仮想通貨ATMをターゲットにしたマルウェアが約280万円で販売、トレンドマイクロ社が警鐘を鳴らす

6446

編集部ピックアップ

仮想通貨ATMをターゲットにしたマルウェアが約280万円で販売、トレンドマイクロ社が警鐘を鳴らす

2018年現在、世界各地ではビットコインをはじめとした仮想通貨専用のATMが数を増やしている。取引所へ登録したり、ウォレットを保有をしていなくとも、簡単に仮想通貨の売買ができ、実際にはATMというよりは端末で操作できる仮想通貨販売所のような機能だ。

しかし、仮想通貨ATMが増えるのに従って新たな問題が浮上している。銀行ATMと同様、仮想通貨ATMも犯罪のターゲットとなりつつあるのだ。

狙われる仮想通貨ATM、マルウェアがダークウェブで約280万円にて販売

サイバーセキュリティのトレンドマイクロ社が2018年8月に発表した調査結果により、仮想通貨ATMをターゲットにしたマルウェアがダークウェブにて25,000ドル(執筆時点:約280万円)で販売されていたことが明らかになった。

このマルウェアはビットコインATMの脆弱性をついたもので、最大で米ドルにして6750ドル相当(執筆時点:約75万円)の仮想通貨を窃取することが可能だという。購入者にはマルウェアが利用可能なカードが送付される。販売者の投稿にはマルウェアの動作についても詳しく説明が記載されているとのこと。同調査によれば、販売ユーザーには100件以上のレビューが寄せられており、非常に多くの人々がこのマルウェアを購入したことがわかる。

ビットコインATM数が急増、5年後には市場規模約155億円になるとの試算も

ビットコインATMをターゲットにしたマルウェアが販売されている中で、ここ1年ほどで仮想通貨ATMは急増している。仮想通貨ATMの設置数などが検索できるCoin ATM Radarによれば、記事執筆時点でビットコインATMの総数は北米を中心に全世界で3727台に上り、2017年初めから比較すると実に4倍近い伸びを見せている。

同調査によれば、ビットコインほどではないものの、その他アルトコイン対応仮想通貨ATMもその数を伸ばしているとのことだ。

参照:Coin ATM Radar

加えて、マーケティング調査を行うReserach And Marketは、仮想通貨ATM市場に関する試算を発表。5年後の2023年には2018年現在の約1630万ドルから、10倍近い約1億4450万ドル相当(執筆時点:約155億円)の市場規模になるとの予測を立てた。

こうした仮想通貨ATMの好況の一方で、トレンドマイクロ社は調査の中で現状に対して警鐘を鳴らしている。

仮想通貨ATMは共通のセキュリティ基準がない

トレンドマイクロ社は、現在仮想通貨ATMには銀行ATMのような共通のセキュリティ基準がないと指摘する。銀行ATMではキャッシュカードやデビットカード、そして認証番号が要求される。だが、これに対して仮想通貨ATMは、スマートフォンと仮想通貨用ウォレットがあれば簡単に利用でき、必要な証明も “携帯電話番号” “指紋認証”といった具合でバラバラだ。

ウォレット自体も種類は非常に多く、各ユーザーの趣味嗜好に応じて様々なものが使われているだろう。トレンドマイクロ社によれば、セキュリティ基準が未発達な仮想通貨ATMは犯罪者たちの格好の標的であるという。

2018年9月時点でビットコインをはじめとした仮想通貨ATMの数は多くはない。だが、今後現在の勢いのまま仮想通貨ATM市場が増え続ければ、こうしたマルウェアを利用した犯罪も顕在化する可能性がある。

日本に置かれている仮想通貨ATMは11台(記事執筆時点)とまだ少ない。日本で仮想通貨ATMが普及する際には、統一されたセキュリティ基準が生まれていることを期待したい。

関連
仮想通貨ATMがギリシャで増加、世界の市場規模は1億4450万ドルへ
仮想通貨ATMの需要が高まる、ここまで支持される理由とは?

参考
CCN
ReserachAndMarket