけ見ると一直線に価格が落ちているのがわかります。USドル換算となり恐縮ですが、2017年12月のピークであるUSD 20,000から2018年6月下旬にUSD 5,700近辺まで落ち、その後長期低迷しています。ピーク時から1/3になっていますので、マーケットのセンチメントが悪く、絶望的に思うのも無理ありません。

現在のビットコイン価格・相場状況

チャート・相場からみる仮想通貨

ただ、この図に非常に似ているグラフがあります。それは、私が起業した2014年当時ですが、まさにマウントゴックス(Mt. Gox)事件が起きた時期でもありました。

マウントゴックス(Mt. Gox)事件は2014年2月に起きたのですが、その前の年に、中国を中心に1ビットコインがUSD1,000を超えたのです。マウントゴックス(Mt. Gox)事件の前から価格の修正ははじまっていましたが、事件をきっかけに一時USD250以下まで落ちたのです。価格にして1/4になったのです。

当時はまだイーサリアム等のアルトコインは存在していないので、「ビットコインは終わった」や「絶対に復活しない」と言われました。どこにいっても白い目で見られ、悪人のような対応を受けており、正直大変でした。

マウントゴックス仮想通貨価格推移

しかし、マウントゴックス(Mt. Gox)事件から本日までをグラフで引き伸ばすと、Mt. Gox事件時の価格下落が誤差値のように見えます。それだけ、この4年ちょっとでビットコインの価格相場が上昇していることがわかります。つまり、その時は辛く絶望的に見えても、中長期でみると全く問題ないのです。

おそらく、これから4−5年後には、この2018年のビットコイン価格の下落も、2014年当時のマウントゴックス(Mt. Gox)事件時の下落と同じように、誤差の範囲内に見えるような気がします。私は、そう確信しております。

過去5年間のビットコイン価格推移

出来高からみる仮想通貨・ビットコイン

次に、ビットコインの出来高を見てみましょう。世の中何でもそうですが、本当に魅力がなくなり、見向きさえされなくなったらおしまいです。仮想通貨の交換所や販売所での取引高も当然細ぼっていくはずです。出来高が少なく流動性がない市場ほど、魅力のない業界はありません。ビットコインの価格の下落と同様に出来高も昨年のピークから落ちていると思われている方も多いのではないでしょうか?

以下の図を見ていただくとわかりますが、当社が運営しているリキッド取引所でのビットコインのBTCベースでの出来高は2018年8月に過去最高を更新しました。円やドルベースでは価格の下落が大きいため、BTC数で補うことは難しいですが、BTCベースで見ると、市場が復活しているのがわかります。

マウントゴックス(Mt. Gox)事件時は、出来高が復活するのに2年ほどかかりましたが、今回は半年ほどで出来高が復活しました。国内市場だけでなく、海外市場でも出来高が復活したのは、非常によいシグナルです。最悪期は脱したと言えると思います。

国内・海外市場での出来高

さらに、当社情報だけですと限られたデータの可能性もあると言われるおそれがありますが、昨年末にスタートしたChicago Merchantile Exchange (CME)の先物の出来高チャートが非常に興味深いです。着実に市場は伸びていることがわかります。まさに、先物市場やデリバティブ市場が発展することにより、仮想通貨市場が成熟していくのです。これからが楽しみです。

CME出来高チャート

マイニングコストからみる仮想通貨・ビットコイン

過去も今も、多くの識者や評論家は、仮想通貨には本源的な価値がないと言います。国が発行する法定通貨は国の信用をベースに価格が維持されています(これも先進国に限った論理ですが)。金や銀は、現物として宝飾品として使われたり、何千年にもわたる暗黙の信頼に基づく価格形成がなされています。

実際に金や石油は採掘し、精製し、そして流通に乗せて販売する等、リアルなコストがあります。法定通貨も発行し、流通を維持するコストがあります。実は、ビットコインも似た採掘プロセスを踏みます。全てデジタルではありますが。ビットコインの採掘者は、専用の機械を集結演算することより、ブロックチェーンという分散化台帳に取引の承認・確認を最初に追記した場合にのみ、報酬としてビットコインを新たに受け取ることができます。この行為が鉱山の金脈の採掘行為に似ていることからマイニング(採掘)と呼ばれています。

以下の図からもわかりますが、1ビットコインを採掘するコストはUSD5,000−6,000と言われております。つまり、ビットコイン価格が採掘コストより下がった場合、多くの採掘者は倒産に追い込まれてしまいます。過去をみても、ビットコイン価格が採掘コストを割ったことは殆どありません。逆に4年に一度くるビットコイン報酬の半減期には、価格が上昇することも実証されています。

ビットコインは空気のように誰でも簡単に発行できると言われることがありますが、実際は金や銀や石油のように、流通されるまでコストがかかり、このコストを反映する形で価格の下支えがあるとも言われています。

マイニングコストからみる仮想通貨(ビットコイン)

次のグラフがさらに興味深いのですが、現在の採掘の難易度から逆算すると、1年後の2019年末には、ビットコイン価格は1ビットコイン=390万円近い可能性があります。このグラフどおりに価格があがると、夢があって素敵ですよね。

2019年末のビットコイン価格予想

仮想通貨・ビットコイン=未来と可能性

私が最後にお伝えしたかったのは、「仮想通貨=未来」ということです。是非以下図を見て下さい。これは、当社のユーザへのアンケート調査の結果でが、実施時期は2018年3月、まさに大手仮想通貨交換業者流出事件後で、メディアも含めて仮想通貨に対する風あたりが一番強かった時期です。回答者数も3,988人と通常のアンケート調査よりも多くの回答がありました。

質問項目は、「あなたにとって仮想通貨とは○○である」

この回答をみて、私は改めてこの業界にいて良かった!!リキッド取引所を運営していて良かったと感動しました。当社の顧客にとって、仮想通貨は未来であり、可能性であり、価値であり、通貨であり、技術なのです。投機や投資という回答もありましたが、少数回答でした。

メディアや監督官庁が気にしている、マネーロンダリングや不正、脱税、犯罪という回答はありません。確かに、アンケート調査でネガティブなことを書く人はいないのかもしれませんが、圧倒的に多くの方が、仮想通貨に可能性と未来を感じているのです。私は、仕事が辛くなったり、悩んだりする時に、いつもこの一枚の図を見ます。

liquid by quoineユーザーアンケート

次に、皆様に共有したいのが、以下の写真です。私は、2018年9月にWorld Economic Forum Summer Davosに仮想通貨関連のスピーカーとしてパネルに参加しました。2017年以前、World Economic Forum(以下WEF)で仮想通貨やブロックチェーン関連のテーマはありませんでした。

WEFのミッション:「世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、官民両セクターの協力を通じて世界情勢の改善に取り組む国際機関です。政界、ビジネス界、および社会におけるその他の主要なリーダーと連携し、世界、地域、産業のアジェンダを形成します・・・[中略]・・・私たちは、ポジティブな変化をもたらす原動力と影響力を備えた、社会のあらゆる分野の人々が連携することによって進歩が生まれると信じています」

つまり、政界とビジネス界、社会のリーダーが仮想通貨やブロックチェーンの社会的意義、その必要性を認めたのです。私は、大変光栄なことに、日本を代表して登壇する機会を頂きました。このように世界中が仮想通貨・ブロックチェーンに期待しています。この期待に答えられるよう、今後も全身全霊で仮想通貨業界の健全な発展に微力ながらも貢献していきたいと思います。

世界経済フォーラム(World Economic Forum)栢森氏登壇

世界経済フォーラム(World Economic Forum)栢森氏登壇

最後に

私が最初に仮想通貨に出会ったのは2010年ですが、その革新性、イノベーションに衝撃を受けました。インターネットと出会った時以来の興奮を覚えたものです。

インターネットがあらゆる業界にポジティブなインパクトがあるように、仮想通貨・ブロックチェーンも同様なインパクトがあると信じて疑いません。だからこそ、自分の社会人人生を全て仮想通貨・ブロックチェーンにかけることにしました。

当然、新しいものや破壊力のあるものは、既成産業や伝統的なやり方をおもんじる方々には受け入れられないのも理解できます。ただ、イノベーションは気づいたら、それなしでは生活できなくなってしまうものです。人間が素晴らしいのは、常に進化を遂げてきているからであり、それは人間自身が肉体的・身体的な進化を遂げたわけでなく、技術革新により生活が進化してきたからです。

仮想通貨は、社会での実用化やインパクトを鑑みると、まだまだ黎明期です。一方で期待値が先行すると価格があがったりバブルを生みます。その反動で価格が大きく下落するのもあります。それも含めて成長痛です。

一年後の仮想通貨は、実証段階から実用段階へ移行し、用途も広がり、価格も成長フェーズになると思います。このような歴史的な移行期に、仮想通貨業界に携われることは幸せでなりません。

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2017年7月7日公開:QUOINE(コイン)に潜入インタビュー

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