英国大手ロイズが仮想通貨の保管サービスに保険提供、デジタル資産保管に大きな信用付託

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英国大手ロイズが仮想通貨の保管サービスに保険提供、デジタル資産保管に大きな信用付託

英国大手保険会社ロイズ(Lloyds of London)は、投資家向けに120億ドルものデジタル資産の保管サービスを提供しているKingdom Trust(キングダムトラスト)の保管サービスに保険を掛けた。Kingdom Trustによると、この保険は投資家のデジタル資産が盗まれたり、損失を受け、破壊されることを保護する。

保険業界は規制が定まらず不安定なこの分野へのサービスに積極的ではなかったが、時代を先取りして、成長ビジネスに目を付けたロイズの読みとその先見性に注目している。

仮想通貨市場に機関投資家を引き付ける保険サービスを

Kingdom Trustは米ケンタッキー州に本社があり、サウスダコタ州の信託銀行として正式登録されている。同社のマット・ジェニングス最高経営責任者(CEO)は、2010年創設以来、保険サービスを探し求め、特にこの1年熱心だった。

同CEOは今回の契約を発表した2018年8月28日、「当社は創設当初から、保険こそこの市場(仮想通貨)の機関投資家を引き付ける主要な要因とみてきた」(ロイター通信)とコメントした。世界最大手保険ロイズのスポークスマンは直接この取引のコメントを避けた。

なお創生期と言える仮想通貨市場は、機関投資家を含む主流となる投資家を引き付けるには、資産の安全確実な保管サービスが必要だと考えている。しかし、大手の信託銀行は仮想通貨の保管を取り扱っていないのが現状である。

ビットコイン、イーサリアム、リップルなど30以上の仮想通貨を保管しているKingdom Trustは、ジェニングスCEOによると、「われわれは機関および個人の投資家の双方に、質の高い保管サービスを提供しており、クライアントに対して明白かつ透明な報告書によるコンプライアンスが可能となる枠組みを提供している」と語った。

ロイズ本社は仮想通貨保管サービスに慎重な姿勢を貫いてきた

超保守的な保険業界は最近、デジタル資産の適切な保管サービスに徐々にではあるが関心を持つようになっている。米国ではAIG、XL Catlin、Chubb、三井住友などの保険会社がメディアの話題に上っているが、全体として活動は控えめである。

一方、ロイズ本社もまた、慎重な姿勢ではある。Kingdom Trust保険を仲介した米イリノイ州のSafe Deposit Box Insurance Coverage (SDBIC)は、この分野の資産クラスの保険にはなお、少しためらいがあることを認めている。事実、ロイズは7月、傘下シンジケートや代理店に仮想通貨の扱いは慎重に進めるよう促す指示書を出している。

ロイズ本社スポークスマンは、慎重な姿勢について、「仮想通貨業界はこのところ、機関投資家など多くのメーンストリーム投資家を受け入れ始めている。しかし、セーフガードが不十分であることことも事実である。大手保管銀行はなお仮想通貨を扱っておらず、ブランド監査が仮想通貨空間の企業に関与することはめったにない」とコメントしている。

ロイズ傘下のシンジケート10社は前向き、水門は徐々に上がり始めた

しかし、米国の貸金庫保険会社SDBICによると、水門は徐々に上がり始めている。同社のジェリー・プルァード社長はロイズ保険組合の保険引き受け会社とブローカーから成るシンジケートの中で10社ほどが仮想通貨の保険引き受けに意思を示しているという。

世界最大手のロイズが、仮想通貨業界に参入したことは、コールドストレージを採用するという保管サービスの安全性が大きく向上したこと、少なくとも保険業界が安心できる支援策が整い始めていることを物語っており、今回を契機にして機関投資家が仮想通貨に投資して、安心して保管してもらえる端緒にもなりそうだ。

ロイズは現在、85のシンジケートと56の経営代理店を統括しており、2017年の336億ポンド(約4兆8800億円)の保険金を引き受けている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
Coindesk
Bitcoin.com