メジャーリーグ(MLB)がブロックチェーンゲームをローンチ
メジャーリーグ(以下MLB)が、Lucid Sightというゲーム会社と提携をして「MLB Crypto Baseball」というゲームを開発をする報道がでました。
ゲームは、今年のQ3にもゲームをローンチをするとしていて、すでにランディングページができており、また、事前登録の受付が開始されています。
このゲームの発表は、大きいインパクトです。
というのも、これはベースボールカードのようなもので、アメリカでベースボールカードの人気は根強いものがあり、収集マニアは多くいます。
その歴史は非常に古く、起源は1900年代以前に遡ります。もともとはスポーツ専門がPR目的で作り始め、その後ガムやタバコに同梱されたりなどをして、その後にスタジアムで販売されるオフィシャルグッズになるなどの歴史があり、1世紀以上にわたりアメリカで親しまれてきました。
マニアの間で人気のカードは、日本円にして数千万円で取引されることもあるといいます。それがブロックチェーンでコレクティブが可能なアイテムになって、二次流通市場もあり、ゲーム性もあるといえば、期待度は高いでしょう。
米Yahooファイナンスのインタビューでは、Cryptokitties(クリプトキティーズ)と似たように動作をするゲームになるだろうとMLBよりコメントが出ていますが、筆者個人的にはCryptokittiesを超えるヒット作品になる可能性を期待しています。
Ethereum(イーサリアム)上でゲームを構築をする以上、このゲームのカード(トークン)はEtheruemネットワークでトランザクションをする必要がありますので、ユーザーはMetamaskなどのウォレットをダウンロードし、かつ、トランザクションフィーの支払いのために小額でもETHを保有しなくてはなりません。
ユーザーにとってここは超えるべきハードルになるでしょう。
提携をしたLucid Sight社とは?
今回、メジャーリーグと提携をするLucid Sight社は、2015年にロサンゼルスで創業をされた会社で、新興企業ながらすでに10以上のゲームをリリースしています。
創業者であり、CEOのRandy Saaf氏は、2008年のiPhone黎明期にiPhone向けゲームの会社をつくり、多くのゲームを開発した経歴を持つ、ゲーム領域のプロフェッショナルです。
新しい会社であるLucid Sight社では、創業以来、VRゲームとブロックチェーン系のゲームにフルコミットをしているユニークな企業です。
これまでブロックチェーン関連ゲームの開発として、「CRYPTO SPACE COMMANDER」や、「Crypticconjure」などをリリースしています。
直近10年間の大きなトレンドは、スマートフォンであり、その周辺で産業を構築する企業が、大きく成長をしました。それはSNS、広告、金融に始まり、ゲームも然りです。
しかし、スマートフォンの出荷数ベースの成長率は踊り場に達して、次の10年の新しいテクノロジー(VR、ブロックチェーン)にコミットをしている同社の今後に期待されます。
現在、ブロックチェーン系のゲームの開発が活発になっている背景として、Ethereumのトークン規格のひとつであるERC721が使用可能になったことであり、CryptoKitties以降後続のDappsゲームを多く生み出しました。
技術トレンドとしても、EthereumのNon Fungible Tokenは、非常に重要なトレンドであり、これについては筆者のブログで解説をしています。
▼EthereumのNon Fungible Tokenが切り開く未来、将来の応用のされ方について。
https://junyahirano.com/future_of_non_fungible_token/
メジャーリーグのように、すでにこれまで歴史とファンの積み重ねがあるコンテンツがブロックチェーンアセットになる事例はこれからも増えるでしょう。
今後、例えば、カードゲームのマジック・ザ・ギャザリングや遊戯王などは相性が良いはずですし、ポケモンなども相性がよく、そういったコンテンツのいくつかは実際にこの領域に参入をすることがあると思います。
もちろんすぐにユーザーがついてくるものではなく、時間がかかることもあると思いますが、少しずつブロックチェーンは一般ユーザーに受け入れられていくと期待されます。
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